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男性たちにセックス観を聞いて見えてきた本質的なこと

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セックス観は人それぞれ異なります。今回、著者の黒田悠斗さん含め、AV男優、監督、一般男性全8人のセックス観を聞いて、まとめていただきました。それぞれが明かしたセックス観から見えてきたこととは――。

男性たちにセックス観を聞いて見えてきた本質的なこと

今回、編集部の方から投げられたお題は「男性のセックス観」。男性一人ひとりにとってセックスとは何か。男性はセックスに何を求めているのか。良いセックスとそうでないセックスとは。そういった話を書いてほしいということでした。

これはなかなか難しいお題。まず僕自身、AV男優という仕事に就いている時点で一般的なセックス観から大幅にズレていそうな気がします。なので、今回はたくさんのサンプルがあった方がいいと考え、いろいろなタイプの男性に意見を求めてみました。

まずは、AV男優という職業を20年間続けてきて見えてきた、僕なりのセックス観をはじめに書かせてもらいます。僕にとってのセックスとは……。

■愛あるセックスが一番きもちいい、とは限らないと思う

ずばり、セックスとは「感情を揺さぶる体験」です。漠然とした言葉なので、これだけでは真意が伝わらないでしょう。なので、以下に詳しく解説させてもらいます。

よく耳にする話で、「相思相愛の愛あるセックスが一番きもちいい」という説がありますが、僕はこの説が正しいとはまったく思いません。たしかに、お互いを慈しみながらする「愛あるセックス」は多幸感に溢れ、心はすごく満たされます。

でも、「愛など存在しない欲望だけに満ち溢れたセックス」と比べたら、興奮度においては劣ります。大好きなパートナーであるからこそ嫌われたくなくて、変な気遣いが生まれ欲望をストレートに出せなかったりするからです。

その点、セフレ的な関係にある相手だと、遠慮など抱かず自分のワガママを思いきり出せます(もちろん相手からのワガママも受けとめるという前提ありき)。より快楽に没頭できるという、体の関係ならではの利点があるわけです。

■嫌いな相手とセックスしたときの不思議な感覚

他にもいろんな形のセックスが存在します。この上なくドキドキ感を味わえる「一夜限りの行きずりのセックス」であったり、昔の恋人と久々に再会して流れでやっちゃう「気まぐれセックス」であったり。変わり種のやつだとこんなものもありました。

生理的にどうしても受け付けず、嫌いで嫌いで仕方がない相手から言い寄られる事態が稀にあるのですが、僕はつい「嫌いな奴とセックスしたらどんな感情になるのか?」という好奇心を抱いてしまい、そういった負の感情を抱いている女性をセックスに誘ったことがあります。

「あなたのこと生理的に無理で、ほんと大嫌いなんだけど、セックスしてみませんか」。セックスする前に本人にそう伝えて行為を行ってみました。これがまぁ、なんとも言えない感情が巻き起こる不思議なセックスで。

「なんで1ミリも触れたくない相手に勃起して腰を振ってるんだろう……」

心の中は業務用の冷凍庫くらい冷え込んでいるというのに、股間だけ熔鉱炉のように熱くなっているという矛盾に満ちた出来事。非常にイライラしているのにきもちいい。

自分的には大きな意義のある体験でした。後にも先にも、あんなヘンテコなことはなかったからです。とても文章には表せないような不可思議な感情をおぼえる実体験でした。

■僕にとってのセックスは「感情を揺さぶる体験」

恋人との愛あるセックス。セフレとの刹那的なセックス。行きずりのワンナイトラブ。大嫌いな相手との不可思議なセックス。それぞれベクトルがまったく違えど、どれも感情を大きく揺さぶってくる体験でした。感情の方向性がすべて異なるため、どの体験が一番素晴らしいと甲乙つけることはできません。

要するに、より大きく感情を動かされたいのです。僕がセックスに求めていることはまさにそれでした。記憶に残らないような、単なる摩擦運動に終わるものはセックスと認定したくありません。

僕にとってのセックスは「感情を揺さぶる体験」なのです。どんな種の感情にせよ、高ぶりの振り幅が大きければ大きいほど、いいセックスだと僕は思っています。

同時に、なるべくいろいろな方向性の感情の高ぶりを経験したいとも考えていて。なので、「愛あるセックスが一番」といった単純な答えには賛同しかねるのです。

【男性に聞いたセックス観1】セックスに射精や絶頂は必須ではない

僕の片寄った意見だけだとあまり参考にならないと思うので、ここからは周りの男性陣から仕入れた「男性のセックス観」を紹介していきましょう。最初に、近々結婚を控えている40代一般人男性Aさんの意見から。



