セックスで濡れない痛い! 理由と原因、すぐできる対策を紹介
人の体はとても繊細。年齢を重ねるにともない、思いどおりにならないことが増えていくもの。膣もまた同じです。愛する人とベッドインし、自分では気分も十分に高揚しているはずなのに、「濡れない!」という経験がある女性は多いはず。そこで今回、セックスのとき濡れない原因と対策について解説。おすすめの対策グッズとともにご紹介します。
セックスのとき濡れないのはおかしいこと?
そもそも「濡れる」とは、代表的な性反応のひとつです。
性反応とは、性感帯を愛撫されたり、性的な画像・映像を見たりしたときに体に起こる変化のことを指します。たとえば、心拍数の増加、発汗、皮膚の紅潮なども性反応です。
性器まわりでは、小陰唇やクリトリスに血流が流れてふくよかになり、腟粘膜から体液が分泌されます。この体液が十分に分泌され、男性の性器をむかえる準備ができた状態にあるとき、一般的に「濡れる」と表現されます。
腟粘膜から分泌される体液は、男性器を室内にスムーズに迎え入れ、性交による摩擦を軽減する機能があります。つまり、快適な性交を行うためには、膣が「濡れる」ことが条件となるわけです。
性的興奮が高まっているにもかかわらず膣が濡れない理由は多岐にわたります。まずは原因を理解することが大切です。本人・パートナーの意識改革や膣ケア、ふだん使用している石鹸や洗剤、服用している薬を見直すなど、膣や心の状態にあわせて適切に対応する必要があるのです。
セックスで濡れないことはおかしいことではありません
膣が濡れないのは、おかしな現象ではありません。その日のちょっとした体調や天気、精神状態などさまざまな原因によって、膣が濡れにくい状態が発生しますが、これは多くの人たちが経験されていることで、「自分だけ……」と悩む必要はないのです。
セックスのとき濡れない原因
膣の潤いは、大きく分けて2種類あります。ひとつは「膣本来の潤い」、もうひとつは「性的興奮による濡れ」です。それぞれの潤いが足りない状況にはどのような原因があるのでしょうか。解説していきます。
1.膣本来の潤いが不足しているケース
膣は加齢とともに濡れにくくなると言われています。加齢にともない、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下していくにしたがって、膣内が潤いにくくなっていくためです。
個人差はありますが、エストロゲンの分泌の低下は、早い人で30代後半から起こると言われています。
膣内の潤いが不足してしまうと、セックスの際に性交痛を感じたり、性交時出血の原因になってしまったりすることがあります。このことがセックスへの嫌悪感につながり、余計に濡れにくくなるという悪循環を生んでしまうケースもあるようです。
なお膣内の潤いが不足は、更年期だけでなく、年齢に関係なく出産後や授乳期、あるいは急激なダイエットを行った場合などをに起こることもあります。
2.性的興奮による濡れ不足しているケース
性的刺激を受け、性反応が起きると膣に潤いが生じます。スキーン腺(膣の上壁、尿道の下流末端のあたりにある分泌腺のこと)の開口部から体液が分泌されることで腟が潤い、男性器をスムーズに迎えるための準備が整います。
ところが、セックスを楽しめていない、慣れないシチュエーションで余裕がない場合など、性的興奮が十分でないと、スキーン腺から体液が分泌されません。なお、このスキーン腺からの分泌液も、加齢とともに低下すると言われています。
セックスそのものを楽しめていない
腟が濡れない原因として、女性がセックスを楽しめていないことが考えられます。たとえば、セックスにいたるまでのコミュニケーションが足りていなかったり、男性による前戯が不満足なものであったりした場合、十分な性反応が生じません。
具体的には、セックスをする際のムードに問題があるケースが考えられます。快適でない場所、好ましくない場所でセックスを行うなど、環境に起因する場合もあれば、パートナーとの会話がほとんどないままに行為に至るなど、コミュニケーション不足に起因する場合もあります。
また、事前の愛撫の時間が極端に短い場合など、性反応が起こるのに十分な性的興奮を得られないために、濡れない場合もあります。
パートナーとの相性に問題がある
濡れない原因として、パートナーとのセックスに満足できていない場合も考えられます。「満足できない」というとき、相手に対して性的な関心を持っていないケースもあれば、相手のテクニックに問題があるケースもあります。
「してほしいことをパートナーがしてくれない」「してくれることが自分には合っていない」など、相手との相性の悪さを感じている場合、相性が良い相手とのセックスするときほど濡れないことは十分に考えられます。
3.石けんや洗剤、飲用する薬によるアレルギーや副作用の影響
ふだん使っている石けんが体質に影響を与え、濡れない原因になっていることもあります。
また、衣類を洗う洗剤にアレルゲンが含まれている場合、それが下着やタオルに付着し、膣の乾燥を引き起こしているケースもあるようです。衛生用品や香水に含まれている化学物質が原因でアレルギー反応を起こしていることも。
ストレスによる影響
ストレスが原因で濡れないケースもあります。慌ただしい日々を過ごしていると、なかなかロマンチックな気分にはなれないもの。
「忙しくてセックスどころじゃない」と思っているとしたら、パートナーに迫られたとしてもなかなかその気にはなれないはず。また、心配事や悩み事が多い場合も同様です。心的なストレスが濡れない原因になっている可能性があります。
セックスで濡れないときの対策
セックスで濡れないとき、どんな対策が効果的なのでしょうか?
