100軒以上通ってわかった「エステサロンの選び方」【NEO花嫁の結婚式奮闘記#11】
ようやく結婚式場が決まった後に取りかかったエステサロン探し。初回料金で複数のエステをハシゴすべきか、ブライダルエステにコース通いすべきか、いざ花嫁になると悩むものです。理想とする結婚式の叶え方を模索する連載「NEO花嫁の結婚式奮闘記」#11をお届けします。
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■式場探しの次はエステサロン探し
彼にドン引きされるほどの強硬交渉を式場の担当者と続けた結果、持ち込み料なしで挙式できることになり、私たちはその場で契約をした。これにて会場選びは一件落着。
会場が決まっても、式場とのやりとりが発生するのは、だいたい3カ月前なので、それまでの期間を活用すべく「ブライダルエステ」を検討することにした。
プロポーズ前からジム通いや糖質制限などを勝手に開始していた私は、「何が何でもプヨッとした二の腕を披露するわけにはいかない」と気合いを入れていた。
二の腕がプヨついていようものなら、いつかおばあちゃんになって孫に写真を見せるときに、「ああ……二の腕が……」と顔を覆うことになるかもしれない。
結婚式当日でさえゲストから、「必死で結婚式準備していたみたいだけど、二の腕は間に合わなかったんだな。口ほどにもない」と思われるに違いない(考えすぎかもしれないけれど)。あるいは、心優しい人に「まあ、二の腕は落ちにくいから……」といらぬフォローをさせてしまうかもしれない。
プロポーズ前からダイエットを始めたのは「結婚式直前にブライダルエステで何十万も払うなんてバカバカしい。私は計画的にダイエットして節約上手になるのだ」という高慢な考えによるものだったが、落ちにくい二の腕と太ももにはまだ課題が残っていた。
太ももはドレスに隠れるからいいとしても、二の腕は目立つ。とくに写真とは恐ろしく、肉眼で見るよりもふくよかに写る。
自分が写った写真を見るたびに「このふくふくとした縁起の良さそうな人物は私か?」と首を傾げてしまう。結果的に「やはりエステに頼ろう。他力本願上等だ」と手のひらを返し、エステにお金をつぎ込むことにした。
とはいえ、コース通いはしないつもりだった。クーポンサイトを駆使し、初回格安料金をハシゴすることでエステ料金をケチろうと思ったのだ。
学生時代から月1のエステを欠かさなかった私はゆうに100軒以上ハシゴしているが、コース通いしたことは一度もない。エステのコースとなると10万円超えは当たり前なので覚悟と気合いが必要だし、相当惚れこまないと初回格安料金を捨ててまでコース通いする意味を感じないからだ。
ところが、ついに一目惚れをした。エステサロンにではなく、エステシャンに。
■エステは「人」で選ぶべし
エステでは脅迫的勧誘が多く、「あー肩が凝ってますね」「わー足が冷たいですねえ」などと言われるのが当たり前。最初は「そうなんですよお」と調子を合わせていた私も100回以上言われ続けると「じゃなきゃエステ来んわ」と心中で悪態をつきつつ、「そうすね」と返すだけになっていた。
ところが、彼女は一切勧誘しなかった。カウンセリングで最初にされた質問は「萩原さんはエステに継続的に通いたいですか?」だった。そこでイエスと言わない人にはコースの説明をしないのだ。
びっくりして顔を上げると、彼女は菩薩のような穏やかな表情でじっとこちらを見つめていた。さらに、私の体を見るなりむくみやすい箇所や体質をすらすらと言い当てた。
その間、営業スマイル一切なし。静謐な湖のような澄んだ瞳と限りなく自然体な表情を見て、「この人なら」と心を決めた。今まで通った100軒のサロンで一度も出会ったことがないタイプのエステシャンだった。
エステサロンにはさまざまな特徴があるが、通うとなると一番大事なのは「人」だ。エステシャンは自分の体というコンプレックスに手で触れる人。一番デリケートな部分を見せる人は、やさしく寄り添ってくれる人がいい。
「ここがダメです」と脅迫する人や「これもやらないと足りません」と勧誘してくる人では、心も体も休まらない。とくに結婚式前はナーバスになりやすく、忙しい毎日にめまいがする。固くなった心もふんわり癒してくれる人かどうか、しっかり見極めてから契約することをおすすめする。
私は彼女を心から信頼して、30万円弱のコース契約をした。初めてのコース契約。初めての(エステシャン)一目惚れ。しかし、運命のエステシャンとたった3カ月でお別れすることになるとは夢にも思わなかった。
(第12話につづく)