セックスに何を求めているか?
肉体的・精神的な満足感。射精や絶頂が目的ではなく、セックス前から含めての「過程」が大切だと考えています。

いいセックスと、そうではないセックス
自分と相手が同じ目標に向かってセックスできた時がいいセックス(射精・絶頂は必須ではない)
目標が同じでない。もしくは、ちぐはぐな目標になってる時は、ぎこちなさや違和感が生まれ、よくないセックスになる。

セックスとは自分にとって何なのか?
生きる目的の3割を占めるもの。他の7割は食欲と睡眠欲。


読んだ感じ、ごくごくスタンダードな意見だと思いました。

【男性に聞いたセックス観2】セックスは心を満たす手段

次は30代独身男性であるBさんの意見です。



セックスに何を求めているか?
何を求めているかとは少し違いますが、セックスをさせてもらう事によって「その女のコから認められる」というか、承認欲求の強い僕にとって「自分を肯定してもらう為の手段」だったりします。
独占欲強めな人間なので、その子の全てを知りたい手に入れたいって気持ちの最終手段がセックスかなと……。快楽ももちろん求めてますが、心の面で満足を僕は求めています。

いいセックスと、そうではないセックス
あまり考えた事ないです。どうあれ、お互い満足したら、それはいいセックスだと思います。

セックスとは自分にとって何なのか?
「心を満たす手段」です。


これはすごくわかる意見。「承認欲求を満たすための手段としてセックスを用いている人」、男女ともに実際けっこうな数いると思います。これもある意味、スタンダードな意見と言えるでしょう。

セックスをすることによって「相手に認めてもらっている」と感じ、自分の価値を客観的に見出すというのは、表立って言いにくいことではありますが、ひとつの真理だと思います。

【男性に聞いたセックス観3】セックスは好きな相手としたい

次は40代男性(既婚)であるCさんの意見です。



セックスに何を求めているか?
僕は好きな女(妻)とセックスをしなくなって久しくて、たまに欲情を紛らわすために妻以外の女性とセックスしてる感じなので、冷静に考えてみると、セックスに求めてるのは「性欲の発散」なのかなぁと思います。

いいセックス、そうでないセックス
セックスパートナー(風俗嬢のコなど)と密なコミュニケーションをとって、性欲を発散できれば、それをいいセックスと呼んでいいのかなぁと考えます。

自分勝手なセックスは駄目ですね。自分勝手にするのがきもちいい場合もあるんだけど、それをやってしまうと関係性にヒビが入って、以降セックスをする機会が失われてしまうので、やっぱそれってよくないセックスだなと思います。

セックスとは自分にとって何なのか?
愛する妻とのセックスがなくなってしまった今の自分にとって、セックスとは【肉体を通したコミュニケーション】ですね。一方で、若い頃からずっと思っていた、『好きな女とするセックスが一番気きもちいい』という感覚が、心の奥にずっと残ってます。やっぱり好きな女とやりたいって心の底では思っているし、そういう感覚をいつまでも自分の中に残しておきたいです。


奥さんとセックスレスに陥った既婚男性の甘酸っぱさ溢れる心の叫び。最後のくだり、行間から「奥さんへの変わらぬ恋心」が感じ取れて、いい話を聞かせてもらったなと、僕は心打たれました。

【男性に聞いたセックス観4】いいセックスをしたら“空っぽ”になれる

次も同じく40代既婚者、Dさんの意見です。



セックスに何を求めているか?
「男であること」の再確認。自分は日常の意思決定の際に、「男だから」的な考えを持ち込むタイプじゃないので、セックスの時に「男であること」を確認しているところがあります。

いいセックスと、そうではないセックス
頭が空っぽになれたなら、それはいいセックス。感情のおもむくままにセックスしたい。ちなみに僕の「三大・頭空っぽ」は、バイク乗ってる時、子供と遊んでる時、セックスしてる時、の三つです。

セックスとは自分にとって何なのか?
楽しみのひとつ。相手の好意や興味を感じとる手段。


回答を読んでいて、物事に対してすごくシンプルに向き合っている人だなという印象です。ごちゃごちゃ考えがちな僕とは真逆な性格だから、読んでいてすごくためになりました。

