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38歳独身、妊娠7カ月。私たちが妊娠するには「勢い」も欠かせないと身をもって知った 2/2


■妊娠には「勢い」も必要なんだと知った

「この人のDNAを残したい」。妊娠を真剣に考え始めたのは、そんな本能が疼いたことがきっかけでした。可能性があるならいつか出産したいと思っていた私に、「この人の子どもが産みたい」と思えるパートナーとの出会いがあり、今お腹の中に赤ちゃんがいます。

冷静になって振り返ってみると、今の状態でよく妊娠する決意をしたなとか、自分の会社と店舗を経営しながら、いつ来るかわからない妊娠に踏み切ったなとか、いろいろなことを思います。

「自分は妊娠できる身体なのか?」それはチャレンジしてみないと誰にもわかりません。そして、妊娠したらどの程度のつわりがあるのか、どれだけ働ける状態なのかは、妊娠してみないとまったくわかりません。妊娠はやってみないとわからない、未知のリスクに溢れています。

そして、私のやっているお店という商売は、ただ存在するだけで、毎月湯水のようにお金が流れ出ていく恐ろしい装置で、稼ぎ続けることが必須です。

実際に私の場合、妊娠発覚直後から始まったつわりの時期は、吐き気と頭痛とめまいに来る日も来る日も苦しみ、動くことも考えることもできない無労働の期間が3カ月間もありました。これは予想外でした。妊娠する前に、つわりがこんなに大変だって、私に教えてくれた人は誰もいなかったからです(笑)。それでも毎日お店は動いているので、つわり時期の3カ月間のロスが、つわりが終わって復帰した後の売上にもかなり影響しました。

そんな恐ろしい装置を抱えている経営者の自分が、妊娠前に冷静になって「今妊娠しても大丈夫か?」を考えていたら、そしてつわりの容赦のなさを知っていたら、絶対に妊娠に踏み切れる日は来なかったと思います。

これは、起業したてのときの心境と似ています。起業も勢いがないとできません。起業して10年になりますが、起業を決意した28歳のときは、数年サラリーマンとして働いた経験があるくらいで、ビジネスとか経営とか人を雇うとか税務とか、世の中のことなんて全然わかっていませんでした。

しかも、最初の事業はベビーシッターの派遣と教育事業、今やっているのはエステサロン。どちらもスタート時は、資格も経験もありませんでした。私にあったのは、「これが世の中に必要だと思うからやりたい」、この熱意と度胸だけ。

事業計画とか市場リサーチとか、ゆっくりじっくり考えても答えはわからない。それより、やってみたら正しいかどうかわかる。行動してから考える。行動しながら考える。これが私のスタイルです。

周りからは、「保育士の資格あるんですか?」とか「美容学校に行って学んだんですか?」とかいろいろ聞かれましたが、妊娠したときに、「結婚してるんですか?」と聞かれたのと似ているなと今は思います。

「現実を作ってしまえば、どうにかなるもの」そして「勢いがなくちゃ絶対にできないもの」。これが起業と妊娠のふたつの経験を通して実感していることです。

■大事なのは、選択に悩むよりも、まず決断して事実を作ること

人間の脳みそというのは考えれば考えるほど、リスクを取らない、行動しないさまざまな言い訳を思いつくものです。でも、勢いで行動を起こして、ひとまず現実を作ってしまうと、脳みそはこの現状を「なんとかする」ための解決策を見出すように働き始めます。

選択をした後に必死にやれば結果は良くなるし、そして周りの人たちも、その現実を受け入れるように変わっていきます。なぜなら、人間は環境の生き物だから。環境という既成事実を作ってしまえば、自分も周りもそれに適応せざるを得ないのです。

起業したときから、自分の経験を通して確信しているのは、自分の内側から湧き上がってくる「本物の決断」は、はじめから周りが諸手を挙げてサポートしてくれたり、喜んでくれたりするものではないということです。

起業するときも、「もっとじっくり考えた方がいい」と一番身近な人から言われました。今回の妊娠に関しても、「妊娠ファースト」の考えを実行しようとする段階で、心から応援してくれた人なんて数えるくらいしかいませんでした。

でも、はじめから周りが喜んでくれる選択というのは、周りの価値観をなぞっているだけで、自分が本当にやりたいことじゃない場合もある。「本物の決断」は、認められないかもしれない、批判されるかもしれない、笑われるかもしれない。でも、勇気を持って決断し行動し続けることで、必ず世界が自分を応援してくれるように変わっていくのです。

多くの人は、決断をする前に周りの意見や顔色を窺ったり、まだ起きてないリスクを想像して思い悩んだりしています。自分の心の底から湧き上がる願望を押し殺して、周りの価値観に沿って生きることが息苦しいのは当たり前です。

