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人気AV男優が激白! 忘れられないセックス4選

人気AV男優・黒田悠斗さんが、過去にプライベートで遭遇した「印象的なセックス」を赤裸々に語ります。事実は小説より奇なり!? 衝撃的なエピソードの数々、ぜひお楽しみください。

人気AV男優が激白! 忘れられないセックス4選

今回、編集部から出されたのは「印象に残っているセックス」というお題。忘れっぽい性分の僕が記憶の引き出しからすぐに取り出せるような、とくに印象深かったセックスについて書いていきたいと思います。まずはパッと頭に浮かんだやつから。

■その1.守護霊が見える人妻

SNS経由で人妻さんから「セックスでイッてみたい」という願い事をされたときの話です。僕自身、とくだんセックスが上手いとも思っていないので、彼女の膨らみすぎた期待には応えられないだろうと判断し、即答でお断りの返事を出したのですが、あまりにしつこく頼んでくるので渋々会うことにしました。上越地方にお住みの方らしく、わざわざ新幹線に乗って新宿までやってくるそうです。

しつこさに負けたってのもありますが、くすぐられた好奇心も僕の背中を後押ししました。ダイレクトメッセージのやりとり中、「私はその人に憑いている守護霊を見ることができるんです」なんて、やたらスピリチュアルな話をかましてきやがるのです。

僕は、科学的根拠に乏しい話は信じないたちなので、「守護霊なんかいるわけねえだろバカヤロコノヤロ」って考えなのですが、まだ30代半ばの女性がスピりまくった話をマジトーンでしてくるってとこについつい興味が湧いてしまって。僕のまわりにはいないタイプです。まだ若いのに守護霊の話を真剣に語る女性って、いったいどんな人なんだろう。

待ち合わせ場所に現れたのはとんだ美人妻でした(DMのやりとりでは「半分くらい髪の毛で隠された横顔」の写真しか見せられてなかったので雰囲気すらわからなかった)。スレンダーで気品がある、身なりのきちんとした女性。こんな美人がスピリチュアルの世界に傾倒してんの? 僕には何が憑いてるって言われるんだろう。こんな高貴な美人妻から「醜くて卑しい餓鬼の霊が憑いてますね」なんて言われたら、マゾ心をズドンと刺激されてたまんないだろうな!

ホテルへ移動。セックスおっぱじめる前に、まずは僕を守護してくれてるのが誰なのかを見てもらうことに。目を瞑って頭を空っぽにするよう指示を受け、言われるまま深呼吸を繰り返した僕。なんなんだ、この緊張感は。こんな張りつめた空気の後に、「次はセックスしようぜ」とか、どんな顔して言えばいいんだよぅ。

「黒田さん……見えました。黒田さんを護ってくれているのは黒い龍です。その龍とは別に天狗様も黒田さんのこと護ってくれてます」

龍? 天狗?

「黒くて大きな龍ですね。すごく力が強いです。私がお寺巡りしたときに撮った、龍の掛け軸の写真が携帯に入ってます。見たらイメージが湧きやすいと思いますよ。見てみます?」

携帯で撮ったという掛け軸の写真を見せてもらったら驚愕しました。同じような絵柄の龍が描かれた「陶器の板の置物」が、僕の実家の床の間に飾ってあったのを思い出したからです。僕が小一の頃に亡くなった爺ちゃんが、僕が生まれたときに買ってきたという代物。爺ちゃんが死んだ後も床の間にずーっと鎮座してました。

実家を出てから20年以上経ち、何年もその置物を目にしてなかったので、寸分たがわず同じ絵柄なのかまでは判別がつきませんでしたが、絵のテイストはまったくもって同じなので驚かされました。彼女から携帯の写真を見せてもらうまで、その置物の存在をすっかり忘れていた僕は、写真を見た瞬間ゾッとして、全身の毛穴が一気に開きました。なんだか家を覗かれたような感覚に襲われて……。

