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ふたりの「結婚観」を言葉にすること【成功する結婚 #1】

奇跡的な出会い、そしてお付き合いを経て結婚することになったふたり。結婚式やハネムーンをプランニングする傍ら、パートナーシップについて話し合う機会を持つことができれば、結婚生活が始まってからもハッピーにやっていける確率が上がります。そうした機会を与えてくれるプレマリッジ・セミナーの内容を連載でお届けします。

ふたりの「結婚観」を言葉にすること【成功する結婚 #1】

プレマリッジ・セミナーとは?

前回の記事「ハッピーなパートナーシップを築いていくために、結婚する前にできること」では、夫と私が結婚前にプレマリッジ・セミナーを受けたことをご紹介しました。

「プレ・マリッジ」つまり「結婚前」に受けるこのセミナーは、他人であるふたりの人間が一緒になり、家庭を築いていくにあたって、事前に知っておいた方がよいことについて理解を深める目的で行われます。

夫と私にとっては、このセミナーを受けたことで、その後に始まる結婚生活の基盤がより強く、確かなものになったという手ごたえがありました。

今回から始まるこの「成功する結婚」シリーズ連載では、実際のプレマリッジ・セミナーに盛り込まれる内容について、ひとつずつご紹介していきます。

結婚がもたらす変化について、考えたことがありますか?

奇跡の出会いからお付き合いを経て、結婚するところまできた幸せなカップル。でもここでふたりが使っている「結婚」という言葉は同じ意味でしょうか。

「結婚する」ことが、ふたりの関係にどんな変化をもたらすのか想像したことはありますか?

プレマリッジ・セミナーでは、まずこのあたりのことを話し合っていきます。

「同棲と結婚は違う」ということを知る

現代では、結婚前から一緒に住み始めるカップルもたくさんいますが、同棲時代は仲良くやっていたのに、結婚したあとにうまくいかなくなるというケースもあります。

「結婚したら、急にお金の使い方について口うるさく言われるようになった」

「もう結婚したんだから、朝まで飲み歩くのはやめてほしいと言われてしまった」

「結婚するまではふたりで自由にやっていたのに、結婚した途端にお互いの家族が干渉してくるようになった」

「食事やお酒の頻度などを相手が管理してくるようになった」などなど……。

同棲と結婚の最も大きな違いは? という質問に「結婚すると責任が生まれる」と答える人もいるくらいです。

男女の役割意識がふたりの間に変化を起こす

このような変化について、「ただ結婚したというだけで、どうしてそんなに変わるの?」と思うかもしれません。

これには、ふたりが無意識のうちに持っている「妻として」「夫として」といった役割意識が大きく関係しています。

同棲時代はふたりとも働き、好きなようにやってきていても、妻という存在に「家にいてくれるお母さん像」を求めていた人は、子どもが生まれた途端に「仕事を辞めて」と言うかもしれません。

また、結婚前は「親との同居はしなくていいよ」と言っていたのに、結婚したら「やはり自分は長男でもあるのだし、(同居しないのは)親への責任を果たしていないような気がする」と言い出したらどうでしょうか。

そこまで極端ではなくても、日々の家事や育児、カップルが生活していくなかで生じるさまざまな「雑事」を、「これは男性がやること」「女性がやること」という意識でいるのか、それとも臨機応変に話し合ったり、できるほうがやればよい……と思っているのかによって、結婚後の生活が大きく違ってきます。

■お互いの結婚観について話し合う

「結婚ってこういうものだよね」という「結婚観」は、育ってきた家庭の「あり方」から受けた影響が大きいと思います。

成長の過程で特に意識していなくても、親の結婚生活を見て「こんな結婚生活を送りたい」と思えば、自分自身の結婚生活にそれをあてはめようとしても不思議ではありません。

もちろん逆のパターンもあります。亭主関白の父の顔色をいつも窺うように暮らしていた母を見て育っていたら、そんな結婚生活はイヤだ……と思うかもしれません。

また、身近な人たちの影響も侮れません。普段から親しくしている人たちが、結婚生活についてどのように語っているかによって、自分の結婚観が形作られていることもあります。

プレマリッジ・セミナーのメリットのひとつは、お互いの持つ「結婚観」を言葉にして共有する機会があること。

そして、もしふたりの結婚観に大きな相違がある場合、それに早めに気づくことができれば、対応策も一緒に考えられることです。

結婚について考えることは、離婚について考えることでもある

また、結婚について考えることは、離婚について考えることでもあります。

「結婚したら、石にかじりついてでもがんばって、円満にやっていくように努力するべきだ」と思う人と、「結婚しても、うまくいなかったら別れればよい。人生短いのだから我慢する必要はない」と思う人では、問題が起こったときに「じゃあ、もうやめよう」と思うまでの時間や過程がまるで違ってきます。

私と夫も、この点については結婚前にずいぶん話し合いました。

夫の両親は彼が12歳のときに離婚していて、子供として辛かった気持ちを覚えているものの、性格が違いすぎる両親が、喧嘩しながらずっと一緒にいるのも不健康だと思っていた部分もあり、「どうしてもうまくいかないのだったら離婚も選択肢ではあり得る」と言っていました。

「ただ、そうなるまでにはありとあらゆる手を尽くして、結婚生活をうまくいかせるためにがんばるけど」「結婚はコミットメントだから」と付け加えました。

結婚=コミットメント

あるダイエットジムのCMで有名になった「コミットする」という言葉は、もとは英語のCommit(動詞)、Commitment(名詞)という単語です。

いろいろな意味があるコミットメントですが、この場合は「強い約束」「誓約」。

結婚はコミットメントだというのは、「うまくやっていけるように、断固たる決意をもって臨む関係」という意味になります。

あなたのパートナーは、全身全霊をかけてあなたと向き合っているでしょうか? そして、その努力を何年にも渡って続けようという強い意志を持っているでしょうか?

私と夫は、大勢が見ている前で誓いの言葉を交わすような結婚式をする代わりに、出会いの場所でふたりだけのセレモニーをしました。

結婚16年目を迎える今でも、そのときの気持ちを持続させるべくいろいろな努力をしているのは、この関係は一時の「好き」「嫌い」という感情で続けたりやめたりするものではないと、お互いが思っているからです。

■夫婦のことは夫婦が決めればよい

誤解のないように補足すると、私は、すべてのカップルが「結婚はコミットメントだ」と思うべきだ、と言っているのではありません。

夫婦のことは当事者にしかわからないものだし、ふたりがよければそれが正解なのです。

この連載のタイトルは「成功する結婚」ですが、何をもって「成功」とするのか? は、カップルによって違うでしょう。

お互い「こういう風な気持ちで過ごせるなら、自分たちの結婚生活はうまくいっていると言えるよね」という部分で一致していることが大切です。

その意味で、プレマリッジ・セミナーは「これが正しい夫婦のあり方です」と伝える場ではなく、「どのようなルールであれ、お互いが納得して、どちらもそれなりにハッピーになれるように話し合うスキルを身につける」のに絶好の機会なのです。

次回は、結婚生活がうまくいくかどうかの分かれ目となる「コミュニケーション」をテーマにお届けします。

塚越 悦子

カップル&ファミリーコーチ。好きな人と結婚して、結婚した人を好きでいる方法を日夜研究中。 著書「国際結婚一年生」(主婦の友社)、訳書<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/prod...

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