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私がどんなときでも太らない理由

青木真也さんが、格闘技の試合がない時期も、体重を一定にキープしている理由とは。パフォーマンスを安定させる目的の他、どんな時期でも綺麗に見える自分でいたいから。別に難しいことや、特別なことをしなくてもいい。ちょっとした意識の話を。

私がどんなときでも太らない理由

男性として、女性として、自分に対して気を遣うことは大事。プロレスの仕事で一緒になったジェンダーレスレスラー(※)を見て、改めてそう感じました。

生物的には男性であるけれども、実際は女性として生活している方は多くいるし(その逆も)、そこに対しての社会制度が追いついていないし、社会の偏見が何もないかというとそれはそれで首をかしげる状況だとは思います。

僕の個人的な意見としては、同性婚だって認められていいし、それで幸せの数は増えるし、皆が生きやすい社会であるのであれば、制度を変えていくことはいいと思っています。「今まではダメだったから」が理由になっているのだとしたら、もう少し気の利いた理由が欲しい。

実際に女性であることよりも、「女性としての意識」を持つことで、ひとりの女性として魅力的になっている。そう感じながら、ジェンダーレスレスラーを見ていました。そのとき彼女は女性としても、表現者として魅力的でした。

女性としての意識を常に手放さないし、細かなところまで気を遣っているから(爪とか髪を少し濡らしたらどう見えるかとか)魅力的に映るのです。僕は彼女を女性として認識しています。

■細かいところをどれだけ大事にするか

細かなところにまで気を遣って生きていくのは大変です。当たり前のことを当たり前にすることがクオリティの高さに繋がるのはどんな仕事でも一緒です。

格闘技を例に出せば、基本の手の握り方や体重のかけ方で技術クオリティに差が出るし、細かなところにどれだけこだわって精度を上げられるのかがポイントになってきます。

まあいいかと思わずに化粧をするとか、服装を考えるとか、そんな基本的なことで見え方が変わってくるのだと感じます。

ただ、日々の生活で慣れも出てくるので、ついつい自分への意識が緩みがちになります。「職場で見られていないからいい」とか「パートナーだから」とか、人は言い訳を作ることに長けています。

それが自分の首を絞めることになろうとも、楽な方に流れてしまうのが人間というものだし、僕はその人間のだらしなさが好きでもあります。

交際が始まったからとか、結婚したからといって雑になるのはよく聞くし、実際によくあることだし、どうしても舞台裏を見せてしまうものなのですが、そこは線を引くことで男女間の問題は減ると思うのです。セックスレスとか。

■自分に手をかける時間を用意する

別に難しいことや、特別なことをするのではなくて、ちょっとした意識でいいのです。

僕は普段から体重を一定にキープしています。それは競技的にパフォーマンスが安定するのもあるのですが、試合がないからといって太ってしまってだらしない見え方をしたくないからです。

当然だらしない部分は多々あるのですが、格闘技選手として生きることを商売にしているのだから、そこは綺麗にいたいのです。

特別なことではないけれども、自分ルールをもとに自分が定義する「男らしさ」はそれで担保していたいです。

日々のちょっとの気遣いが大切です。女性の爪がおしゃれに加工されていて、「それいいね」と話したら、「かわいい」を自分で連呼していて、うれしそうにしていました。

人に見られるからというよりも、気遣いすることで自分を豊かにしてくれる側面は多々あると思うし、忙しい中でも自分にかける時間は担保していくことは大事だなと思っています。

少し何かをすることで自分が楽しく生きられるのだとしたら、それほど安いことはないし、自分へのご褒美はどんどんやったほうがいいと考えるタイプです。

年末に向けて忙しくなり、余裕もなくなってくるとは思いますが、その中でも楽しんでいきましょうか。気遣いを忘れない生活を心掛けたいものです。

※プロレスラー、朱崇花(あすか)のこと。日本で初めて同一性障害を公表したジェンダーレスレスラーとして知られる。2018年12月末、プロレスリングWAVEを退団し、現在はフリーで活躍。

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青木 真也

プロ格闘技選手。1983年静岡県生まれ。修斗ミドル級チャンピオン。DREAM、ONEライト級チャンピオン。格闘技選手としての活動だけでなく、執筆、プロレス、講演など活動中。格闘小作農として地道に活動しています。著書に『ストロ...

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