龍より天狗の方が気になってた僕は彼女に質問を。

「天狗が憑いてるとどうなっちゃうんですか?」

鼻とか、指とか、ポコチンとかが長くなるのかなと予想したんですが、彼女の口からは意外な答えが返ってきました。

「たとえば信号のある横断歩道があるじゃないですか。ああいう信号機に引っ掛からなかったりとか、移動が素早くできるんです。風を自由に操る能力を持ってるから」

なんだそんなことかと思ったら、翌日、天狗様の絶大な力を思い知ることとなりました。

彼女と会った次の日が1日2現場・掛け持ちの日で。まずひとつ目の現場が神奈川県の相模湖近くにあるスタジオ。そいでもって2現場目が東京都狛江市の僻地にある、最寄り駅から歩いて25分もかかるスタジオでした。ざっと計算しても両スタジオ間の移動時間が2時間半はかかります。しかも、相模湖のスタジオの最寄り駅ってのが、1時間に1本ペースでしか電車が来ない地方駅なんです。

遅刻なんかすると2現場目の制作会社に迷惑かけちゃう(スタジオの延長料金もかかっちゃうし、女優さんのテンションも下がる)。頼むからスムーズに終わってくれよと願いながらひとつ目の現場のスタジオに入ると、ADさんが血相変えて飛んできました。

「黒田さん、すいません。まず、女優さんが遅刻してきました。それと、結構おっきなタトゥーがあるコなので、それを特殊メイクで消す時間が余分にかかっちゃいます。黒田さんのケツの時間って何時でしたっけ? 最悪、何時くらいまでいれます?」

電車の本数が少ないの知ってたから、移動時間を一時間多めに見積もって余裕ある予定を組んでたんだけど、下手したら乗る予定だった電車の一本後のやつにも間に合わない可能性が……。

予感は的中。撮影開始が遅れに遅れ、結局、本来乗る予定だった電車の2本後ろの電車に乗る事態となってしまい。電車が来る前に乗り換え案内アプリで最速のルートを調べてみたのですが、どんなルートを使っても2現場目の入り時間に間に合いやしない。そうこうしてたら2現場目のADさんから「進行巻いてるから早めにスタジオ入れますか?」と急かしの連絡が来るし。焦る焦る。

今まで使ったことないルートだけど、まずは藤野駅から高尾駅乗り換えで立川駅まで出て、次に南武線を使って登戸駅に移動。登戸駅から小田急線で和泉多摩川駅までたどり着いたら、最後は駅から全速力でダッシュって感じか。乗り換えが多過ぎるからタイムロスが発生しがち。やっぱどうやっても間に合わないぞう……。

ただでさえ時間が無いから謝罪の菓子折りを買う暇もないし、2現場目に向かうのに気が重くて仕方ありません。ちゃんと1時間も余裕みて予定を組んでたってのに遅刻しちゃうのかよー。でも、2現場目の監督からしたら、そんなの知ったこっちゃねえよって話だもんなぁ……不運だ。

しかし、抜群のタイミングで天狗様が降臨。奇跡が起きまくりました。藤野→高尾→立川の乗り換えがスムーズ過ぎるほどスムーズ。JR登戸駅に到着して、次に乗る小田急線の登戸駅のホームまでダッシュしたのですが、いるはずのない電車が何故かホームにいて(アナウンスを聞いたら、どうやらトラブルで遅延してたみたい)、僕が電車に飛び乗った瞬間プシューっとドアが閉まりました。ほんとだったらこれの後の電車に乗る予定だったから、到着が電車一本分早くなりそう!

和泉多摩川駅に着くと、バス停に一台のバスが停まっていました。このバス、45分に一本しか来ないから待つのが面倒で、過去に一度も使ったことなかったんだけど、これに乗り込めばスタジオ近くまで運んでくれるじゃん! 咄嗟の判断でバスに飛び込むと、またも乗った瞬間プシューとドアが閉まりました。もう頭の中が天狗様のことでいっぱいです。

バス停で降りたらスタジオまで猛ダッシュ。入り時間に間に合っちゃうよ、これ! 扉をバタンと開けると、何故か玄関にADさんが待ちかまえていて、僕にバスタオルを押し付けてくる。

