先のない恋愛にハマって困ったら、まずは自分の欲望と真剣に向き合うこと
エマちゃんの連載「粋な女になる。」#3は、不倫・浮気・男遊びについて。先のない恋愛になぜハマってしまうのか。関係は持っても誰のことも好きになれないとき、心が定まらないとき。話が話なだけに人に言いづらい悩みです。リアルでもツイッターでも相談は後を絶ちません。エマちゃんが考える恋の欲望との決着のつけ方とは――。
■浮気心はある日突然に
最近、とある女の子から相談を受けました。
彼女は学生時代から付き合っている彼と8年交際しています。
でも、最近職場に素敵だなと思う人ができ、関係を持ってしまったと。
彼女にとって、いまの彼氏が初めて付き合った人で、言うなればすべてが初めての人。
とてもピュアに愛し続け、うまくいっている様子だったので、その報告と相談を受けて私はびっくりしました。
と同時に、でもそうだよねと思いました。
人の心に絶対なんてないから。
出来事だけを聞いてしまえば、「よくある浮気ね、はいはい」となるのだろうけど、そこにはいろいろな想いと思いがけないタイミングとドラマがあるものです。
若いときは無知で、先を考えることもできず、なのに欲望は果てしなく突っ走りがち。
恋とか愛とか性欲なんかは自分でコントロールすることが最も難しい感情。
だからこそ、その感情の光と闇の両面にとことん向き合うことで、自分の弱さなり欲望との適切な距離感なりを学んでいくのです。
■女の欲望は単純じゃないし、奥が深い
例えば、「女性の浮気は本気」と言われるように、単純に身体の欲求を満たしたいだけではないことが多いです。
パートナーへの不満だとか満たされない寂しさ、自己肯定感の低さ、生い立ちや人間関係においてのトラウマによる問題も関わってきます。
「もっと良い人がいる! もっともっといろいろな人を見たい」と思うこともあるでしょう。でもこれはもうキリがない。100%の人なんていないのだから。
それよりも、なぜ(いまの相手より)もっと良い人がいるだろう、と思ってしまうのか。なぜ相手に不満を持ってしまうのか。そこを突き詰めると、実際は自分に足りないモノがあったり、自分が自立できていなかったり……それゆえの不満であることがほとんどです。
先のない恋が、単なる欲望からくるものだと思って、その欲を満たそうとすると、底がないことに気づきます。
自身に深く根ざす問題を解決しない限りは、欲望も消えることはないからです。
欲望は底をつくことがないと気づけるか、自分の根っこにある問題に向き合えるかどうか、で人生は大きく変わります。
■欲望に蝕まれないために
なんらかの中毒になったり依存したりすると、失うものも多くなります。
アルコールや薬物やタバコなどのモノならわかりやすいけど、心の欲望も同じです。欲望に思考を奪われることで、心身が蝕まれて日々の生活がいままでとは変わり、大切な家族や友人を失う可能性もあるからです。
とくに、大切にしたいパートナーがいながら浮気心が芽生えてしまうのは、本来ならば避けたいはず。
そのためにも、相手への不満は溜めずに率直でいること、日々のコミュニケーションを深めて風通しの良い関係でいることは必要不可欠です。
パートナーがあなたのことを愛しているなら、あなたを失うよりも、たとえ苦々しいものであれ、あなたの心の声を聞きたいはずです。
どうしても改善されないものだと諦めるなら、いっそのこと手放す勇気を持ってみる。それを「より大きなものを得られるチャンス」だと思った方が良いです。
そして、かつて大切だった人との別れ方には気をつけて。感謝の気持ちを忘れず、かつ強さと芯を持ってさよならを告げて。
■自分の行動に責任を持って、決断できる女はまた立ち上がれる
私は欲望のままに突き進むことを「良くない」と言うつもりはまったくありません。
誰かを傷つける行為になり得るものだけれど、その奥には人の弱さと闇と問題があることを知っているから。そこに気づけるための必要悪とも言えるかもしれない。
ただ救われないのは、自分の問題と向き合いたくがないために、目の前の欲望をただ満たし続けること。学ぶことをせず時間を無駄にするだけです。
実際そこまで愚かな女の子はそういないのだけどね。
すべての行動に自分で責任を持ち、自分の行動の意味と原因を理解し、最終的に自分の幸せを手に入れる潔い決断ができる女は、失敗しようが絶対に立ち上がることができます。そのことを忘れないで。
危ない橋は渡ってみても良いけど、何度も渡る必要はないからね。
最後には、暖かく大切なものに囲まれた、風通しのいい場所に落ち着くといいね、と願っています。
イラスト/野出木彩
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小悪魔と呼ばれていた恋愛戦士も今や人妻。芸能芸術のお仕事をしています。