もし夫が死んだら。もし私が死んだら。私が死を想像しながら生きる理由
結婚してからというものの、夫の存在が日に日に大きくなっている、というエマちゃんさん。ただ、同時に不慮の事故などによって、夫が死んでしまうことも想像するといいます。いつ、何が起きて、最愛の人の死に遭遇するかわからない。だからこそ、大切な人と日々どう生きるか、どんなやりとりを積み重ねているのか綴っていただきました。
結婚してからというもの、夫の存在が日に日に大きくなっています。
大きくなるほど、幸せなほど、それを不意に失ったときのことを考えてしまうのは私だけでしょうか。
もし、突然亡くなるようなことがあったら。
なんてことをよく想像してしまいます。
■愛が深いほど、後悔は大きくなる
私は夫婦に関わる死をふたつの面から見ています。
「夫が亡くなったとき」と「私が亡くなったとき」のふたつです。
突然の別れ、というのは図らずも起きてしまう。
自分の身にもいつ降りかかるかわかりません。恐ろしいことです。
その恐怖を考えたときに、まずしたくないのが“後悔”。
例えば朝、ケンカしたままいつもの行ってきますのキスもハグもせずに、冷たい態度でどちらかが出て行ったとします。
すると、離れたあとも相手への嫌悪感や反省を抱え、言い出せないままのわだかまりなどが生まれます。
でも、
「このあと事故に遭って、一生会えないことになるかもしれない」
「地震が起きて連絡がつかず安否すらわからない日々が続くかもしれない」
というように、起こり得る可能性に思いを馳せてみると、ケンカしてお互いに嫌な気持ちになったまま、過ごしている場合じゃないと心底思います。
そうなってしまったときの後悔は一生引きずるでしょう。
だから我が家では問題を放っておきません。
ふたりの間にできたわだかまりや違和感、陰湿な空気を長引かせず、早期解決のためのエネルギーを惜しみません。
これは不思議なことに、その突然の死という一瞬の出来事を意識した行動でもあり、ふたりがパートナーとして永遠に添い遂げるのに必要なプロセスでもあります。
一瞬と永遠のための愛の行動なのです。
■夫婦であり家族だからこそ、それぞれ自由に生きる
我が家ではお互いに「幸せである」という点でとても自立しています。
「お互いがお互いを幸せにする」というのは、結婚生活において理想的なことだと思いますが、私はまず自分の幸せは自分で築くものと考えています。夫も同じです。
そのため、個人の幸せを守ることをとても尊重しています。
仕事の仕方や交友関係、趣味、お金の使い方――これらをオープンにしつつも、干渉せず自由にしていて、価値観の違いがあっても肯定しています。
なぜそこまで自由にできるかというと、双方の考えをこまめにすり合わせているからです。
切り出すのは、私からが多いです。
「世間ではこれが普通と言われてるみたいけどあなたはどう思う?」
「私はあなたのこの価値観が不思議なんだけどそう考える理由はある?」
「私は今後こうしたいんだけどあなたはどう思う?」
というように、少しでも疑問があれば細かく聞きます。
そうすることで相手への理解を深めることができますし、考えを共有することでそれぞれの価値観や行動に意味を見出し、尊重することができるからです。
夫もスケルトンな男性なので、結婚前には自分の所得と貯金額なども明け透けに共有してくるほど。
このすり合わせ習慣と包み隠さない具合は、周りからとても驚かれます。
私からすると、夫婦なのにそれも話さないの? とむしろ驚きます。
他人なのに「暗黙の了解」「普通はこうする」「自分が絶対に正しい」とか、そんな考え方でうまくやれるはずがないと思うからです。
■私亡きあと、夫に幸せでいてほしいから
ここまで長く語りましたが、私が個人の幸せを大事にするのは、私亡きあと、夫がひとりで取り残されたときのためでもあります。
私が亡くなったときに夫を支えてくれるものはなんだろうと考えると、夫の家族や友人、仕事、趣味、何かしらの新しい出会い……あたりでしょうか。
夫には今からそれらを大事に大事にしてほしい。
結婚したら家庭の比重は大きくなりますが、私は夫にはそれだけであってほしくない。
家庭と仕事だけの男になるなんて絶対にやめてほしい。
そう考える理由は、あえて身も蓋もない言葉で言うと、リスクの分散をしてほしいから。
だから私は夫を縛りたくありません。
ただ、家庭というベースを常に風通し良く、心地のいい、温かな場所にしたいという思いが強くあるのです。
両親やきょうだいという家族よりも、つい最近まで赤の他人だった夫を強く家族だと感じます。
だからこそ、夫が死んでしまう状況まで考えてしまうし、自分や夫が生きていることの感謝と、共に生きている奇跡を大事に思えるのでしょう。
夫が死ぬことを想像して、たまにマジ泣きしているのはここだけの話……(笑)。
明日死んでしまうかもしれないから、今日を幸せに過ごそう。
明日も生きているであろうから、今日の幸せを繋げていこう。
夫と家族になって、それをより強く思いながら生きています。
画像/Shutterstock
DRESSでは12月特集「死ぬこと、生きること」と題して、今と未来を大切に生きるために、死について考えてみます。
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小悪魔と呼ばれていた恋愛戦士も今や人妻。芸能芸術のお仕事をしています。