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38歳独身、妊娠7カ月。私たちが妊娠するには「勢い」も欠かせないと身をもって知った

植村絵里、38歳、独身、現在妊娠7カ月です。30歳で離婚を経験するまでも、ずっと子どもが欲しかった。その後独身に戻ってから30代後半を迎え、高齢出産や不妊などの話題が自分ゴトになってきた頃、考え方を変えました。再婚してから妊娠するのではなく、まず妊娠しよう――と。そうして独身のまま妊娠して気づいたことを綴ります。

38歳独身、妊娠7カ月。私たちが妊娠するには「勢い」も欠かせないと身をもって知った

このコラムを書くのはとても勇気がいることでした。私ひとりの決断ではなくて、相手がいることでもあるし、これから生まれてくる赤ちゃんにも、少なくとも関係することだから。

でも、今までも、私の発信で勇気付けられる人の存在があって、すべての人から支持されるわけじゃなく批判されることもあるけど、私には顔の見えない人の言葉で傷つかないだけの強さがある。なぜなら、私は顔の見える身近な人たちから本当に愛されているから。

今回のコラムにも賛否両論あるかもしれませんが、このコラムを必要としている人たちに届けばいいと思っています。私の生き様から勇気や元気をもらう人がたったひとりでもいて、そのひとりの笑顔が輝いたら本望です。

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■妊娠7カ月、結婚はまだです

現在妊娠7カ月です。聞かれる前にお伝えしておきますが、結婚はまだしていません。

「失礼ですが、再婚されたんですか?」って、聞く人がいたのですが、それ失礼ですよ(笑)。でも、この人に限らず、大きく突き出し始めたお腹を見て、私が妊婦であることがわかると、半数以上の人に「結婚してるんですか?」と聞かれました。

皆さん無意識だと思うんですが、「結婚と出産はセット」という固定概念が頭のどこかに常にあって、それこそが幸せの形だと思っている。もしかして、身近なところにシングルマザーになって苦労している人を実際に見ているのかもしれないし、自分の大切な人には不要な苦労をしなくていい選択をしてほしいと願っているのかもしれない。

でも、私は「結婚と出産はセット」という、多くの人の中にある固定概念(常識)が世の中の女性たちの結婚と出産を先延ばしにさせている、ひとつの大きな原因だと思います。

結婚するのに、将来子どもとその母親を養える経済力が必要だとしましょう。その経済力を持っている20代〜30代の若い独身男性なんて、全体のほんの数パーセントしかいません。

妊娠したら籍を入れるのが必須ならば、仕事をしながらこれから生まれてくる小さな命を育てるだけでも大変なのに、結婚にまつわるさまざまな人間関係も同時に引き受けないといけないなんて、一気に負担がかかりすぎて尻込みしてしまうのも無理ありません。

「結婚して、妊娠して、出産して、子育てをふたりで協力して行う」

しかし、世の中には、いろいろな考え方やタイミングが合わないことを理由に、この形を選択しない人もいます。彼らが抱える疎外感を、私は今回の自分の妊娠を通して実感しました。

さらに「出産するのに結婚しないメリットってあるんですか?」とまで突っ込んで聞いてくる人もいました。みんな恋愛が大好きで、その先に結婚があると夢を見ていて、「結婚は愛だ」とか言いながら、結局、結婚をメリット/デメリットで考えてるんじゃない、と思ってがっかりしました。

■「結婚→妊娠」じゃなく「妊娠ファースト」の考え方に切り替えた

私は28歳から30歳までの2年間、結婚していた時期があります。当時は、結婚したら次は出産と、人生の大きなライフイベントに夢を膨らませていました。でも、当時のパートナーは、「子どもは欲しくない」という考えの人で、それを結婚前から聞いていたにも関わらず、将来子どもが欲しいと思っている私はこのパートナーと結婚しました。

なぜなら、そこには淡い期待があったから。付き合っていた当時から「結婚はしたくない」と言っていた人が実際に結婚したわけだから、子どもに関しても結婚すれば考え方が変わるだろうと期待していました。

でも、わかったことは、人の考え方ってそんなにすぐ変わるものじゃないし、本気で「子どもが欲しくない」と思っている人との間に、妊娠するようなことが起きるはずもないのです。

そして、私は考えを改め、「妊娠を望んでいたって妊娠できないこともあるんだから、まだ見ぬ子どもを期待して現実を嘆くのではなく、今、目の前にいるこの人とふたりで楽しく生きていくことに集中しよう」と思って過ごしていました。そのように考えを変えて結婚生活を続けていたのですが、結局、さまざまな理由で離婚することになります。

私はこの経験から、次は絶対に、子どもが欲しいと思っている人と結婚する! と決意しました。そして、いよいよ独身のまま30代後半にさしかかり、「高齢出産のリスク」や「不妊」というものが自分ゴトになってきた現実を目の前にして、「結婚そして妊娠」ではなく、次第に「妊娠ファースト」という考え方に変わっていきました。

妊娠の難しく神秘的なところは、トライしてみない限り、自分が妊娠できる身体なのかが誰にもわからないことでしょう。また、どんなに愛し合っているふたりが結婚しても、子どもを授からない場合もあるということ。

だったら、まず妊娠という現実に向けて動いてみる。結婚してから出産という順番はもう無視して、妊娠出産できる可能性にかけてみたい。なぜなら、私の本当の願望は、もう一度「結婚が」したいんじゃない。もうすぐ38歳になる私の本当の願望は、妊娠したい、子どもを産みたい、お母さんになりたい、だったから。

もちろん、妊娠というのは、精子バンクを利用しない限り、相手がいないとできないわけですが、今のパートナーは私の考えを尊重してくれました。

植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

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