■オーラルセックスはゆるやかな刺激から始める
次の過程はオーラルセックス。これもキスと同じく一合目からゆっくりと登っていくイメージです。はじめからいきなり口に性器を丸ごと含み、激しいフェラチオを繰り出してくるワビサビのない女性がたまにいますが、これは逆効果。男性側に「この激しいフェラに見合った硬さまで早く勃たせなきゃ!」という使命感が生じてしまい、気持ちよさを感じる余裕なんてなくなってしまいます。
そもそも男性の性器というのは、血液が集まってきてはじめて神経回路が目覚めます。血液が集まってない(つまり勃起してない)状態だとまだ神経が眠っているため、得られる快感の度合いが極端に低いのです。例えると、種を植えたばかりの植木鉢に水をたっぷりあげすぎてしまうと種は腐って死んでしまいます。種から芽が出てくるまでは少しずつ少しずつ水をあげて育てるように、快感神経が目覚めるまでは優しいタッチのゆるやかな刺激を与えてあげるようにしましょう。
力を抜いた柔らかい舌を鼠径部(そけいぶ)に這わせたり、玉の表面やペニスの先っぽをゆっくりとしたスピードで舐めたり、根元をハムハムしたり。はじめはなるだけ微弱な刺激を与えていきます。女性に付いているクリトリスもおそらく同じだと思うので、僕が伝えたいこと、わかってもらえるのではないでしょうか。
男性の性器は2種類の海綿体で構成されています。「尿道海綿体」と「陰茎海綿体」のふたつ。尿道海綿体はキノコのような形をしていて、キノコ傘の部分が亀頭にあたります。そしてキノコの茎の部分を、もうひとつの陰茎海綿体がロールケーキのように上側を半周くるりと包み込んでいるイメージです。刺激を感じやすいのはキノコの方、つまり尿道海綿体の方です。なので、亀頭の先っぽやペニスの裏スジ部分に刺激を与えるのが有効なのです。
はじめは、亀頭の先っぽ部分を舌先でペロペロしたり、亀頭の傘の部分を軽く口に含んで優しく吸ったり、力を抜いた舌で裏スジをゆっくりと上下に舐めあげたり。そうこうしていると、血が海綿体に集まってきて、快感神経が目覚めてきます。勃起の度合いが高まり硬くなると、今度は茎部分への手コキや、口に含んで上下に早く吸ったりする、「強めな刺激」が有効となってきます。
性器を口の中に含むような、強めな刺激のフェラチオをするときのコツは、上唇と下唇でひとつの柔らかいリングを作り、その唇のリングで亀頭全体をしぼりあげるイメージでやること。その際、吸引しながらできるとより高い快感を与えられます。唾液はなるだけ多く出ている方がベター。唇のリングで亀頭をしぼりあげつつ口内で舌を使い、同時進行で裏スジを舐めあげるとベストといえます。
■女性が主導権を握れる騎乗位のテクニック
最後に挿入中の動き方について。挿入中に女性が主導権を握れる一番の体位は騎乗位です。今回は騎乗位中の動きについて言及しましょう。
まずひとつめが「体を垂直に立てた状態で恥骨を相手のお腹にこすりつける動き」。わかりやすく書くと「グリグリと前後にスライドする動き」です。この動きを行うと女性は自らのクリトリスにも刺激を受けられますし、ペニスの先が子宮口まで届いて奥に強い刺激が発生するしで一石二鳥(ただし奥が苦手という人には向いてないやり方です)。男性側としては「亀頭のカリ部分全体」に刺激を受けることができて気持ちがいい。この刺激は手コキなどでは再現できません。女性器じゃないと醸し出せないハリケーンのような刺激。騎乗位特有の独特な刺激です。
もうひとつが「体をピタリと密着させて、尻のみを縦方向のベクトルで上下に振る動き」。この動きをやると、女性器の下のフチ部分を引っ掛ける形で、ペニスの裏スジ部分を強く刺激することができます。僕個人としては、どちらかというと、こちらの動きの方が好きですね。
他に騎乗位のテクニックとしては、「はじめは先っぽの亀頭部分だけを包み込んだ状態でゆっくりと出し入れ → 頃合いを見ていっきにズボッと根元まで飲み込んでしまう」という技もあります。根元まで挿れた後にゆっくりと上まで抜いて、またまた亀頭だけの刺激に戻ったり。それを何度も繰り返し行います。「根元まで挿れるタイミング」の主導権を女性側が握っていることが、男性側の興奮材料となるのです。女性に生殺与奪の権利を握られている感じがマゾからしてみるとたまりません。受け身男子を相手にするときに使えるテクニックといえます。
■女性がセックスに没頭する姿に興奮!
ここまで細かいことをつらつらと書いてきましたが、1番心がけてほしいことがひとつあります。男性側の1番の興奮材料は「女性が性欲にまかせてセックスに没頭している姿」であるということ。顔なんかグチャグチャでかまいません。だらしなくセックスにおぼれている女性の姿を見ると、男性は果てしなく興奮できます。あれこれ考えすぎず、セックスに没頭するのが一番効果的なテクニックかもしれません。
書いてきたものを全否定することになりますが、あまり論理的にならず、やりたいことをぶつけ合うのがいいセックスだと僕は思います。ここまで記してきた情報はあくまで参考程度に取り入れてもらえると。論理的に考えながら物事をおこなうと、どうしても冷静さが表に出てしまいます。セックスに重要なのは「熱量」。頭で考えすぎず、なるだけ本能で行いましょう。
※ この記事は2019年10月7日に公開されたものです。
AV男優。1975年生まれ。大学を卒業後、つても何もなかったAV業界になんとか潜り込み、20年間一線で生き残り続ける。1999年にデビュー。男優業の他に監督業や執筆業なども。マッチョ系の見た目に反し、中身は文系人間。Webコ...