間違いだらけの妊活習慣

間違いだらけの妊活習慣

最近「妊活」という言葉を頻繁にききますね。「妊娠可能年齢には限りがある」ということも度々言われるようになり、「ぼんやりしていては妊娠出来ない」「妊娠したければ積極的に活動しないと」と感じている人が多くなったことの現れなのでしょうか。女性にとっての妊活を、「いつかお母さんになるために今出来ること」と定義して、解説しましょう。


最近「妊活」という言葉を頻繁にききますね。「妊娠可能年齢には限りがある」ということも度々言われるようになり、「ぼんやりしていては妊娠出来ない」「妊娠したければ積極的に活動しないと」と感じている人が多くなったことの現れなのでしょうか。女性にとっての妊活を、「いつかお母さんになるために今出来ること」と定義して、解説しましょう。

妊娠できるため、そして自分と未来の赤ちゃんの健康のために必要なことは、自分が健康であること。定期的に健康診断を受けて、糖尿病や高血圧、甲状腺疾患などがないかチェックし、必要に応じて治療を受けましょう。そして子宮や卵巣が若々しく元気に働くためには、婦人科検診を受けること。通常の婦人科検診では子宮がんのチェックを受けますが、それだけでなく超音波検査やクラミジアなどの性感染症の検査を定期的に受けることは妊活の観点からもとても重要です。

次に、肥満や痩せ過ぎの人は標準体重に近づけることで排卵がちゃんと起こりやすくなります。基礎体温をつけたことがない人は2~3ヶ月でいいので一度つけてみましょう。洋食も和食もバランス良く食べる、適度な運動と出来るだけ規則正しい睡眠、過度なストレスは避ける、というのは妊活に限らずとも当たり前のことですね。

そして何と言っても赤ちゃんの病気を防ぐために、妊娠の2カ月以上前から葉酸のサプリメントを飲むこと。妊娠した場合、赤ちゃんのいろんな臓器が作られる妊娠12週頃までは飲み続けましょう。

また、先進国として非常に恥ずかしいことに風疹の流行が続いていて、妊娠中に風疹にかかった場合に起こる先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれたというニュースが続いています。そればかりか麻疹(はしか)も流行し始めました。これらの抗体を持っていない妊娠可能年齢の男女は非常に多いです。妊娠してからは予防接種が受けられず、おびえて暮らすしかありません。ワクチンを接種するか、抗体の検査を受けましょう。自治体によっては補助が出るところもあります。

妊活について調べると、出るわ出るわなのが「冷え対策」情報。以前「何でも冷えのせいにしていませんか?」という記事にも書きましたが、残念ながら冷えを直せば妊娠出来るという医学的な根拠はありません。「気は心」みたいなものです。「なんとなくよさそう」「これならすぐにできる」ため、冷え対策がブームになっているようですが、生殖医療の専門家はそのような情報を発信していません。ブームが自己増殖しているものと思われます。わらにもすがる思いで冷え対策をしている方がとても気の毒に感じられるので、たとえそれほど健康被害がなくても(貼るカイロで低温やけどになる人はたびたびみますが)眉唾情報を流すのはやめてほしいと思います。

そして、なんといっても妊活のためには、誰の子どもを産むかのパートナーを決め、子作りをはじめなくてはいけません。作り始めて「なかなかできないな」となって、不妊治療を始めることになった場合、まだ妊娠可能年齢でいるためには、できれば35歳くらいまでに作り始めると良いと思います。が、そこは努力でどうにかなるものではないので、それをすぎればもうだめということはありません。

いつか母親になりたい方、是非参考にしてみてください。

この記事のライター

産婦人科女医・性科学者。現役産婦人科医として、都内の病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

関連するキーワード


妊娠 性感染症

関連する投稿


新型出生前診断とは? メリットや問題点、他の診断との違いを知ろう

新型出生前診断とは? メリットや問題点、他の診断との違いを知ろう

新型出生前診断(NIPT)を通じてわかること、検査の方法、メリット、リスク、他の診断方法(羊水染色体検査や絨毛染色体検査など)との違いなどを山中智哉医師が解説します。


