ただその人の“好き”を祝福できる人でいたい
他人の生活、身に着けているもの、取り組んでいる仕事、恋愛や結婚生活……羨ましいと思う気持ちはきっと自然にわいてくる。ただ、その感情が相手を貶めたり、傷つけてしまうような嫉妬に化けてしまうことがある。けれど、頭の切り替えひとつでいい方向に持っていくこともできると思う。エマちゃんが考える“羨ましい”気持ちの行方について。
嫉妬とは、「する側」と「される側」に分かれる。
私は自分が嫉妬してしまうくらいなら、絶対にされる側がいい。嫉妬という感情を私の心に持ちたくない。嫉妬がいかに心を荒ませ、時には人を傷つけ、善い心を消耗させる感情なのかを知っているから。
嫉妬心をむき出しやすい人って、一時期流行った脳内メーカーみたいに、頭の中が「嫉妬」という漢字で埋め尽くされているんんじゃないかってほど、頭と心の中を支配してるように感じる。
嫉妬を感じる対象がいたら、何時間でもその子のSNSを隅から隅まで見続けて、粗探しをしたり、なんとか転ばすことができないかって思索したりして、ちょっとでも不幸なできごとが起きようものなら「シメシメ……」と思うとか……。
「ねえ、どうなのその時間。生産性あった?」と問いたい。
美人だったら「整形してるじゃないの?」。ブランドバッグを持っていれば「パパ活でもしてるんじゃない?」やりたいことに全力で打ち込んでいる人を捕まえては「調子にのるな」。
誰かのキラキラしている様子を見ては、自分と比べて落ち込んだり、嫉妬したり、粗探しをしちゃうようなら、まずはSNSをやめたほうがいい。それが一番手っ取り早く幸せになるんじゃないかしら。
■小学6年生のお姉さんたち
私自身、嫉妬の感情がもともと薄く、10歳になったときには完全に捨て去ったような気がする。もともと嫉妬心を抱きにくかったのは、母親が兄弟や他の友達と比べることもなく「唯一無二だよ」といつも言ってくれていたおかげでもあると思う。
決定的だったのは10歳のとき。
当時私は流行っていたルーズソックスを学校に履いて行った。そのときはもうギャルが全盛期で、街中で見かけるお姉さんたちのファッションは、制服にルーズソックス/私服にはミニスカ厚底ガングロメイクが主流だった。
当然10歳の私にすべて真似できるはずもなかったが、ルーズソックスだけは小学生でも取り入れられるアイテムだったので、控え目な50cmくらいのルーズソックスを自分で買って学校にルンルンで履いていった。
そしてその日から私は6年生のお姉さんたちに目の敵にされるようになった。
睨まれるし、なんかコソコソと言われる。たまに集団で教室に訪れては「エマちゃーん!ソックタッチ(ルーズソックスをとめるのり)落としてない?」といった皮肉まじりの適当な理由をつけて、私の様子をチェックしてきた。
そのときは、誰にも迷惑をかけていないのに、なぜ敵意を向けられたのかわからず、お母さんに理由を聞いた。
「おしゃれで目立つ子は嫉妬されてそういうことが起きるんだよ」と教えてもらった。
私は子供ながらに「誰のことも不幸にしておらず、ただ自分の好きを貫いただけなのに、こんな思いをしないといけないのか……」と悲しくなった。そこから「自分はその嫉妬という感情やらを持たないようにしよう」と心に誓った。
自分が上級生にもなれば、下の子に私のようないわゆる“目立つ”女の子が現れる。それこそ同級生は「なんだアイツ」と目をつけ、「顔がどうだ」「話し方がどうだ」など難癖をつけていた。
その目立つ女の子は、話しかければ良い子で、かわいくて垢抜けていて、いかにも”モテる女の子”だっただけ。
だからその様子に「ああ、やっぱり嫉妬するって醜いし、感情と時間を無駄遣いしているな。あなたも好きにして他人の好きも祝福できればいいのに」って思っていた。
■溢れだす感情をどこに伸ばしていく?
嫉妬される側に立ってみて気づくこともある。
それは、嫉妬には憎しみと憧れの両面が備わっているんだな、ということ。ふたつの感情は正反対なものではなくて表裏一体な存在なのだと思う。
いつの日だったか、私の物を隠したり、陰ながら嫌がらせをしてきた同級生から聞いたことがある。「じつは憧れていて、羨ましかった」と。
そうかもしれない。だって人は嫌いなだけだったら自分からなるべく遠いところに置こうとするし、放っておくし、関わらないようにする。SNSを見続けたり、一挙一動を観察してしまうのは、やっぱりどこかに憧れやそれに近い感情がきっとあるんだよね。だったら素直にそっちのかわいらしい感情を伸ばしていけばいいと思う。
「ずるい」「なんかムカつく」「どうせこうだから」「調子に乗ってる」ってワードは「すてき」「羨ましい」「努力してるんだろうな」「幸せそうでなにより」に変えていこう。
「わたし羨ましいって思っているんだ」って気持ちが隠れていることを素直に認めるの。その羨ましいって思う気持ちは自然で悪い感情じゃない。ただベクトルが変わると嫉妬という悪意になってしまうだけ。
そういうときは自分とその人は違う人間で、相手にいいところがあるように、私にも私のいいところがある。私は私って心を切り替えるの。
負の感情が生まれそうだったら、頭を切り替えるように別のことをしよう。 だってその人のこといくら考えたってあなたはなにも変わらない!そんなに他人の生活とか顔とか覗いたってしゃあないって。そればかりか口角がへの字にひん曲がった目の鋭い嫌な奴の顔になっちゃうよ!
他人の成功やその人らしさを喜べたら単純に幸せだ。
皮肉を言ったり粗探しをせず、素直に「どうしたらそうなれるの?」と聞ける人は幸せだ。その心は顔に出る。間違いなく出る。
私は「意地悪なババア」と言われるような顔には絶対なりたくない。だから自分の美容のためにも嫉妬しないようにする。これは10歳の頃から交わしている自分自身との約束なの。
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