テレビや雑誌でも「女性ホルモンを増やす」「女性ホルモンでキレイになる」というキーワードを見かけることが多くなりました。実際に、女性ホルモンをアップさせるやり方はあるのか、増えると身体にどういった影響があるのか……産婦人科女医で性科学者の宋 美玄(そん みひょん)先生に「ホルモン」についてのお話をお伺いしました。
間違いだらけの妊活習慣
妊活とは、いつかお母さんになるために今出来ること。妊活という言葉が流行っていますが、間違った情報が多く出回っています。やるからには正しい知識のもと、効果的な妊活をしたいですよね。今回は妊活について取り上げます。
最近「妊活」という言葉を頻繁にききますね。「妊娠可能年齢には限りがある」ということも度々言われるようになり、「ぼんやりしていては妊娠出来ない」「妊娠したければ積極的に活動しないと」と感じている人が多くなったことの現れなのでしょうか。女性にとっての妊活を、「いつかお母さんになるために今出来ること」と定義して、解説しましょう。
妊娠できるため、そして自分と未来の赤ちゃんの健康のために必要なことは、自分が健康であること。定期的に健康診断を受けて、糖尿病や高血圧、甲状腺疾患などがないかチェックし、必要に応じて治療を受けましょう。
そして子宮や卵巣が若々しく元気に働くためには、婦人科検診を受けること。通常の婦人科検診では子宮がんのチェックを受けますが、それだけでなく超音波検査やクラミジアなどの性感染症の検査を定期的に受けることは妊活の観点からもとても重要です。
次に、肥満や痩せ過ぎの人は標準体重に近づけることで排卵がちゃんと起こりやすくなります。基礎体温をつけたことがない人は2~3ヶ月でいいので一度つけてみましょう。洋食も和食もバランス良く食べる、適度な運動と出来るだけ規則正しい睡眠、過度なストレスは避ける、というのは妊活に限らずとも当たり前のことですね。
そして何と言っても赤ちゃんの病気を防ぐために、妊娠の2カ月以上前から葉酸のサプリメントを飲むこと。妊娠した場合、赤ちゃんのいろんな臓器が作られる妊娠12週頃までは飲み続けましょう。
また、先進国として非常に恥ずかしいことに風疹の流行が続いていて、妊娠中に風疹にかかった場合に起こる先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれたというニュースが続いています。そればかりか麻疹(はしか)も流行し始めました。これらの抗体を持っていない妊娠可能年齢の男女は非常に多いです。妊娠してからは予防接種が受けられず、おびえて暮らすしかありません。ワクチンを接種するか、抗体の検査を受けましょう。自治体によっては補助が出るところもあります。
妊活について調べると、出るわ出るわなのが「冷え対策」情報。以前「何でも冷えのせいにしていませんか?」という記事にも書きましたが、残念ながら冷えを直せば妊娠出来るという医学的な根拠はありません。「気は心」みたいなものです。
「なんとなくよさそう」「これならすぐにできる」ため、冷え対策がブームになっているようですが、生殖医療の専門家はそのような情報を発信していません。ブームが自己増殖しているものと思われます。わらにもすがる思いで冷え対策をしている方がとても気の毒に感じられるので、たとえそれほど健康被害がなくても(貼るカイロで低温やけどになる人はたびたびみますが)眉唾情報を流すのはやめてほしいと思います。
そして、なんといっても妊活のためには、誰の子どもを産むかのパートナーを決め、子作りをはじめなくてはいけません。作り始めて「なかなかできないな」となって、不妊治療を始めることになった場合、まだ妊娠可能年齢でいるためには、できれば35歳くらいまでに作り始めると良いと思います。が、そこは努力でどうにかなるものではないので、それをすぎればもうだめということはありません。
いつか母親になりたい方、是非参考にしてみてください。
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久しぶりの更新になってしまって大変申し訳ありません。書きたいことはわんさかあるんで、頑張って更新しますのでよろしくおつき合いください。今年も終わりに近づいてきましたね、みなさん。今年は子宮がん検診を受けられましたか?