1. DRESS [ドレス]トップ
  2. 恋愛/結婚/離婚
  3. 世間から認められなかったとしても、恋をする自由はある

世間から認められなかったとしても、恋をする自由はある

いろんな人がいる。その中にはいろんな形の恋がある。制度や見えない何かに苦しめられるより、少しでも笑顔の多い形を見つけられたらいい。青木真也さんが近くで見ている、大人の恋の話。

世間から認められなかったとしても、恋をする自由はある

僕の友人には個性豊かな人が多い。偶然なのか、類は友を呼んだのか定かではないけれども個性的な人が多く、毎度話題を提供してくれて、退屈することがない。

皆、他では許容されないところもあると各自理解しているので、この仲間の中でないと個性を解放することができないのだとも思っている。普段は自由にいきているつもりでも、それなりに抑圧されているし、我慢をしているものだ。

僕は友人カップルと仲良くなることが多く、いつの間にか友人の彼女に仕事で助けてもらうことがあるくらいなのだ。

今回は僕の友人カップルの話をしたい。先に言っておくけれども、僕はここまで愛されたことはないし、ふたりが羨ましくもあり、一方で怖さもありながらふたりを見ている。すべてひっくるめて好きなカップルだ。

僕の友人カップルはなかなかどうして公にすることができない関係性にある。そこらへんは察してほしいのだけれども、全国各地に転がっている類の話なのだ。

この類の話はベッキーに代表される芸能人もこってり絞られていて、まったく関係のない他人が説教をたれている。あんたには関係ないでしょって思うし、この類に限らず、関係のない第三者が口出しする絵がどうしても性に合わないので、僕は特にいうこともないし、互いが良ければいいじゃないかと思っている。

■抜けられない沼の関係で

彼女は彼が仕事に集中できるよう、献身的にサポートしている。僕から見ると彼は彼女がいないと生活が回らなくなっているし、依存の度合いは会うたびに増していく。

僕も含めて、自分のキャパシティの限界で生きている人間は、サポートされると依存しやすくなると思っていて、今日より明日、明日よりも明後日といった具合に依存が進んでいくのである。

こうなってしまうともう大変で、口ではカッコつけたことを言っていても、どっぷりになってしまうし、完全な泥試合であり沼だ。互いにわかっていても抜けられないからこそ、沼なのだ。

献身的なサポートをする側も、相手への想いが強くなっていくのは当然のことで、彼への情念は増すばかりなのだ。

LINEを見られて粗相が見つかった彼とのデート中に、「お前はセックス依存症だ!」と問い詰め続けたり、ミシュラン一つ星のレストランでシェフから包丁を3日に一回研いでいると聞けば、「お前の喉を突いてやりたい」とそれなりに感情的に恋をしている。

人間そこまで聞き分けよくならないし、都合も良くならないのは大事なことだから覚えておかなくちゃなのだけれども、男ってやつはすぐに忘れる。

ちなみにLINEを見るのは幸せにならないからやめたほうがいいし、「セックス依存症だ!」と問い詰めるのは精神的にこたえるからやめたほうがいい。あれをされると自分がダメな動物だって自責を強く感じて、ぐったりするんだわ。

ぐったりさせる気でやってるんだろうけれども、ぐったりしても解決には繋がらないから、もう少し前向きな話をするのがいいと思う。前向きな話をする価値がないって話は横に置いておいてだ。ああ辛い。

■人を好きになるのはもっとシンプルでいいじゃない

仕事ができるとか、優しいとか、いいやつだとか理由はたくさんあるのだろうけれども、なぜそこまでして彼と一緒にいるのか、彼がいないところで彼女に聞いてみた。彼女は彼への愛を一通り語った後、聞いたことを後悔している僕に向かってこう言った。

「この人と一緒に時間が過ごせたらそれで幸せ。この人とずっと一緒に過ごしていきたい」と。これを聞いたときにただただすごいと思ったし、お互いに幸せだと思った。彼女はさまざまなリスクを背負って彼と向き合っているわけで、失ったものがあるのも僕は知っていて、それでも一緒にいたいと思えるほどに想っているのであれば、これほど幸せなことはないはずだ。

制度があって、モラルがある世の中は、いろいろと窮屈に感じることが多い。それに足を引っ張られたり、悩まされたりする方々もいるとは思うけれど、僕は人を好きになるってもっとシンプルでいいと思う。それに、このふたりの関係性が好きなので、僕はこれからもファミリーとしてやっていくだろう。

いろんな人がいていろんな形があるし、あっていい。そんな中で笑顔の多い社会であるといいなと思う。制度とか見えない何かに苦しめられるより、少しでも笑顔の多い形を見つけることができたらいいよねって話。おれたちはファミリーだ!

青木真也さんの連載バックナンバー

高野聡美(SARAMI)が格闘技者として美しい3つの理由
三浦彩佳が格闘技者として美しい3つの理由
古瀬美月が格闘技者として美しい4つの理由
黒部三奈が格闘技者として美しい4つの理由
平田樹が格闘技者として美しい4つの理由
家族じゃなくて“ファミリー”と生きていく。家庭を壊した僕が決めたこと
『あなたが好きなことをしたらいいよ』
さみしさに襲われていた僕が、さみしさを受け入れるようになった話をしたい
独りになった僕は、家族の元へ帰った。愛して赦した先に、幸せが待っている
僕たちはみんな大人になったけど、今も恋にドキドキして、悩んで、苦戦して、笑ってる
愛すことで生きる力が湧いてくる
他人のことなんてわからない、が前提
心と身体は裏切り合うことがあるから
東京で消耗した大人たちへ
『セックス後の賢者モード』は悪いことばかりじゃない、と思う理由
結婚恋愛セックス。全部切り離せたら苦しむ人は減ると思う
“勝負前”セックスするかしないか問題を考える
生きづらさを払拭する『在り方』
私がどんなときでも太らない理由

青木 真也

プロ格闘技選手。1983年静岡県生まれ。修斗ミドル級チャンピオン。DREAM、ONEライト級チャンピオン。格闘技選手としての活動だけでなく、執筆、プロレス、講演など活動中。格闘小作農として地道に活動しています。著書に『ストロ...

関連するキーワード

関連記事

Latest Article