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「彼は私が好き」信じ込む女が幸せになる

彼に「私のこと好き?」と聞かずにはいられない女性たちへ。「彼は私のことが好き」。そんなふうに自分で都合の良いように男性の気持ちを想像し、それが真実だと自分に信じ込ませると、あなたのパートナーシップのありようは変わっていく。

「彼は私が好き」信じ込む女が幸せになる

「私のこと好き?」「私と一緒にいて楽しい?」「私がいなくなったら寂しい?」
好きな男に、この手の質問を繰り返す女。

答えはたったひとつ「YES」しか許されない。この定型質問を繰り返し、たったひとつの決まった答えを相手の口から聞きたがる女。一度ではなく、何度も。できれば毎日。

男からしてみれば、付き合うときに「ずっと好きだよ」って言っただろ。何で同じこと繰り返し言わせるんだよ。めんどくせーな。俺を試してるのか? と深掘りするだろう。自分が疑われていることに気をよくする人はいない。

■「私のこと好き?」と聞くのをやめられない理由

でもね、聞く方は試したり疑ったりしているつもりなんて全然ない。男にとって、1週間前の「好き」と今日の「好き」は同じ言葉に聞こえるかもしれない。だけど女にとっては、「好き」を聞く度に生まれて初めてくらいの新鮮さと喜びが感じられるもの。

「うん、好きだよ」「うん、楽しいよ」「うん、君がいないと寂しいよ」が、ただただ聞きたい。聞いたら胸の奥がジュワーってあったかいもので満たされる感じで心地よくうれしいのだ。

私のパートナーはメッセージのやりとりで、私が「大好き」と送ると、必ず向こうも「大好き」って応答してくれる。

この彼発信の「大好き」を見て、その度に胸をときめかせて(こんなこと本当は恥ずかしくて公言する話ではないけれど)、1日に何度も何度も彼からのメッセージにあった「大好き」を思い出す。そして、「あー、彼も大好きなんだ。私も」とひとりでデレデレして、こうして会えなくても彼への愛着を深めていく。

こういう定型質問を繰り返す女の方だって、無神経なわけじゃない。何度も同じことを言わせてめんどくさいと思われているに違いない、そんなことは容易に想像できている。にも関わらず、あえて相手が少し不快に感じるのをわかりながらも、なぜ定型質問がやめられないのか? そんなことを真剣に考えてみた。

■甘い言葉がないと、彼への愛情がなくなりそう

そうしたら、こんな恐ろしい答えが出てきた。

この繰り返しの甘い言葉がないと、彼への愛着をうっかり失ってしまいそう。そんな可能性をどこかで感じている。

女脳は本能的に、「恋は盲目」といえる期間が、もって3年と賞味期限が決まっていることから説明できる。男女脳研究者の黒川伊保子氏の著書『女は覚悟を決めなさい』にはこんなことが書かれている。

女の一生の限られた妊娠可能期間に、できる限り効率よく新しい遺伝子との配合を可能にするために、ひとりの男に脳が執着できる期限は3年とインプットされているらしい。

この3年のうちに子どもを出産し、子どもが二足歩行できるまで育てあげ、産後の母体が完璧に回復し、次の出産を可能にする。そのための3年という猶予。これが恋の賞味期限3年の正体だというのだ。

でもこれは、原始時代の結婚制度がない時代の話。現在では、3年ごとにパートナーを交換し続ける人は稀で、ひとりの人と結婚したらなるべく長く結婚生活を継続することがベターとされる価値観の中にいる。

だから、女は自分の本能がカウントする3年のタイムリミットを超えて、男に惚れ続けようと頑張る。それが、さっきの甘い言葉を繰り返し引き出す定型質問の正体なのではないか。「あなたが好きって言ってくれるなら、私も好きでいてあげる」。そこには、あなたを好きでい続けたいという本能に抗おうとする女の切実な願望がある。

■「純粋な好き」が「取引関係」になるとき

でもちょっと待って。

「あなたが好きなら、私も好きでいてあげる」。これってGive&Take。条件付きの交渉、まるで取引。

これが度を超していくと、あなたは私に何をしてくれるのか? 何を与えてくれる人なのか? と相手の存在ではなく、言動と行為から愛情を計ろうとするようになる。

理想からの減点方式で相手を値踏みし、相手の行為や言動が合格点に達しないといつも不満や不足を感じるようになる。純粋な好きだった気持ちは、いつしか、取引関係に。

男は「私を愛してくれて当たり前」、「私が望むものを与えてくれて当たり前」なぜなら、私だってそれ相当のもの(肉体、時間、労力、お金、気遣いなど)を差し出しているのだから。となっていく。

こういう取引やどっちが上とか下とかマウンティングし合うとか、そういう恋愛はもうおしまいにしませんか? というのが私からの提案です。

■「彼は私が大好き」だと思い込むメリット

どうやったら愛されるのか? もっと愛されるのか? を求めて、自分磨きを頑張っても、心理的駆け引きをして相手の気持ちを揺さぶっても、その先に心から満たされる幸せがないことはとっくに気づいているはず。

