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“いつも同じ印象を与える人”が「一緒に仕事したい」と思われる理由

人生を舞台に自分という人間を演じる方法を提案する短期連載【日々、女優】。#2では仕事での人間関係において、ありたい自分の演じ方を考えます。「◯◯の前ではこんな自分でいたい」。そんな風に、自分自身の理想とするあり方を未来から逆算して創造すると、人生がよりカラフルで愛おしいものいなるはずです――。

“いつも同じ印象を与える人”が「一緒に仕事したい」と思われる理由

人生を舞台に自分という人間を演じる方法を提案する短期連載【日々、女優】。「◯◯の前ではこんな自分でいたい」。そんな風に、自分自身の理想とするあり方を未来から逆算して創造すると、人生がよりカラフルで愛おしいものになるはずです――。

■起きたことを受け入れ、喜べる寛容さを持った人でいたい

今回は、仕事の人間関係においてどんな自分でありたいかを考えます。

ビジネスの世界ではコントロールできない環境や消費者心理、経済の流れの中で目標を掲げ、結果を出すことが求められます。

ゴルフやトライアスロンなどのスポーツが経営者の間で人気の理由は、自分がコントロールできない自然という舞台で、瞬間瞬間の己のコンディションと向き合いながら自分のベストを尽くすことが、ビジネスの世界でのそれを疑似体験することになるからではないでしょうか。

仕事において私がいつも意識しているのは、コントロールできるものとできないものの線引き。特に、コントロールできないものには心を乱されず、干渉しようとせず、起きたことをあるがままに受け入れて喜べる寛容さを鍛えることです。

■コントロールできるのは、相手に与える自分の印象

ビジネスの世界で信用され、一緒に働きやすい人とは、安定している人間です。いつその人と接触しても、同じ印象を与える人。

しかし、現実には安定している人間なんて存在しません。とくに女性の身体は1カ月の中でふたつの人格が存在するといっても過言ではないほど、ホルモンバランスが大きく変化するし、パートナーの言動にイラッとすることもあれば、ふと立ち寄ったお店の店員さんの接客で嬉しい気分になることもあります。

感情は外の刺激によってコロコロ変化する。これが人間らしさであり、厳しい環境の中で人類が何十万年も絶えず生き延びるために獲得した生理機能でもあります。

とはいえ、仕事上の人間関係においては、この感情の変化は仇になります。部下にご機嫌を取らせる上司、ご機嫌を伺わせる取引先は、相手を疲弊させるだけです。

そこで私が考え出した方法は、感情に左右されない人間になろうとするのではなく、「いつも同じ印象を与える人間を演じる」こと。

アメリカの一流ビジネスマンの世界では、「How are you?」という声がけに対して正直に今のコンディションを答える人はいません。

日々のコンディションが様々なのは当たり前。だからこそ一流に求められるのは安定であり、先の挨拶の返事は「最高だよ!」以外はあり得ない。自己マネジメントできてこそ一流のスタートラインに立てるということを聞いたことがあります。

「じゃあ、いつもハイテンション・ポジティブでいないといけないの?」と思うかもしれませんが、大事なのはいつも同じ印象を与えるということ。

相手にどんな印象を与えるかは、自分が自分に与えた役によって変わっていいということです。

先に挙げた一流ビジネスマンのように常にポジティブでエネルギーに溢れているという印象もあれば、無表情で淡々として機嫌が良い人がいてもいいのです。

さらに言えば、自分の印象を最高の状態で設定してしまうと、常にそれを演じるのに疲れてしまうので、7〜8割のエネルギーでできるところで印象設定するのがポイント。

■コントロールしようがない「周りの人の変化」を受け入れる

8年間店舗を経営してきた経験の中で、「受け入れざるを得ない」と頭ではわかっていながらも、今でも一瞬動揺してしまうのは、スタッフから「辞めたい」と伝えられるときです。

冷静さを演じながらも「なんで? どうして? 後任はどうしよう?」といろいろな思いが頭の中を駆け巡ります。この状況で辞めるなんて無責任だと相手を批判したり、思い留まるように説得したりしたい……そんな気持ちがないと言えばウソになります。

でも、それをぐっと堪えて、できる限り相手の決断を応援できる人間でありたいと思って演じてきました。

巷には転職サービスの広告が溢れ、また自分らしく自由に働くひとつの選択として起業が珍しくなくなった時代に、一緒に働いている仲間がずっと変わらず傍にい続けてくれるのを期待するのは自分勝手です。

また、自分に子どもが生まれたことによって、時間の使い方や体力の配分、仕事に求める価値観が大きく変わりました。

それらの経験を通して、これからの社会で気持ちよく働き続ける上で最も大事だと思うのは、相手の変化を受け入れること。できれば、受け入れるだけでなく、喜べて応援できること。

新しい職場への転身、起業という挑戦、ライフステージの変化など、自分の決断だったら前向きになれるのに、周りの人間がこれらを決断すると心にモヤモヤが残るのは、自分が取り残された気がするから? 予定調和が崩されるから?

居心地の良い場所の“外”に出ることやそれを脅かすものを人間は本能的に嫌うもの。それでも、やっぱり変化の先にある新しい可能性や出会いや想像もしていない未知の世界の方にワクワクできる人でありたいと思います。

他人からもたらされた変化も前向きに受け入れてワクワクできれば、その先に何倍もの可能性が広がっているからです。

連載【日々、女優】バックナンバー

【第1回】彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

植村絵里さんが、人生を舞台に自分という人間を演じる方法を提案する短期連載【日々、女優】。

他人は変えられない。コントロールもできない。他人に「◯◯になってほしい」と願ったり、期待したりしても、思いは叶わずストレスが溜まるだけ。

それなら、自分が能動的に動けばいいのです。「他人と対するときの自分はどうありたいか」を逆算し、脚本から演出、演者まで自分でやればいい。

例えば、パートナー、友達、仕事の人間関係、子ども、親など、それぞれの関係性において「ありたい自分像」を決めて、一つひとつ演じるうちに、人生がより鮮やかで、愛おしいものになっていくはずです。

月に一度、生きていると発生するいろいろな関係性のなかで、ありたい自分を演じるアイデアをお届けします。

『日々、女優』のバックナンバー

#1彼に愛されるためにがんばる、はやめた。手放したら楽になれる3つのこと

#2“いつも同じ印象を与える人”が『一緒に仕事したい』と思われる理由

#3女友達は難しい? “キャラ立ち”すれば、長い目で付き合える

#4自分ファーストな母でいる。“私”を犠牲にしない『逆算的子育て』の話

#5親の期待に沿わなくてもいい。元気に幸せに生きる姿を見せられるなら

植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

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