「女優さん、いま髪の毛やってるから、後5分で仕上がります! 急いでシャワー浴びてください!」

5分後、ADさんの予想通り、監督がディレクションしはじめました。50分ノーカット1本勝負。僕がスタジオに着いてから1時間きっかりで撮影が終了。驚きすぎてオシッコちびりそうになりました。最寄り駅までの帰路、徒歩25分間、天狗様ありがとうと何度つぶやいたことか。



さて、本題に入りましょう。「セックスでイッてみたい」とメッセージを送ってきた人妻さんとのセックス。女の人の性感帯はほんと人それぞれなので、初対面の人を相手にするときは、「最大公約数の女性に通じるオーソドックスな愛撫」をすることを心掛けてるのですが(確率論の観点から)、「大多数の女性が気持ちよがる箇所」を攻めてみても彼女からは一向に反応がかえってきません。

ここがダメならあっちかもと、僕が知ってる知識を全部ぶつけて、時間をじっくり掛けていろいろな愛撫を試してみたんですが、まったくもって手応えがない。本人に聞いた方が話が早いよなと、気持ちよくなるポイントを恥を偲んで直接聞いてみました。

「アソコの入り口の下側のとこなんです……うんたらかんたら」

彼女の話を要約してまとめると、膣に指を入れてすぐの、下側のフチ手前のとこを指でひっかくように小刻みに刺激されると唯一気持ちがいいそうで。先ほどまで、いわゆるGスポットと呼ばれるとこをせめても反応がなく、それじゃこっちはと子宮口あたりをじんわりせめても無反応だったんですが、そもそも向きからして逆だったのね。

「膣の入り口下部分、指入れて1センチのとこ」しか感じない人に会ったのは初めてです。言われるがまま、その箇所を刺激してみたら、たしかに声が出ました。人差し指を第1関節だけ曲げて、膣入って1センチのとこをコリコリコリコリ地味に刺激していきます。

幼稚園の時に洋服タンスにシールを貼りまくって父親に怒られたことがあります。愛撫中、「父親の命令で貼ったシールを指先でカリカリと1枚ずつ全て剥がさせられた苦い思い出」が脳裏に甦りました。

指先使ってシールを剥がす動きで、あらゆるリズム&刺激の強さを試してみたのですが、結果彼女のことをイカすには至らず。起死回生と今度はポコチンを挿入して入り口1センチのとこをチン先で引っ掻くように刺激してみましたが、挿れてるこっちが全然気持ちよくなくて(亀頭しか入ってないから)、「奥まで挿れたくなる衝動」との闘いに突入しました。

いろんな体勢を試しつつ、根気よく入り口1センチのスポットを刺激し続けましたが、気持ちよさを感じない挿入が長時間続くのが段々と苦痛になってきて、僕が先に根をあげてしまいました。彼女は僕みたいな長竿系の奴より、短刀系のミニポコチン持ってる男性の方が相性いいと思う、絶対。ギブアップ!

わざわざ新潟から足を運んでもらったのに申し訳なかったなって話でした。

■その2.「離婚届を出すのに同行してほしい」

ある時、知り合いの女性から「気持ちいいセックスしたいってコがいて、一回そのコと会って欲しいんだけど、どうかな?」と相談を受けたときの話です。女性を絶対気持ちよくさせられるなんておこがましい考えも持ってないし、相手が何者かわかんないから病気も怖いし、AV男優の黒田とセックスしたなんて言いふらされるのも怖いしで、もちろんこの申し出も即答で断りました。

「ごめーん。もうLINE教えちゃったよ。じゃぁ、てきとーにあしらっといて」

無責任な奴め。勝手に人の連絡先教えんじゃないよー。その日の深夜、例の「気持ちいいセックスをしてみたいコ」からLINEが届きました。

「AV男優の人と気持ちいいエッチしてみたいです。紹介してくれた◯◯ちゃんがめちゃくちゃ気持ちいいんだよって言ってました。私も体験したい!」

体の相性とかも関係してくるし、絶対気持ちいいってのはありえません。あと、病気が怖いです。言いふらされるのが嫌なんで、そういう話には基本乗らないです。その3ヶ条を相手さんに伝えたところ、話は思わぬ方向へ。

「わかりました。検査を受けて病気がないってことを証明するんで、性病の検査を受けられる病院を教えてください。あと私、いま結婚してるんですけど、離婚調停が進んでて。埼玉の区役所まで離婚届を出しにいくから黒田さんに同行してほしいです。届け出をだしたその足でホテルに行ってめちゃくちゃなエッチしたい!」

急に飛び出たヘンテコな申し出にテンションが爆上がり。僕の感情が急カーブを描き、気持ちが一気に変わりました。他人が離婚届を提出する場に立ち会えるのか。そんなのやったことないない。最高じゃん! 楽しみ!!

