離婚からの復縁はありえる? 復縁再婚のエピソード、復縁のためのポイントを紹介
関係がこじれて離婚に至った夫婦が、期間を置いてまた復縁し、再婚に至ることがあります。そんな「復縁再婚」は、いったいどのようなきっかけや経緯で実現するものなのでしょうか。経験者のエピソードや、復縁再婚を望むときに心掛けたいポイントを紹介します。
■離婚からの復縁はあり得る?
離婚経験者の多くが、「離婚は結婚よりも数倍の労力を要し、メンタルダメージが大きい」と言います。
そんな大きなダメージを負ってでも別れたいと決断した離婚なのに、その相手と復縁をしたというケース、皆さんの周りにもあるのでは?
そもそも結婚したいと思うほどお互いに惹かれ合う相手なんてそうそう出会えるわけもなく、それに気付いたのは離婚した後だった……という人は少なくないのかもしれません。会社が嫌で辞めて転職してみたけれど、離れてみたら辞めた会社の良さを痛感し、復職したくなってしまった……という感覚に似ている気がします。
この記事では、復縁再婚のエピソードや復縁を望む場合に心掛けたいポイント、復縁再婚を経験した人が思う「よかったこと」「大変だったこと」を紹介します。
■離婚した夫婦の復縁までの期間はどれくらい?
実際、離婚から復縁再婚したケースはどれくらいあるのでしょうか。
平成28年度の厚生省調べによると、同年度に結婚したカップルのうち「夫婦ともに再婚」のケースは9.7%と10組に1組です(※1)。
ただし、このうち何組が同じ相手と復縁再婚しているかは不明なため、復縁結婚の割合についての正確なデータはありません。
それでも、復縁再婚に至る事情は気になりますよね。まずは離婚からどれくらいの期間を経て再婚に至ったのか、経験者にこっそり聞いてみました。
期間は人それぞれですが、離婚から半年〜1年ほどを経て、お互いに過去を冷静に見つめ直したタイミングで復縁に至るケースが多いようです。ただ、たとえ同じ相手でも離婚後の女性はすぐに再婚はできず、民法上、一部の例外を除き100日以上期間が必要なことも覚えておきましょう(※2)。
■離婚した夫婦の復縁パターン
離婚したあとに復縁するケースでは、どちらからどのようにアプローチするのでしょうか。どんなきっかけや流れでまた付き合いが始まるのか。経験者の声から、離婚して復縁再婚した夫婦の復縁パターンを導き出してみました。
1.感情のコントロールを学び、復縁
復縁は絶対無理だと思っていましたが、それをきっかけに連絡を取り合うように。友達として付き合っていくうちに、なんとなくふたりで会うことが多くなりました。離婚しているのでまさか再婚はないと思っていましたが、今でも好きな気持ちは変わらないと伝えたら、彼も同じ気持ちでした。
それでもまた失敗する可能性があるので、1年間恋人として付き合い、お互いの気持ちが変わらなければ再婚しようと約束して、今年再婚しました。(37歳/女性)
2.ずるずると付き合いが途切れず復縁
一緒に暮らしていたし、付き合っていたのでお互いの性格は熟知してますし、長所も単所も理解しているので付き合いやすかったですね。離婚後はお互い新しいパートナーもいましたから恋愛相談もしたりして。
「そういうところは良くないと思ってたよ」や「もっと話さないと伝わらないよ」など、お互いの恋愛に対してアドバイスしたり。話しているとやっぱり気が合うなと懐かしく思う気持ちはあっても、お互い新しいパートナーもいるからと、それ以上の関係にはなりませんでした。
事態が動いたのは、彼がパートナーと別れたからです。私も新しいパートナーと上手くいかなくなって、気持ちが冷めてきていたんですね。彼が別れたと聞き、慰め半分の冗談で「あなたにはああいうタイプじゃなくて私みたいな気がちょっと強いタイプがいいのよ」と言ったら「じゃあ、もう一回付き合ってよ」と。それを聞いて、まだ彼のことが好きなんだと気付き、思わず「そうする」と答えていました。
当時のパートナーときちんと別れてから、彼と復縁。復縁して間もなく、私の妊娠が発覚。妊娠をきっかけに再婚して今はふたりで子育てを楽しんでいます。(40歳/女性)
3.子どもの結婚がきっかけで復縁
私自身は「もう恋愛や結婚はいいかな」という気持ちだったので、趣味のゴルフ仲間と遊んだり、旅行をしたりと気ままに暮らしていました。個人次事業主として自分の会社があったのも大きかったです。経済的に自立できているので生活に不安はありませんでした。
けれど、子どもがいると成人式や卒業式、子どもの誕生日など家族イベントがあるんですよね。その都度、家族4人で食事をする機会が増えて、子どものことで元夫と連絡を取ることが増えていくと、やっぱり長年パートナーを組んでいただけあって気が合うんです。
