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平田樹が格闘技者として美しい4つの理由

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格闘家・青木真也さんの連載では、青木さんが格闘家として魅力を感じる人々を各回につきひとり取り上げて、なぜそう思うのかを紐解きます。5回目で取り上げるのは平田樹選手。彼女が輝きを放つ理由、そこから学べることは、格闘家ではない私たちにもたくさんあるはずです。

平田樹が格闘技者として美しい4つの理由

こんにちは。格闘家の青木真也です。

AbemaTVの人気番組『格闘代理戦争』。推薦人である有名ファイターの推薦選手同士が、賞金300万円と格闘技団体「ONE」との総額1000万円契約を賭けて争うリアリティー番組です。

現在放送のシーズンは女子選手で行われており、女子選手ならでは感情の出やすさで視聴者はもちろんのこと、関係者の感情までをも揺さぶっています。

第5回目の今回は、『格闘代理戦争』決勝戦に進出している平田樹選手を取り上げます。

1.柔道で培った身体能力の高さ

彼女を見ていて、身体の軸(体幹)が強いなと最初に感じました。

「身体が強い」と大まかな言葉で語られることが多い平田選手。体力的な強さはもちろんですが、自分が力を発揮する力、相手に力を伝える動作が上手な選手だと、僕は思います。

力を持っていて、それをスムーズに出すことができて、相手に伝えることができます。力はあっても格闘技の中で出力できなかったり、伝えることができなかったりして、苦労する選手は少なくありません。キャリア初期で、それらができているのは武器だと思います。

12年間闘ってきた柔道での経験で、彼女は身体の強さを獲得したといえるでしょう。柔道の名門クラブ「春日柔道クラブ」で柔道を始めて、高校は強豪校「創志学園」で活躍。高校総体に出場するなど柔道での実績も十分にあります。

子どもの頃から組み合ってついた力はわかりやすく、誤解を恐れずに言うのであれば「使える筋肉」です。

2.勝負の世界で生き抜いてきた勝負勘がある

日本柔道の競技人口の多さは、他の格闘技系スポーツの中では群を抜いています。子どもの頃から試合を繰り返してきているので、勝負の世界を肌感覚で理解しているのだと思います。

MMAに初挑戦したときも、極度に緊張することなく、落ち着いて試合に臨んでいた印象を受けました。さすがだなと感じました。

自分ごとにして考えてみてください。観衆の前で手袋を少し厚くしたような素手同然のグローブで金網の中で殴り合う。

そのときを冷静に迎えることができる“勝負度胸”のすごさは、格闘技経験のない方にも理解してもらえると思います。

3.若さと可能性に満ちている

彼女は19歳です。

格闘技業界に限った話ではありませんが、若い世代は貴重です。これからのキャリアや業界の未来を考えると、35歳の僕よりも19歳の将来ある選手に投資した方が健全です。

今から10年選手を続けても30歳に達しない。この若さに期待しないのはちょっと変。

選手としての可能性も短いスパンではなく5年、10年単位で見ることで、彼女への期待感も増すのではないでしょうか。女子格闘技、格闘技の未来の一端を担っていると言っても言い過ぎではないと思います。

4.SNSで見せる素顔と試合時とのギャップ

格闘技選手と聞くと、男勝りな女性を思い浮かべる方も少なくはないでしょう。実際に格闘技界にいると、彼女たちは驚くほどに女性的です。

格闘技をしていない一般女性よりも女性的なのではないかと思うくらいです。彼女のSNSを見ると、試合後にカレーを食べたり、同世代の女性となんら変わらない年頃の女の子、という感じ。

練習が終わればメイクをして外に出るし、髪が傷まないようにケアを欠かさない。格闘技をすることで、女性らしく過ごす時間が限定されるからこそ、女性であることの意識を強く持っているように感じます。

そんな姿と試合で見せる強さと荒々しさとのギャップが魅力的です。

■勝負だから必ず、勝者と敗者に分かれる

平田選手は、12月29日放送の『格闘代理戦争』内で、青木真也推薦の古瀬美月選手と決勝戦を闘います。

17歳と19歳のふたりが争う決勝戦は、日本格闘技の未来を思い描かせるもの。ここでの結果の答え合わせはこの先にあるでしょう。どちらかが勝者、どちらかが敗者になります。

どちらも勝者にしてあげたいのが本音なのだけども、勝負の世界は緩くなく、必ず明暗を分けます。

僕の推薦選手である古瀬美月には、もちろんがんばってほしい。対戦相手の平田選手にもがんばってほしい。

世の中を驚かせるような新時代のMMA。そして最先端、新時代に反するようなエモーショナルな伝統的な格闘技を魅せてほしい。主役は僕たちではない。主役はあなたたちなのだから。

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青木 真也

プロ格闘技選手。1983年静岡県生まれ。修斗ミドル級チャンピオン。DREAM、ONEライト級チャンピオン。格闘技選手としての活動だけでなく、執筆、プロレス、講演など活動中。格闘小作農として地道に活動しています。著書に『ストロ...

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