しかし、思惑通りにはいきませんでした。役所の窓口で「調停離婚の場合は戸籍謄本が別途必要」と言われ、出直すはめに。よくわかんないけど、北海道から書類を取り寄せないと謄本がとれないとかなんとかで、その日に離婚届を出せず仕舞いに終わっちゃった。なんだよー。

結局、普通にラブホ行って、エッチして終わり。2回もオカワリ求めてきて彼女はかなり満足したようですが、僕的にはなんとも味気ない結末となりました。離婚届を出す現場、目撃したかったなぁ。



後日談。1年ほど経って、離婚届け提出未遂の女性からに久しぶりにLINEが来ました。

「あの時は気持ちよかったです。私の方は無事、離婚完了しました。女友だちに気持ちいいエッチしたんだーって話を言ったら、わたしも試してみたいって言い出して。黒田さんにそのコ紹介したら会ってくれますか?」

ふざけんな! あれほど僕と会ったことは口外すんじゃねえぞって釘さしといたのに。ものの見事に言いふらされてやんの。約束破る奴はブロック、ブロック、ブロック!

■その3.復讐をやめるよう、筆談で説得した話

「私、□□さんに復讐を考えてます」

僕が昔、アメーバブログをやってた頃、こんな物騒なメッセージが舞い込んできました。伏せ字にしてある□□さんというのは僕の同業者。人気男優の部類に入る、あるAV男優の名前です。

復讐なんて物騒な言葉はちょっと聞き捨てならないなと、そのメッセージに対して返信を出した僕(単純に好奇心に負けただけなんだけども)。聞けば、その男優にひどい目にあわされたと。もて遊ばれて、ぞんざいな扱いを受け、心が傷ついたから彼にも同じ苦しみを味わわせたいって告白を受けました。たしかにあいつ、そういうことやりよるもんなぁ。

愚痴を吐くだけ吐いたら気持ちも晴れるのではと思い、メッセージのやりとりで彼女から□□君と揉めた話の顛末を聞いてみたんですが、「彼と揉めたストレスが原因で失声症になってしまった。声の出し方がわからない。声を出すことができないから日常生活や仕事場でも支障をきたしてる」なんて話も出てきて。どうもメッセージのやりとりだけでは彼女の復讐心をかき消すことができなかったため、実際に彼女に会って対面して説得することにしました。

彼女の住まいの最寄り駅で待ち合わせ。近場にあった適当な居酒屋に入り、食事をしながら男優□□君への復讐をやめるよう、しつこくしつこく説得を繰り返す。本当に声が出せないようで、手帳に鉛筆で文字を書く「筆談」でのやりとりです。

2時間半くらいかかったでしょうか。人に対する復讐など何も益を生み出さないって話を何度も言って聞かせ、その意見に彼女も納得してくれて、復讐心は別の方法で消化するという話に落ち着いたんです。

会計の紙をひょいと指でつまみ、彼女を個室に残したままレジへと進む。「人の復讐を止めて、金まで払うんかい! カッコよすぎだろ!」と自分に酔いしれながらお会計。七千八百円也。2時間半もいたら結構するんだな。地味にお財布に響いて、しょんぼりしながら彼女の待つ部屋へと戻る。扉を開けた瞬間、彼女のシャンプーの匂いがふわっと香り、鼻腔の奥をツンと刺激しました。

さっきまで説得に夢中で真面目モード全開でしたが、事件も解決し腹も膨れたら素の自分に戻ってしまった。シャンプーの匂いを嗅いだとたん性欲がムクムクと頭をもたげてきて。彼女と視線を合わせてしばらく見つめたのち、その唇にキス。向こうも舌をからめてきたので、そこからは接吻合戦に。ふたりしてもう止まりません。個室の中でフェラチオまでしてもらいました。

居酒屋を出て青姦できるとこがないか探します。しばらく歩いたところに2台の自動販売機を発見。その機械の裏手にタタミ半畳分ほどの死角を見つけました。これだけありゃ充分や!