【男性に聞いたセックス観5】セックスは性欲を満たすもの

次に紹介するのは40代の愛妻家Eさんの意見。



セックスに何を求めているか?
端的に「性欲を満たす」がメインです。他には「自分のオスとしての魅力の確認作業」みたいなとこもあるかもしれません。自分が「Hしたい」と思った子とヤレるかどうかという意味で。「意外とヤレた!」とか、「やっぱ無理すか……」とか。セックスがそれのゴールになってると言いますか。そういえば、僕は風俗にはまったく行かないので、セックスそのものよりは、それに至るまでの過程に価値を求めてる気がします。

いいセックスと、そうではないセックス
自分の性欲の高まりと相手のそれがいい具合にシンクロしてるなと感じられるセックスがいいセックスです。ここにズレが生じると、気持ちの温度差を感じてツライです。話がそれますが、相手の性欲量をスカウターみたいに計れる能力があったら便利ですよね。

セックスとは自分にとって何なのか?
正直に言うと「豪華なオナニー」という感じ。なので、自己評価は低いです。「相手を喜ばせたい」とか、そういった動機はほぼ持ってないですし、セックスの内容が少しでも好みとズレるとやる気がなくなっちゃうのです。身勝手なとこあります。


僕はこの男性の「変にカッコつけたりしないとこ」がすごくいいなと思いました。自分の考えていることを、ここまで素直にさらけ出してくれたのはありがたいです。人によってセックス観がここまで違うものなんだ、と気づきをもらいました。

【大島丈さんに聞いたセックス観】セックスの本質は愛のエネルギーを交換すること

ここからは意見者の実名を出して紹介していきます。まずは先輩男優の大島丈さんのセックス観から。



セックスに何を求めているか?
心のつながり。相手を深く知りたい欲望。

いいセックス、そうでないセックス
行為中に視線の交差で会話できるのがいいセックスだと思ってる。気持ちがそっぽ向いてるような、義理でするセックスは心がすり減りがちだからよくないね。

セックスとは自分にとって何なのか?
自分のその時の年齢によって意味合いが変化すると思う。50代の今の自分の意見をツイートしたことあるから紹介するね。

「セックスって、互いの性器はただの媒介にしかすぎず、本質は愛のエネルギー交歓(交換ではない)じゃなかろうかと、この年代になって思う。 若い頃は考えもしなかったことだけど。いい交歓ができた時は、事後に相手の表情が優しくなってるのがわかる。俺はその顔が見たくて腰を振り続けてると言っても過言ではない」


同じ職業に就いていて、僕とここまで意見が違うのかと非常に面白く感じました。僕の意見も大島さんの意見も、人間性が言葉に滲み出ているからすごく面白い。人それぞれセックスの意味合いがまったく違ってくるんだなと再確認できました。

価値観がそのまま反映されるんでしょうね。「刺激」に重きを置いて人生を歩んできた僕。「愛」に重きを置いて生きてきた大島丈さん。前述の一般男性5人の意見を見てみても、それぞれの価値観が言葉に反映されていた気がします。

【カンパニー松尾さんに聞いたセックス観】セックスはオスになれる瞬間

最後に希世のAV監督、カンパニー松尾さんのセックス観を。



セックスに何を求めているか?
気持ちいいー。

いいセックスと、そうではないセックス
そーいうことを何も考えないセックスがいいです。

セックスとは自分にとって何なのか?
オスになれる、無になれる瞬間。


シンプル・イズ・ベスト。人間性が言葉に出てますね。実に面白いです。僕にはないものを持っている人だから惹かれるんでしょうね、きっと。

■セックス観にはその人が重きを置くことが現れる

結論として、男性のセックス観に答えなどありませんでした。まさに人それぞれです。思うに、その人が生きてきた上で重きを置いてきたものが、セックス観に反映されているなと。

逆に言うと、人それぞれ価値観が異なるから、セックスというものは奥が深くて面白いのかなと。画一的なセックス観のもと、皆で同じような営みを行うことほどつまらないものはないと思うので。ズレがあるから面白い。

いろいろな人の中から自分のセックス観と近しい人を見つける作業も、セックスの醍醐味のひとつではないでしょうか。

「人生において自分が何に重きを置いているか」を掘り下げて考え、今一度認識し直すと、それがよりよいセックスの追及に役立つ材料になるかもしれません。

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セフレについてたくさん考えてみた

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黒田 悠斗

AV男優。1975年生まれ。大学を卒業後、つても何もなかったAV業界になんとか潜り込み、20年間一線で生き残り続ける。1999年にデビュー。男優業の他に監督業や執筆業なども。マッチョ系の見た目に反し、中身は文系人間。Webコ...

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