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ひとりのクリスマスイブ、行きつけのカレー屋に救われた話

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クリスマスイブは友達を誘い、行きつけのカレー屋で過ごすことにした。僕にとって12月24日は、どうしてもひとりでいたくない特別な日だから——。青木真也さんが思う、孤独な人たちに必要な「コミュニティ」とは。

ひとりのクリスマスイブ、行きつけのカレー屋に救われた話

12月24日、クリスマスイブ。 

クリスマスの都内のイルミネーションは、東京にいることを感じさせるには十分な混雑だ。そこにいるのはカップルが多くを占めて、通勤ラッシュとはまた違う、浮ついた混雑になっている。

クリスマスイブをひとりで過ごすと“独り”であることを自覚させられるから、友人である女子柔道選手の甫木実咲さんと、AV男優の篠塚康介さんとご飯を食べて過ごすことにした。人が集まればとりあえずさみしさを感じることはない。

クリスマスイブというイベントをひとりで過ごすだけであれば、なんでもないことだ。けれど僕のクリスマスイブは少しだけ意味合いが違う。

■クリスマスイブが特別な日である理由

僕には子どもがいる。事情はここでは詳しく書かないが、会わない関係にあって、これからも会う予定はないのだ。会いたくない、会わせないものを無理くりにでも会おうとは思わないし、僕が世に名前を出して仕事をしていれば、一方的だけれども父親として伝えたいことは伝わると思っている。

恋愛でも親子関係でも、相互に思うことが大切だと考える向きがあるけれども、それは勘違いのように思う。相思相愛、相互に親子だと思うことだけが恋愛関係や親子関係とは言えない。どちらか一方が思えば恋愛だし、どちらか一方が思えば親子なのではないだろうか。片側だけでそう見えているのであればそれはそれでよい。

子どもの誕生日が24日。クリスマスイブなのだ。僕は祝いの言葉を伝える手段もない。ただ日が来れば思い出すことくらいが、今思いつく限りのできることだ。

12月24日はクリスマスイブであり子どもの誕生日。さみしさを感じるし、誰かと一緒にいたくなるのが本音だ。何歳になったのかはすぐには答えられないくらいにダメな父親なのだけども、子どもの誕生日くらいは覚えている。

■クリスマスをカレー屋で過ごしたかったのは

3人で、駒込にあるカレー屋さん「ムガルカフェ」に行くことにした。
混雑がクリスマスに左右されないであろうことも理由のひとつだが、僕にはここを選んだ大きな理由がある。

ムガルカフェにはいつも店主の娘さんがいて、家族的なコミュニティがあるのだ。さみしくなると、家族の温かさを感じにこの店に行くようにしている。看板娘であるアミマとアリーシャは愛嬌があって、人懐こくていつも遊んでくれる。クリスマスイブはそんなムガルカフェで過ごしたかった。

そこにふたりの友達もいるから、賑やかしさはお釣りがくるほどにある。
カレーを食べ終わるのに30分も時間はかからない。けれどもゆっくりと話して、子どもと遊んで、3時間も店にいた。暖かい時間で温まる時間だった。その日は孤独を感じることもなく、何の不安もなくゆっくり寝られるのではないかと思うほどにさみしさを感じないクリスマスイブを過ごすことができた。

さまざまなコミュニティがある。家族がいなかったり、はぐれてしまったら、何かのコミュニティに飛び込むことで救われることは多々ある。意地を張って自分を孤独に追い込んでいた時代もあったけれど、今は支え合うことで生きていくのも悪くはないと思っている。

人との繋がりを作るのが難しい世の中になっているように思うけれど、会社や学校や趣味のクラブなどのコミュニティが自分の周りにいくつか存在して、自分の状況に合わせて支え合っていけたらいい。もう家族や会社だけを頼りにするのは限界がきていると思っていて、変化と多様化が求められているから、いつまでも形にこだわっていたら苦しむだけでしょう。

人はひとりで生きていくことができないからこそ支え合っていきたい。
俺たちはファミリーだ。

さまざまなコミュニティに支えられて生きている。
俺たちはファミリーだ。

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青木 真也

プロ格闘技選手。1983年静岡県生まれ。修斗ミドル級チャンピオン。DREAM、ONEライト級チャンピオン。格闘技選手としての活動だけでなく、執筆、プロレス、講演など活動中。格闘小作農として地道に活動しています。著書に『ストロ...

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