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生きづらさを払拭する「在り方」

生きている限り、自分よりも優秀な人や力のある人は、数え切れないくらいに存在している。彼らから刺激を受けるのは大切だし、僕も日々刺激を受けているのだけれども、そこで卑屈に思うことは何もない。気合いを入れて生きることのほうが何よりも大事だから。

生きづらさを払拭する「在り方」

女性の活躍が注目される世の中で、生きづらく感じている男性も少なからずいるのではないかと感じることがあります。「男性が働いて、女性は家庭を守る」的な昭和の価値観は崩壊してきているけれども、男性像は根強く残っているし、男性側が旧来の価値観に縛られていると、自分で自分の首を絞めるような状況に陥るのだろうなと。

男性よりも女性の方が収入や社会的信用が高いカップルも存在しますが、そんんなとき男性側が引け目を感じてしまう問題が生まれ得ると思うのです。口では「そんなの関係ない」とは言っても、実際のところは引け目を感じている男性は多いような気がしています。それもあって、似たような職種の人同士で一緒になるのは理解できるのですが、可能性が狭まるし、面白くないよねと思うのです。

まあでも男性は強くいたいのもわかるし、僕も女性と食事すると会計を出しちゃうし、それもよく考えれば自分を一定に保ちたいってことなんだと思うし、僕は僕で理屈をこねているけれども既存の価値観は残っているのでしょう。

僕が言いたいのは、もっと自由でいいし、広くあることで、豊かになれるということです。

■「男だったら〜」に同意できずに生きてきた

僕は男性でも女性でも力のある人間はあるし、それは男女関係なく評価されるべきだと考えています。格闘技は圧倒的に男性が多い社会ですが、そこに女性選手が進出してきたことで、女性が注目をされることは多々あります。

女性であろうと男性であろうと取り組みだったり、競技力だったり、表現力がどれだけあるかで評価するので、注目されていたとしても辛い評価をすることはあります。僕は男性優位で考えている人のように誤解を受けることもあるけれども、見ているのは力があるかどうかです。

そもそも、格闘技において力ではなく、性別で評価されていたら、それほど馬鹿にされてる話もないと思うんだ。僕はフェアであることを大事にしています。

子どもの頃に柔道の試合で男女一緒に試合をしたら、女性の方が身体的な成長が早いこともあって、女性に負けることもあったし、僕に関節技や絞技を教えてくれた先生は女性だったしで、僕には男性が必ずしも上位にいなくてはいけないといった観念がないのです。

それもあって「男だったら」的な価値観に相容れないし、「男だったら価値観」の代表格である格闘技業界には居心地が悪いと感じたことも少なくなかったです。「男だったら打ち合え」とか「男だったら泣くな」と言われても理解はできるけれども、同意はできなかったのです。

■必死に生きれば、卑屈に思う必要はない

生きていけば、自分よりも優秀な人や力のある人は数え切れないくらいに存在します。

そこで刺激を受けるのは大切だし、僕も日々刺激を受けているのだけれども、そこで卑屈に思うことは何もないのです。僕よりも強い人はいるし、僕よりも稼いでいる人もいるけれども、自分の可能性を使い切ろうと僕は必死でやっていることに自分の価値を見出しているから、そこで卑屈になる必要はないのです。

自分に自信を持てと言われても難しいとは思うのだけれども、自信を持たなくていいから日々をただただ必死にやればそれでいいのだと思います。

どれだけ自分が必死に生きているのか。結局、すべては自分の内にある問題だから。

自分の可能性を使い切ろうと日々を必死に生きていたら、相手の方が上でも卑屈に感じることはないだろうし、多くのことは「だから何だ」と思えるだろうし、「お前はそれでいいや」と思えるはずです。どれだけ必死に生きているか。どれだけ気合いを入れて生きているのか。日々を懸命にコツコツやってくことの大切さを多くのシーンで感じます。

同調圧力の強い社会で自分の価値観を見失ってしまいがちだけれども、自分が何を大切にして、自分の価値観は何かを整理していきましょう。自分のモノサシを大事に生きよう。

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青木 真也

プロ格闘技選手。1983年静岡県生まれ。修斗ミドル級チャンピオン。DREAM、ONEライト級チャンピオン。格闘技選手としての活動だけでなく、執筆、プロレス、講演など活動中。格闘小作農として地道に活動しています。著書に『ストロ...

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