立ったまま愛撫。股間に手を伸ばすとめちゃくちゃ濡れてました。

「おい、□□! 何の関係もない俺がお前のことピンチから救ったんだぞ。感謝しろがい!」

そんなことを考えながら立ちバックの体勢でまぐわう。失声症のため彼女の口からはアエギ声も出ません。ふいにカバンから手帳と鉛筆を取り出す彼女。何やら文字を紙に書き出しました。

「痛いです」

試合終了。家帰って屁こいて寝たっす。

■その4.「私とプライベートで会ったこと口外したら、闇が動くから……」

20年近く前の話。当時売れっ子だったある有名熟女女優から連絡先交換を持ちかけられ、プライベートデートのお誘いを受けました。一週間後、新宿の喫茶店で落ち合うことに。

待ち合わせ時間より先に到着した僕がコーヒーすすりながら店外を眺めていると、15メートルほど先からこちらに向かって歩いてくる彼女を発見しました。まわりの一般人から浮いてしまう異質なオーラ。遠くから見ても彼女だと一発でわかりました。

見たことないほど豪華なフワッフワの毛皮のコートを羽織ってる彼女。こんな大きなコート、動物を何匹殺したら作れんだ? 到着した彼女にお値段を尋ねてみると、コート1枚で約300万円ほどとのこと。AV女優業だけじゃそんなに稼げないでしょ? 普段、何やって暮らしてんだろ。元々は銀座でホステスやってたって話ではあるけど。

「黒田君、私とプライベートで会ったこと、墓の中まで持っていってね。絶対、人に言っちゃダメよ。もし他人に漏らしたら……その時は闇が……闇が動くから」

闇が動く。ずいぶん物騒な言葉が出てきたぞ。闇って何なんですかと尋ねたら、「闇は闇よ……ふふふ」という御返事。それ以上聞くなって視線を送られたんで、黙って引き下がることにしました(あんまりしつこく聞いて、機嫌損ねてセックスできなくなったらもったいないし)。

タクシーに乗って彼女のお宅がある方南町へ移動。かなり大きめな造りの2LDKの部屋に通される。一番奥にある寝室の敷居をまたぐと目の前にはキングサイズのベッドが置いてありました。こんな馬鹿デカいベッド、生まれて初めて見たっす。

ベッドの脇にはパルテノン神殿の柱みたいな形をしたオブジェがふたつ置いてあって、壁には着丈がスーパー長いスケッスケの高級ネグリジェが高級そうなハンガーに掛かってます。NBAの選手が着ても裾をズルズル引きずっちゃうんじゃないかってくらい、着丈が本当に長い。彼女の部屋には生活感ってものがまるでありません。

その日はキングサイズの豪華なベッド上で4回ほど餅つきペッタンした後、王室のような彼女の部屋にそのまま宿泊させていただきました。寝起きで顔がパンパンの僕に、「黒田君、冷蔵庫にイチゴが入ってるから好きに食べてね」なんて優しい言葉をかけてくれます。

果物が大好物な僕はすぐさまキッチンに走りました。イチゴが盛られた高級皿を取り出し冷蔵庫の扉を閉めると、冷凍室のドアにマグネットで固定してある小さな白い紙切れを発見しました。

「シリコン乳のマッサージ方法・解説書」

紙を固定してるマグネットは100均ショップに売ってるような安物。彼女の部屋に入って唯一、生活感を感じた瞬間でした。

帰り際、彼女が僕にお土産を持たせてくれました。先日旅行に行ったときに撮った写真だそうです。手にハイビスカスの花を一輪持って微笑む彼女がアップで写っている写真。

「これ、私だと思って大切に持ってて」

こちとら物の価値がわからない庶民なのでリアクションに困りましたが、ありがたく頂戴して一旦帰宅。下着と服を着替えて、撮影衣裳の準備をします。午前中の早い時間にスタジオ入りだったので、返す刀で撮影現場へと向かいました。

