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女性が仕事をする意義は、次世代に生きる知恵を伝えることにある

女性が社会で仕事をする意義って何だろう――。ずっと働くつもりじゃないから仕事にそこまで真剣になれない。仕事は結婚するまでの腰掛けでいい。もしくは、仕事が好きだけど結婚・出産の可能性も捨て切れず、中途半端な気持ちで毎日を過ごしている。仕事と人生の狭間で悩む女性たちへ、私が見出した「社会で仕事をする意義」をお伝えします。

女性が仕事をする意義は、次世代に生きる知恵を伝えることにある

出産するかしないかは、この日本では女性の自由意思に一任されていますが、すべての女性が出産をしなければ人間が絶滅してしまいます。それゆえ程度の差こそあれ、暗黙の了解として女性が子供を産み育てることが、いつの時代でも求められているといえます。

一昔前までは日本でも、女性に学はいらないという風潮がありました。今でも世界を見ればそういう国はいくらでもあります。

しかし、今の日本は、女の子を持つ親は自分の子供によい教育を受けさせることを望み、女性も男性と同じように学問を追求できる権利を持ち、男女雇用機会均等法により性差で職を限定されることも建前上なくなりました。

私も小学校から大学まで私立に通い、大学時代にフランスとアメリカに留学をさせてもらい、学問を深めてきた女性の1人です。そして、社会に出てからは、総合職を希望し朝から終電まで仕事に没頭して生きてきました。

■「女性が社会で仕事をする意義」がわかったとき

そんな人生を送る中で、常に1つの疑問がありました。

それは、

「社会に出るまでは、男女関係なく同じく学問を学ぶのに、社会に出たら、女性は結婚して出産してよい子供を育てることが暗黙のうちに望まれる。もしそうであれば、学生時代に母親になることや子育てについての教育をしてくれてもいいのに。女性は母親になることを望まれているのに、男性と同じように勉強して仕事をする意義はなんだろうか?」

というものです。

私は小学校から大学まで一貫して女子校に通っていましたが、教育学部で教員を目指したり、保育科で保育士を目指したりしない限り、将来よき母になる直接的な教えや講義は1つもありませんでした。

さらに、私の両親の考えは見事に両極端で、それも私を混乱させる原因になっていました。

母親の考えは、「そんなに真剣に仕事する必要あるの? 女の幸せは、子供を産み育てるところにあるのよ」。

父親の考えは、「自分自身の才能や資質や環境を最大限に活かして、自分を高めて社会に貢献する。そういう人間になるために、目の前の仕事を真剣にやることが大事だ」。

2人の意見の狭間で20代の私は、母の言っていることもわかるものの、結婚相手がいたわけではなかったので、父の意見を採用し、目の前の仕事に真剣に向き合う日々を過ごしました。

そして、やっと最近、長年抱えながら生きてきた疑問「女性が社会に出ていくことの意義」がわかるようになりました。

■真剣に仕事をしていれば生きる力が必ず培われる

この世の中は、キャリアアップを目指す女性、一生仕事をしていく覚悟のある女性だけではありません。多くの女性が、本音のところでは、将来結婚するまでの腰掛けとして社会に出て、とくに目的もなく時間を過ごしているのではないでしょうか。

それを否定するわけではなく、そういうつもりで社会に出たとしても、女性が社会の大海原で荒波に思いっきり揉まれて、自分を磨くことが大事だと、私ははっきり言い切りたいと思います。

なぜなら、社会で自分を磨くことは、自分のキャリアアップのためだけではないからです。

職業に関係なく、真剣に仕事をやっていれば、否応なしに見たくない自分の短所や弱さと向き合うことになります。そして、壁を乗り越えて達成した喜び、他人と協力することで1つの形を作る喜び、様々な立場と年齢の人たちとうまくやっていく処世術など、業務遂行能力だけではなく、生きる力や考え方が身についていきます。

このような仕事を通して自分の中に培われた経験や知恵が、次の世代の役に立つのです。

こうした生きた知恵を女性自身の中にどれだけ培うことができるか? これが母親になろうが、一生仕事に打ち込む人生を生きようが大事なのです。

■鮭の一生から考える、女性が仕事を通じて揉まれる意義

ここで突然ですが、鮭の一生のお話をします。

鮭は川に生まれ、海で長旅を続けながら成長し、産卵のために生まれ故郷の川に戻り、一度でも放卵すると「自分の役割は終わった」とでもいうように息絶えます。

川の方が天敵が少なく、命を落とすリスクが少ないのに、なぜわざわざ海に出ていくのでしょうか? そこには、リスクを冒してまで海にいく理由があるのです。

それは、自分のDNAにたくさんの情報を蓄積するため。

鮭は海に出ると群れで行動しながら種類によって2〜8年の長旅をします。その間に、きっといろいろなことが起きるでしょう。様々な困難や苦労を乗り越える間に、鮭の中に多種多様な知恵が蓄積されます。

鮭は卵を産んだら命が終わるので、親が子供を育てながら生きる知恵を伝えることはできません。また、子供も親の背中を見て生きる知恵を学ぶことはできません。

では、どうやって鮭としての生き方を伝えていくかというと、DNAをつないで伝えていくわけです。
鮭としての先代から受け継いだ生きる知恵をつなぐだけでなく、さらにいい知恵をDNAに刻むために、わざわざリスクをかけて海に出て経験を積んで川に戻ってくるのです。それはすべて、次世代のためにしていること。

私はこの鮭の一生に、女性の社会に出る意義を重ね合わせました。

女性が社会に出ることは、鮭の海に出ることと同じです。将来また鮭のように川に戻ってくるとしても、自分が経験したこと以上のことを子供に伝えていくことは難しいから、子供を生む前に女性が社会の大海原に出て自分を磨き、たくさんの経験や知恵を蓄積することが、すなわち、次の世代、自分の子供に伝えられる知恵になるのです。

目に見て確認することはできませんが、きっとDNAレベルでも増えているだろうし、何よりも人間は自分で子育てができます。自分が経験していることが多ければ言葉で伝えることも増えるし、子供は親の背中を見て学ぶこともできます。

だから、結婚するまでの腰掛けのつもりで、中途半端な気持ちでパソコンの前に座って時間が流れるのを待つだけだったら、自分にとってももったいないけれど、何より次の世代に対して、自分の将来の子供に対してもったいないのです。

■私たちの役目は、次世代に「生きる知恵」をつなげること

命(いのち)とは、生きる知恵という意味です。ただ命を生むだけでなく、生きる知恵を伝えることこそが、本当の命をつなげることです。

だから、子供を産む前に、1人の女性として何を感じ、何を学び、どのように行動してきたか? この部分を深めていくことが、将来子供を産んで育てていくときに、一番重要になってきます。

女性たちは一度大海原に出たら、とやかく言わないで、いろいろなことにチャレンジして自分自身を磨いていくこと。それを怖れないでやっていくこと。

一生仕事するつもりがなくても、キャリアアップに興味がなくても、自分のためではなく、自分の子供のためだと思えば、目の前のことにもっと真剣になれるはずです。

だからどんな人生を歩もうとも、毎日、一瞬一瞬を大切にしていく。自分のためだけではなく、次世代のためにも。

それでは、会うたびに美しく!

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植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

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