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「私は正しい!」を手放せば、今より楽になれる? 【結婚は、本から学ぶ#4】

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読書を通じて愛と結婚について考える連載。第4回目は、小池龍之介さんの『恋愛成就寺』。仏教のお坊さんである小池さんが、恋愛に悩む女性から寄せられた相談にお答えするという形式の本です。自我に苦しめられる恋愛において、どうすればもっと楽に幸せになれるのかというヒントが書かれています。

「私は正しい!」を手放せば、今より楽になれる? 【結婚は、本から学ぶ#4】

恋愛の悩みに、仏教はどうこたえるのか?

数年前に『恋愛成就寺』を書店で見かけて思わず手にとってみたのは、帯に書かれていた「彼と結婚したいのか? 早く結婚したいのか?」という言葉に惹かれたからです。

私自身、婚活中の方からご相談を受ける立場で「好きな人と」「早く」結婚したいのに……と、非常に苦しい想いをしている女性と出会うことがありました。仏教の観点からみると、この問題はどのような考え方になるのだろう? と興味をもち、読んでみました。

本書は、恋愛に悩む女性からのご相談と、それに対する小池さんの回答がセットで1章となっています。

「彼の浮気が許せない」
「自分のほうがたくさん好きで苦しい」
「バツイチの彼との結婚に迷っている」
「彼との結婚を反対されている」

などなど、全部で18のお悩みと回答が掲載されています。

『恋愛成就寺』書籍情報

「彼にプロポーズしてほしい」

本書の第10章では「交際8カ月の彼とは、週末は家でまったりとすることが多く、倦怠期の夫婦みたいな落ち着きぶり。もうすぐ30歳ということもあり、そろそろ結婚したいと思っているが、プロポーズしてくれるような雰囲気がなく、どうればいいか?」という内容のお悩みがテーマになっています。

これに対する小池さんの第一声が

彼と結婚したいのか? 早く結婚したいのか? そこが明確でないと、相手をひそかに傷つけます

つまり、「〇〇歳までに結婚したい」というのは女性の脳内ストーリーであり、彼には関係のないことなのに、その自分のストーリーを理由に「どうしたらプロポーズしてもらえるか」と練るのは、相手を自分の物語の脇役としてキャスティングする行為だということ。

そして、現代人は男女ともに「かけがえのない自分」として尊重されたいという強烈な渇望があるので、パートナーから取り換えの利く道具のように扱われると自尊心を傷つけられるのです、と小池さんは指摘しています。

男性の側からみて、どうして彼女は自分のことを良いと思ってくれるのか、という部分が伝わってこないと「別に自分でなくてもいいんでしょう、早く結婚できるのなら……」と思われてしまうのですね。

自分のプライドに気づき、それを捨てる

次に、彼側の事情を考えてみると、結婚に乗り気でない理由は

・「仕事が忙しい」など、結婚そのものが時期ではない
・「他の人にとられたくないから結婚しよう」と思うほど、彼女に執着していない
・あるいは、コミュニケーションが不足していて、彼女の気持ちにまるで気づいていない

といくつか考えられる理由を挙げた上で、現代は「男からプロポーズしなければ」ということもないのですから、したいと思っている方がプロポーズしたらどうですか、と提案しています。

そして、実は彼女の方からプロポーズをすることを躊躇するのは「そもそも彼は結婚に興味がない」、あるいは「自分と結婚する気がないだけ」など、彼女にとっては好ましくない事実がわかってしまうのが怖いからだ、とも。

小池さんは続けて、プライドが高いために、本当は彼がそこまで(結婚しようと思うほどには)自分を好きでないと知るのが怖くて行動ができないのだとしたら、それに気づいて、手放すことができれば、次の一歩が踏み出せますよ、とアドバイスをしています。


この点は、私も完全に同じ意見です。
結婚したいのは自分だけど、プロポーズは相手からしてもらわないと……という気持ちが生まれるのは、そうすることで「より愛されていると感じたいから」かもしれません。本当は好きな相手と結婚することを望んでいるはずなのに、自分の欲を満たす形にこだわるために行動できないということでもあります。

仏教の考え方は「執着しないこと」

本書で繰り返し出てくるテーマは、「執着していることに気づき、手放す」というものです。

仏教の基本的な考え方は、この世は煩悩(欲望や執着)に満ちた苦しいものだけれど、それらを手放すことで楽になれるというものです。恋愛や結婚という「自我が炸裂するような場」でも、執着を手放すことで、気持ちが楽になり、自分の不完全さを受け入れられるのです。

本気で他人を好きになり、自分の希望に沿うような関係を築きたいと思うとき、どうしても自分の嫌な面に向き合うことになります。相手も別の考え方を持ったひとりの人間ですから、すべて思い通りになるということはあり得ません。

関係がうまくいかず、別れてしまっても、あとから「やはり自分は正しかった。ひどいのは相手だ」と心の中で反復することがありますが、これも自分の正しさに執着していることになります。

結婚した後も、夫婦喧嘩を上手くおさめることができないカップルというのは、あくまで自分が正しい! とお互いに主張しつづけてしまうものです。

「私は正しい」ということにお互いが執着していては、ふたりの間に親密さは生まれません。

「自分が正しい!」ということを手放し「これは相手との愛を育むために役に立つ考え方(言葉)かどうか」という視点を持つ方が、欲しいものを手に入れる近道となるはず。


本書には、「仏教的恋の痛手の治し方」というアドバイスも書かれています。身を焦がす恋愛に疲れて果てていたり、パートナーのいろいろなことが許せないという人はぜひご一読をお薦めします。

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塚越 悦子

カップル&ファミリーコーチ。好きな人と結婚して、結婚した人を好きでいる方法を日夜研究中。 著書「国際結婚一年生」(主婦の友社)、訳書<a href="https://www.amazon.co.jp/gp/prod...

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