法律婚は面倒だから事実婚状態だったんですけれど、子どもが結婚することになったので思い切って再婚しました。ふたりの子どもは「今さら?」と笑っていましたがうれしいみたいですね。ただ、再婚しても別居婚です。子どもたちは「実家がふたつあるみたい」とそれも喜んでいますよ。(48歳/女性)
■復縁結婚を達成するための4つのポイント
離婚を決断するときは復縁を望まない方がほとんどでしょうが、別れてみて「やっぱり復縁したい」と気付くことは少なくありません。離婚から復縁したい場合、心掛けておきたいのはどんなことでしょうか。4つのポイントを紹介します。
1.もめない、ごねない、怒らない
「もう二度と関わりたくない」
そう決断させてしまうと復縁の可能性は0%どころかマイナスになります。一度離れてしまった心を取り戻すには時間が必要。そのためには感情的にならず、冷静さを保ちながら現状を受け容れ、もめずに別れたほうが、ふたりで過ごした時間が綺麗な思い出として残り、あなたへの印象も綺麗なままで残るでしょう。
2.追わない、すがらない、説得しない
紆余曲折があり、最終的に離婚を決断したカップルには相当な葛藤があったはず。だからこそ、離婚の決断をした相手に対し、追ったり、すがったりすればするほど相手はあなたから逃げたくなります。
また、同様に説得も厳禁。離婚という決断に至る過程であれば、説得の余地はあったかもしれません。けれど一度離婚を決意した相手を説得することは難しく、相手の決断を尊重したほうが復縁の可能性は残せます。
3.繋がりを断たない
事実、離婚した後も連絡を取り合う必要が生じます。子どもがいればなおさらですが、子どもがいなくても名義、宛先変更を忘れてしまったなど、確認したいことが出てきたり。実務的に連絡できる手段は残しておきましょう。
さらに、繋がりを断たずちょこちょこ連絡を取り合っていくうちに、友達、友達以上恋人未満からのパートナー……というように少しずつ関係が再度深まっていく可能性もなきにしもあらずです。
4.人として嫌われない
熟年離婚の場合、お互い恋愛意欲が低下している人も少なくありません。ふたりでのんびりお茶を飲みながら、ゆったりした時間を過ごせるパートナーを求めたいと考えた場合、異性としての魅力よりも「人としてどうか」という点が気になります。
だからこそ、離婚する際に、そして離婚をしてからも、「人としてどうなんだろう?」と相手に思わせるような発言や行動をしないようにしましょう。恋愛自体がとてもエネルギーを必要とする行為だからこそ、「もう傷付いたり疲れたくない」と、慣れ親しんだ昔のパートナーへと原点回帰したくなる人が今後増えていくのではないでしょうか。
■復縁再婚して良かったこと
復縁再婚をするとき、また同じ失敗をしてしまうのではないかと不安に思うこともあるかもしれません。でも、離婚→復縁という高いハードルを乗り越えたからこその良さもあります。「復縁再婚してよかったこと」について、経験者の声を紹介します。
離婚したことで本当に失いたくない相手に気付くことができた
恋愛感情が再燃した
お互い反省して思いやれるようになった
■復縁再婚して大変だったこと
逆に、復縁再婚するにあたって大変だったのはどんなことでしょうか。経験者のコメントを紹介します。
両親や子ども、友人などへの説明
同居スタイルの確立
まったくなかった
復縁再婚をしてよかったこともあれば、復縁ならではの大変さもあり、そのメリットデメリットを一言で語ることはできません。
一度別れた相手とやり直すというのは、お互いの悪いところを認め、自分を変える覚悟を持って新たな関係を構築していくことです。さらには、家族や友人への説明にストレスを感じることも。そこにはもちろん高いハードルがありますが、それを乗り越えた先には、ほかの誰でも代替できない唯一無二の絆が生まれるのかもしれません。
■復縁再婚した人から多く聞かれた言葉は
転職がキャリアプロセスのひとつとして当たり前な時代、結婚も永久ではなく離婚もひとつの選択肢です。離れてみたからこそ、失ってみたからこそわかる大切さや価値。それに気付いたら躊躇せず同じ相手と再度やり直すことも選択のひとつだと筆者は考えます。
今回取材した離婚して復縁再婚した方々から多く聞かれた意見、それは「またやり直せてよかった」ということ。もちろん、復縁し再びパートナーになることが必ずしも自分らしい生き方につながるとは限りません。
長い人生の中、たくさんの人と出会いますが、強く惹かれる人はほんの一握り。さらにその相手も同じく自分に惹かれるケースはさらに少なく、だからこそ互いに惹かれ合う相手は、たとえ別れることがあったとしても、また互いに引き寄せられてしまうのかもしれませんね。
※1 平成 28 年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」より
※2 女性は原則として「前婚の解消又は取消しの日」から100日経過後でなければ再婚ができないと「民法733条1項」で定められている。