この日は若手男優7人が召集された学校ものの撮影。同期の森林原人君のほか、先輩やら同期やらが学生服に身を包み高校生役を演じます。

「闇が動く」と忠告を受けてはいましたが、昨日の不思議空間の話をしたくてしたくて。口がうずいて仕方ありません。その場に呼ばれてた若手男優7人に事の顛末をつい話してしまいました。

「昨日、△△さんの部屋に呼ばれて行ってきたんだけど、ベッドがキングサイズの馬鹿デカいやつで、パルテノン神殿の柱があって、ネグリジェが超長いしで、うんたらかんたら……」

闇が動いたらマズイと一瞬躊躇しましたが、彼女に渡された写真まで皆に見せてしまいました。

「こんな写真渡されたんだけど、どうすりゃいいと思う?」

森林君が僕の手から写真を抜き取り、ハイビスカスの花を持った彼女の笑顔を見ながら、ポコチンをシゴき始めました。教室セットの中、学生6人の前でオナニーを披露します。いっさい露出のない着衣写真を見てフル勃起までもっていった森林君。こりゃオチをつけなきゃ場が収まらないなと判断した僕は、近くにあった紙コップを手に取り、森林君のポコチンの先にセットしました。

紙コップを差し出されたら発射するのがAV男優の矜持です。2分くらいシゴいたでしょうか。森林君は紙コップの中へ見事に発射。僕の謎かけにきっちりアンサーを返してくれた森林君。今度は僕が返す番だ。僕は森林君の精液を紙コップで受け止めるや、それを口元に運び、出してくれた精液を全て飲み干しました。うーん、苦い!

僕と森林君以外の若手5人はドン引き。場がものすごい空気に包まれました。え? ウケると思ったのに。読み違えた?

30分後、女教師に扮する主役女優さんと高校生役の若手男優7人による8P乱交撮影が始まったのですが、さっき紙コップに発射したばっかの森林君と、精液イッキ飲みして皆にドン引かれた僕は、先ほどの悪ふざけの影響からかふたりして勃ちが悪い。余計なことすんじゃなかった。とほほ。

余談ですが、このとき場にいた僕と森林君以外の若手男優5人は、AV男優の出世コースからはドロップアウトし、それぞれ業界を去っていきました。


さて、闇とは一体なんだったのでしょう。数年後にその謎が解けます。彼女が所属してたプロダクションの社長が、彼女が引退した何年か後に恐喝容疑で逮捕されました(一応言っとくと、AV業界とは別の界隈で犯した恐喝のようです)。そのままプロダクションは解散に至ります。だって評判悪かったもんなぁ、その社長。結局、僕に闇が襲い来ることはありませんでした。

僕も体の関係もった女性に「このこと口外しないで」って釘を刺すことがあったら、「人に漏らしちゃ駄目だよ。その時は闇が動くから」って言おっかなー。漠然とした言葉の方が想像膨らんでなんか怖いよね。

■「警◯署のトイレで」「先輩の彼女と」

20年前、15点の赤切符きられて港区の警◯署に連行されちゃって、身元引き受け人として迎えに来てくれた当時の彼女と帰り際にその署のトイレでセックスした話とか、セフレとセックスしてたらそのコの本命彼氏が帰ってきて、ベランダに間一髪逃げきれた話とか。

先輩男優と付き合ってる女の子から遊びの誘いを受けて、家に上がり込んでセックスしてたらツーショット写真(先輩は既婚者でふたりは不倫関係。結婚の夢が叶わないからせめて結婚写真だけでもと、わざわざ写真館まで出向いて撮ったという豪勢な写真)に写ってた先輩男優と目が合った話とか。

印象に残ってるセックスがまだまだ山ほどありますが、お時間いっぱいとなりました。また、どこか別の機会で。

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黒田 悠斗

AV男優。1975年生まれ。大学を卒業後、つても何もなかったAV業界になんとか潜り込み、20年間一線で生き残り続ける。1999年にデビュー。男優業の他に監督業や執筆業なども。マッチョ系の見た目に反し、中身は文系人間。Webコ...

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