骨盤・下半身の血流改善や膣ケアが有効
濡れない原因が加齢にともなう膣周辺の血流の悪化にある場合、骨盤や下半身の血流を改善することで濡れやすくなることがあります。
骨盤の血流が悪くなると、膣の血流が影響を受ける傾向があります。骨盤を積極的に動かすようにすると血流が良くなり、膣の血流も改善されることが。膝掛けを用いるなど、日頃から下半身が冷えないように心がけるのもおすすめです。
また「膣ケア」も効果が期待できます。膣ケアとは、デリケートゾーン(骨盤底)のコリや緊張をほぐし、血流の滞りを改善することで、本来の潤いややわらかさ、温かさを取り戻すことを言います。
しばらくセックスしていない場合、膣周辺が固くなってしまうことがあります。そのため、いざセックスしようとすると、性交痛を感じてしまう場合も。日頃から膣ケアしておけば、そうした事態を回避することができます。潤滑油などを使用して膣に指を入れてマッサージすることで、久しぶりでも無理なくセックスすることにつながります。
性的興奮を起こすための工夫をしてみる
性的興奮による濡れが不足している場合の対策についてもまとめました。
心と体の調和をはかる
濡れない要因として、セックスを楽しめていないことが思い当たる方には、マインドフルネスや呼吸のエクササイズが有効です。
パートナーとベッドインしていても、気持ちがセックスからそれてしまうと性的に興奮できません。すると体は性反応を起こしにくくなり、膣が十分に濡れません。そんなときは、瞑想や呼吸のエクササイズを試してみてください。自分の体と「今」の瞬間に集中する習慣をつけることで、体と心が調和しやすくなります。すると、リラックスした状態を作りやすくなり、興奮しやすくなるはずです。
パートナーとのコミュニケーションを深める
セックス前のコミュニケーションや前戯が不十分だったり、パートナーとのセックスの内容に満足できないことが多かったりする場合、パートナーに相談をするのが良いでしょう。
「濡れる・濡れない」の問題の前に、そもそもセックスのクオリティが低いのであれば、ひとりで抱え込まずパートナーと向き合うことが必要になります。
互いに正直な気持ちをぶつけあうことで、より良い関係性が生まれ、充実したセックスを楽しめるようになるかもしれません。
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アダルトグッズを取り入れてみる
性的興奮を高めるうえで役立つのがアダルトグッズです。セックスするシチュエーションをかえてみるのもよいですが、アダルトグッズならより手軽にマンネリを解消してくれるはず。
最近はアイテムのバリエーションが豊富で、自分に合ったものが見つかりやすくなっています。拘束具でソフトSMを楽しんだり、ディルドを使って疑似的に寝取られプレイに挑戦したり…。
新しいアイテムをセックスに持ち込むことで、これまでやったことがないプレイに挑戦することで、互いに知らなかった性癖を引き出せるかもしれません。
アイテムを取り入れることで、可能なプレイの幅は驚くほど広がります。まだアダルトグッズを試したことがないという方はもちろん、バイブやローターくらいしか試したことがないという方も、ぜひいろんなアイテムにチャレンジしてみてください。
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石けんや洗剤を見直す
アレルギー体質の方は、石けんや洗剤が濡れない原因になっている可能性があります。ふだn使っている身の回りのものを見直してみることで、状況が改善するかもしれません。
洗浄力が高いものを使用している方は、ナチュラルな成分を配合した石けんや洗剤にかえてみるとよいでしょう。
ストレスを減らす
ストレスが原因で濡れない場合は、温泉に出かけたり、好きなものを食べたり、観たかった映画や読みたいと思っていた本をじっくり時間をかけて楽しんだりと、好きなことをして過ごしてみてください。
リラックスできる時間を設けることでストレスが発散されれば、体が本来の調子を取り戻すかもしれません。
また、そもそもセックスへ抵抗感があり、ストレスを感じる人もいます。相手のことを好きだという気持ちを持っていても、セックスをしたいかどうかはまた別の話。とくに家事や仕事で疲れていたり、嫌なことがあってそれどころじゃなかったりすれば、セックスを断るのもひとつのコミュニケーションです。あなた自身の心身を大切にしてくださいね。