経済でさえも、もうGive&Takeはダサいという価値観。競争ではなく価値はシェアやGive,Give,Giveの時代に移行している。カップルという最小単位のふたり組が時代遅れの利益の奪い合いをして、その不平不満を恥ずかしげもなく世間に晒しているけれど、いつまで不毛な争いを続けるんですか? いよいよ男女関係も次のステージに進むときが来ている。

話を「女には男への愛着を失う傾向性がある」に戻そう。代々受け継いできた「恋の賞味期限3年」機能を今すぐ変更することはなかなか難しそうだ。では、男からの甘い言葉を繰り返し引き出す以外に、愛着を失う本能を阻止する方法は何かないものか? そう考えてみた。

そのひとつの提案はこれだ。

自分で都合の良いように男の気持ちを勝手に想像し、それが真実だと自分に信じ込ませてしまえ。

まず「彼は私が大好き」「彼は私を愛してる」って想像して、思い込む。人間は信じるのに見合う目的があれば、根拠なんていらない。目的は、彼とふたりで素敵なパートナーシップを人生で時間をかけて築いていくことだ。

人間は案外単純にできていて、そういう目で彼の言動を見れば、それをサポートする材料はいくらでも見つかる。そういう気持ちで日々を過ごせば、頭上にあるいつもの青い空を見ても、この空で彼と繋がっていると愛おしい気持ちが湧いてくる。

そもそも人間とは、客観的な世界に生きているのではなく、それぞれが主観的な世界に生きている。自分の都合の良い部分にだけ注目し、目の前で起こった事の因果関係に結びつけて物事を理解しているのだから。

■「自分の気持ち」をあまり認識しない男脳

前出の黒川氏は、男からの甘い言葉を「飴玉」と表現し、

女には、この定型応答の「飴玉」をしゃぶっているうちは、なんとなく相手を快く思ってしまう習性がある。そして、言葉の飴玉を与えておけば、女たちは機嫌よく暮らしてくれる
(『恋愛脳』から引用)

と書いている。

次世代のパートナーシップを切り拓く私たちに必要なのは、自ら飴玉を生み出す力。それは、「私は彼が好き。彼も私が好き」と、自分に信じさせる力。

これを提案したら、戸惑うかもしれない。彼の本心は違うかもしれないのに? 男の気持ちは無視するの? と反論したくなる人もいるだろう。

私たちが知っておくといいのは、男の気持ちというのは、女の考える「気持ち」という形で存在しないということだ。

自分の気持ちをいつも認識し、それをすぐに言葉で表現できる女脳からしたら想像できないけれど、男脳は「自分の気持ち」をあまり認識しないまま生きている。それよりも、物事を見つめる目は、客観性や公平性が大事。内側の気持ちより、的確な判断を下し次の一手を考えるために外界に向いている。

好きな気持ちに関しては、一度情の通じた仲なら、女がうれしそうに傍にいる限り、男は女を自分からは嫌いになれない。バラマキの性であるために積極的に嫌う異性の数が、女に比べて圧倒的に少ないから。

そして、男は好意と恋愛感情を割合近いものと捉えていて、男の好きは「単なる好きという好意」であって、「何があっても、あなたが好き」というような、永続的に貫かれる女の「真剣なコミットメントを伴う恋愛感情」とはちょっと違う。齊藤勇氏の著書『恋が叶う女、叶わない女』に詳しいので、ぜひ読んでみてほしい。

■「私は彼が好き。彼も私が好き」と信じることから始める

だからこそ、女は男の気持ちは気にせず、「私は彼が好き。彼も私が好き」と信じて、自発的に機嫌よくうれしそうに日々を過ごし、穏やかに笑っていることに意味がある。

男は、その女のうれしさに照らされて、しみじみうれしく感じ、相手への好意を強める。「私のことどう思っているの?」というこの世に存在しない男の気持ちを質問されず、責められず、安心して過ごせる場所を心の安全基地として大切にしたくなる。

社会で神経をすり減らした男は、機嫌よく穏やかな空気感の漂う女がいてくれる安全基地に繰り返し帰るようになる。そして、男脳は繰り返しの行為によって女への愛着を深める。

女は言葉で癒される。甘い言葉を幾度も思い出しては、男への愛情を追体験できる。それは、狩りに出て何日も帰ってこない男を洞窟の中で待つ遠い祖先の女たちに組み込まれた本能の仕業だろう。

権力争いをして利益を奪い合い、相手を支配し服従させる、エゴを満たすだけの恋愛ではない、次世代の愛し合う男と女の共生の第一歩は、女の自ら飴玉を作り出す力から始まる。こうすれば結果的に、男女はお互いにとってかけがえのない最愛の存在となっていくのではないだろうか。

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植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

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