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「結婚できる確率4%」に異議あり!

どうして結婚だけがしあわせなの? 結婚イコールしあわせですか? みんな違っていい。人の数だけある価値を、こうした数字で論じることに違和感を感じます。

「結婚できる確率4%」に異議あり!

40歳から44歳の女性が結婚できる確率は約4%……できるできないと、するしないは違う。異議あり! という人もいるだろう。私は選んでひとりでいるのです、と。でも未婚と非婚の境は決められない。だって、昨日までひとりで生きて行こうと思っていたのに、いきなり恋におちることだってあるのだから。まさか自分が結婚するとは思わなかったという人はいくらでもいるし、私だってそのひとりだ。もちろん、その逆もある。何に価値を置くかは、生きていれば変わってしまう。



はっきりしているのは、結婚で幸せは量れないということ。婚姻届を出せば、毎朝シアワセが配給されるわけじゃない。結婚と幸せという答えの出ない「?」をふたつ並べて「=」で結んだら、ちょうど収まりが良かったってことなのかもしれない。「結婚=幸せ」は「?=?」。どっちの意味も考えなくていいよ、っていうピンクのお守りみたいなものだ。握りしめている私はきっと、大丈夫って。



私たちがまだ10代の頃に、女の子の夢は大事にしなくちゃいけない素敵なもの、っていう便利な常識を発明した人が、それに結婚をくっつけてブライダルビジネスに発展させた。おかげで、まともな女の子は幸せな結婚を夢見なくちゃいけなくなった。どうして結婚がしあわせなんですか?なんてきく子は可哀想な子。疑問を持つことさえ可愛げがないと言われるなんて、ほんとによく出来た神話だったと思う。「女の幸せ」って言葉があるけど、そんなに限定的なものなのか、私たちに割り当てられた幸せってやつは。確かに、限定品ほど行列ができるものだけど。



万人に当てはまるお手本なんてない。私たちはみんな違う。だけど、人生を肯定したくて生きていることは、きっと同じ。どんな形でも、自分にしか価値が決められないものを持ち寄って、他者と生きること。その豊かさとややこしさは、数字にはできないものだと思う。人の数だけある価値を、どうか臆せず言葉にできる世の中でありますように。

小島 慶子

タレント、エッセイスト。1972年生まれ。家族と暮らすオーストラリアと仕事のある日本を往復する生活。小説『わたしの神様』が文庫化。3人の働く女たち。人気者も、デキる女も、幸せママも、女であることすら、目指せば全部しんどくなる...

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