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女性ホルモンをアップさせるという神話にご注意!

テレビや雑誌でも「女性ホルモンを増やす」「女性ホルモンでキレイになる」というキーワードを見かけることが多くなりました。実際に、女性ホルモンをアップさせるやり方はあるのか、増えると身体にどういった影響があるのか……産婦人科女医で性科学者の宋 美玄(そん みひょん)先生に「ホルモン」についてのお話をお伺いしました。

女性ホルモンをアップさせるという神話にご注意!

■「こうすればホルモンが増える」は迷信

女性誌などで読者が飛びつくタイトルの一つが「ホルモン力アップ!」「女性ホルモンでキレイになる」のような「ホルモンネタ」です。

確かに女性ホルモンの一種であるエストロゲンには肌のコラーゲンを増やして水分保持力をアップさせる、要はお肌をピチピチにする働きがあります。

しかし、多ければ多いほどいいというものではありませんし、「こうすれば増える!」というやり方や方法もありません。美しくなるという都合のよい働きだけでなく、乳がんの発症に関わるなど嬉しくない働きもあります。

■多ければいいわけではない「女性ホルモン」

女性ホルモンには大きくわけて「エストロゲン」と「プロゲステロン」があり、排卵のある女性なら、「エストロゲン」は月経と月経の中間にあたる排卵期と、月経前にあたる黄体期の2回、分泌のピークが訪れます。

「プロゲステロン」は黄体期にピークとなります。

月経前といえば、浮腫んだりイライラしたり、不調を訴える人が多い時期ですね。このことからも女性ホルモンが多ければ多いほど良いというわけではないことがわかりますね?

「女」をやって干支が3回り以上にもなるのですから、もうそろそろビジネス的な「ホルモンでキレイ!」みたいなものに飛びつくのはやめましょう。

本当にホルモンを美の味方にする方法は、奥が深いものなんですよ。

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前回の「恋愛をしていないとヒゲが生える?」をツイッターで告知した時に「恋愛やセックスで女性ホルモンなんて出ないのに、美容と結びつけて女性誌で煽りまくった結果、恋愛やセックスをしていない人を不安に陥れているのは罪です」と書いたら900以上もリツイートされて驚きました。そんなにみんな恋愛やセックスで女性ホルモンが分泌されると思っていたということでしょうか。

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宋 美玄

産婦人科女医・性科学者。現役産婦人科医として、都内の病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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