セックスで濡れないときに試してみたいおすすめアイテム5選
性反応が足りないことが原因でセックスで濡れないとき、アダルトグッズを取り入れることで性的興奮が促され、性反応を起こすきっかけになるかもしれません。
初めてでも取り入れやすいナチュラルな潤滑ゼリーのほか、濡れないときに試してほしいおすすめのアダルトグッズをご紹介します。
※商品の価格に関しては、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど各ECサイト(2022年9月時点のもの)を参考に記載しております。
ボディシークレット ウェットナチュラル
3300円
「ボディシークレット ウェットナチュラル」は、ワンプッシュで使いやすい女性のためのデリケートゾーン専用潤滑ジェルです。天然由来成分を97%使用しており、ヒアルロン酸やコラーゲンといった保湿成分を配合しているため、自然な潤いが長時間持続します。
一本ずつ個装の使い切りタイプになっているのも特徴。手軽に使えてしかも衛生的です。いったん手に取り出す必要がなく、直接デリケートゾーンに塗布するので、自分でデリケートゾーンに触れることに抵抗がある方にもおすすめできます。
タンポンをイメージした設計になっており、初めてでも簡単に挿入することが可能です。また一つひとつがとても小さいので、携帯しやすいのもうれしいポイント。徹底した品質管理のもと製造されているので、安心して使用できます。
Lovelu(潤滑ゼリー)
780円
「Lovelu」は膣内の潤い不足に悩む女性のために開発された潤滑ゼリーです。ヒアルロン酸やコラーゲンと3種のセラミドを配合しており、高い保湿力が長く持続します。
「Lovelu」は水溶性の潤滑ゼリーローションなので、水やぬるま湯などで簡単に洗い流すことができるのが特徴です。合成香料や合成着色料、アルコール、パラベンなどは使用していないので、安心して利用することができます。
使い心地は滑らかで、初めての方でも使いやすいチューブタイプとなっています。ボディクリームなどのケア用品と変わらないデザインなので、ベッドの脇などにもさりげなく置いておけるのもうれしいポイント◎
ペペローション 360 ORGANIC
「ペペローション 360 ORGANIC」は、ラブローションの人気ブランド「ペペローション」シリーズのナチュラルタイプローションです。
潤滑成分と保湿成分の99.7%が植物由来なので、お肌に優しいのが特徴。敏感肌の方や、ナチュラル志向の方、初めてローションを使う方でも安心して使用することができます。
使い心地は、しっとり&なめらか。ベタベタするのが苦手な方にもおすすめです。
サガミ 99% 水 潤滑ゼリー
1820円
その名の通り、成分の99%が水分というシンプルかつ安心なつくりになっています。ホルモン剤や刺激のある化学成分を一切使用しておらず、肌への負担が少ないのもうれしいポイント◎
サラサラとしたテクスチャが特徴的で、乾いたあとでもべたつきにくいです。セックス中に衣服やベッドシーツを汚す心配も少ないでしょう。
初めて潤滑ゼリーを使うので、まずは無難なものを使いたい……と考えている人におすすめです。
ウェットトラストゴールド
「ハナミスイ」というブランドから発売されている「ウェットトラストゴールド」は、コラーゲンをたっぷり配合した水溶性ゼリーで、自然な潤いと使用感を与えてくれる潤滑ゼリー。性交痛を改善するだけでなく、デリケートゾーンのケアにも使える一石二鳥なアイテム。
チューブ型ではなく、小型の注射器型(使い切りタイプ)になっているので、旅先にもサッと持ち運べます。セックスのとき、デリケートゾーンのケアをしたいとき、旅先でのスキンシップをするときなど、幅広いシチュエーションで潤滑ゼリーを使いたい方におすすめです。
「濡れない」原因はさまざま。場合に応じた適切な対処を
一口に「セックスのとき濡れない」と言っても原因はさまざまです。まずは原因を明らかにして、適切に対応して無理なくセックスを楽しんでください。濡れない状態が続く、痛みを感じる場合などは、決して我慢せずに婦人科で相談してみるとよいでしょう。
※ こちらは2022年9月16日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。
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