リスクもある高齢出産。でも、デメリットばかりじゃない

リスクもある高齢出産。でも、デメリットばかりじゃない

35歳以上で初めて出産することを高齢出産といいます。今では高齢出産は珍しくなくなりましたが、リスクがあることには変わりありません。二児の母で内科医の筆者からみた高齢出産のメリットと、心にとどめておきたいリスク(デメリット)を解説します。


妊娠しやすい体作りをしたいなら「標準体重」を目指そう【百木ゆう子 連載#6】

妊娠しやすい体作りをしたいなら「標準体重」を目指そう【百木ゆう子 連載#6】

妊娠しやすさと女性の体型・体重には密接な関係があります。妊娠しやすい体作りを目指すなら、太りすぎでも痩せすぎでもない、標準体型かつ標準体重。妊娠しやすい体作りの基本をまとめました。


超音波検査より詳しい「羊水染色体検査」でわかることは?検査方法、メリット、リスクも知って

超音波検査より詳しい「羊水染色体検査」でわかることは?検査方法、メリット、リスクも知って

羊水染色体検査を通じてわかること、検査の方法、メリット、リスクなどを山中智哉医師が解説します。さらに、1990年代以降行われるようになった、母体血清マーカーテストについても後半で説明します。


妊娠は「未病」!妊娠で起きる体の変化を知っている?

妊娠は「未病」!妊娠で起きる体の変化を知っている?

妊娠は病気のひとつ!? 『はじめてママになる人の「妊娠・出産」読本』著者のにしじまクリニック院長・西島重光医師が、妊娠に関する正しい情報や知識を全7回に渡って解説します。第3回目は「『妊娠』とはどういう状態なのか」についてお届けします。


最新の投稿


伊勢参りに行くなら、服装を「正装」にするのもおすすめ

伊勢参りに行くなら、服装を「正装」にするのもおすすめ

2016年に初めて伊勢参りをしてきました。服装は「正装」です。ジャケットに黒のワンピース、パンプスでお参りしたときの気持ちを振り返りつつ、鳥羽と合わせて巡った伊勢参りの旅レポ、そして、赤福の喫茶併設店舗で、夏季限定でいただける「赤福氷」の思い出もお届けします。


ボタニカルネイルの簡単なやり方【マニキュアでセルフネイル】

ボタニカルネイルの簡単なやり方【マニキュアでセルフネイル】

現在流行中の「ボタニカル柄」をネイルに落とし込んだボタニカルネイル。マニキュアを使って、トレンド感あふれるボタニカルネイルに仕上げるやり方やコツを、豊富な画像で詳しく紹介します。


「離婚後の姓」どうするか問題。弁護士に聞いてみた

「離婚後の姓」どうするか問題。弁護士に聞いてみた

離婚後に考えなくてはならないのは、姓をどうするかという問題。離婚後に元夫の姓を名乗り続けるか、子どもの姓はどうするか……。離婚後の姓を考えるにあたり、複雑に感じられる方も多いかもしれません。今回、離婚後の姓について、アディーレ法律事務所の弁護士に聞いてみました。


H&Mのノースリーブブラウスは超優秀インナー。4つのコーデで証明します

H&Mのノースリーブブラウスは超優秀インナー。4つのコーデで証明します

H&Mで1990円で買ったノースリーブブラウスは、何通りにも着回せる超優秀なインナーでした。新しいアイテムを招き入れるか悩んだときは、「3パターン以上のコーデが考えられるもの」を基準に選んでくださいね。


木村瞳さんがきれいのために夜していること

木村瞳さんがきれいのために夜していること

美容鍼灸サロンコスメティックミューズ代表/美容鍼灸師の木村瞳さん。きれいのために夜していることは何ですか?