他人はあなたの選択ではなく結果にしか本当は興味もないし、反応もしないものです。選択が周りを喜ばせるのはなく、選択は何でもよくてその後、あなたがどんなときも笑顔で元気で幸せそうな姿を見せると決意して、それを実現するために行動することが大事。その姿を見て周りの人は安心し、「あのときいい選択をしてよかったね」と喜んでくれる。そんなものだから。

■未来を心配しすぎるのをやめて、主体的に動くこと

とはいえ、本物の決断をする前にやるべきことがあります。自分の中では計画済みでも、周りの人たちにとって青天の霹靂では動揺させてしまうし、仕事においては自分勝手な決断が過ぎると、多大なる迷惑がかかります。周りの人には、心の準備が必要です。

私の場合は、妊娠したいと決断したときから、職場のスタッフさんや一部の関係者に「妊娠したいと思っている」ことを伝えていました。妊娠したいと思っても、それはいつになるのか誰にもわからない神のみぞ知るタイミングだけど、事前にできることはたくさんあります。

いくら周りに伝えていても、妊娠したら現実が大きく変化するから周りが戸惑うのは当然だけど、できる限り周りに迷惑をかけず、早い段階で妊娠を祝福してもらえるかどうかは、いい選択をしたからでもなく、周りのせいでもなく、自分の行動次第なのです。

すべての不安は受動的な態度から生まれるものです。他人に答えを求めて生きると、いつかどこかのタイミングで、結果的に深い心理的な葛藤を経験することになります。

そして、未来を心配したらきりがありません。でも、本当の自分の願望に気づいて本物の決断と行動を積み重ね、周りを気遣いながら巻き込み、必死にやれば結果は必ず良くなります。

「ありたいように、なりたいように」

自分の望む自由な人生は、自分の勇気と行動で切り拓いていけるものと私は信じています。

■周りを巻き込みながらも、自分らしく自由に生きる

妊娠7カ月目。ここに来るまでたくさんの方にご心配とご迷惑をおかけしました。そして、たくさんの方に「おめでとう」と声をかけていただきました。最近は毎日お腹に手を当てて、「みんな大好きだよ。みんな優しい人ばかりだから、安心して生まれてきていいからね」と赤ちゃんに声をかけています。

つわりがラクになって、お腹が大きくなり始めて、子どもが生まれるまであと数カ月という実感がいよいよ湧き上がってくると、次は、子どもが生まれる前の自由が効くうちに、「できるかぎり仕事をやりたい」という気持ちがふつふつと湧き上がってきました。

そのやる気と反して、疲れやすく、少し無理をするとお腹が張るような身体である以上、できる限り短い時間で結果を出そうとする自分の集中力に、妊娠してからの女性のパワーってすごいなと我ながら驚いているところです。妊娠出産はキャリアのリスクでも、会社の一時的な損失でもありません。逆に大きな原動力になると思い始めています。

とはいえ、これからが本当のスタートです。この先、今の私には予想もできない未知の世界が広がっていることでしょう。それでも、まず行動しながら考えて、最初はたくさんの壁にぶつかりながらも、徐々に壁にぶつからない方法を編み出しながら、親子で力強く楽しく生きていきたいと思っています。

いつも近くで見守ってくれている友人に、「こんな私を見てるとヒヤヒヤするでしょ?」と聞いたら、「もうヒヤヒヤしない。どうにかするだろうと思ってるから!」と言われました。

繰り返しになりますが、じっくり考えることは、「その選択をする/しない」についてよりも、自分の決断をする上で、「この立場の人にも心地よく参加してもらうためにはどうすればいいかな?」とか、「この立場の人にも理解してもらうために、事前にできることはあるかな?」とかそういうことだと思います。

ひとり作戦会議みたいなものです。それで、だいたいの方針が決まったら、ひとつずつ実行していくわけです。そうすると、周りの人も置いてきぼりにならずに、かつ、自分の自由に生きられるのです。

新たに母親になり、さまざまなことに直面する心境をこれからもできる限り書き綴っていきたいと思っていますので、楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。

お知らせ

このコラムで書ききれなかった裏話を、少人数のセミナー&座談会という形で直接お伝えする機会を作りました。

「植村絵里の常識とはちょっと違う妊活&妊娠ストーリー」&「働く女性の妊活座談会」

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場所:「表参道」周辺
参加費:8000円(※お茶とお菓子付き)
詳細&お申込みはこちらまで↓
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コラムを読んで共感してくれたり、興味を持ってくれたり、勇気をもらったり、仕事と妊娠で悩んでいる方々と直接お話しできればと思っています。

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植村 絵里

1980年東京生まれ、聖心女子大学卒。クイックエステBeautiQ(ビュティック)創業者。 自己実現と出産育児を自由に選択でき、内面も外見も美しい女性があふれる社会作りをモットーに、28歳で起業し、日本初の女子大生ベビーシ...

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