セックス中に言い訳する男は出世しない【AV男優しみけん】
AV男優しみけんさんによる本『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』の刊行を記念して、しみけんさんをインタビュー。前編に続き、後編ではコンドームを着ける・着けない問題を中心に伺いました。「女性もコンドームを携帯しよう」としみけんさんが勧める理由は――。
すべてのセックスには理由がある――そう話すのは、トップAV男優のしみけんさん。5月に上梓した『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』では、快感を覚えるセックスはもちろん、幸せになり、満たされるセックスを楽しむ方法や考え方を余すことなく綴っています。
先日公開したインタビュー「セックスは体じゃなく、心ですると満たされ続ける」に続き、後編では女性によくあるセックスのトラウマ、そして「男性に要望しづらい」と感じている女性も少なくない、「コンドーム問題」についても伺いました。
■クルマの好みや運転は、相手のセックスを探るヒントになる
――昨今ときどき話題に上る「セカンドバージン」について伺います。しばらくパートナーが不在だったり、恋愛から離れていたりして、セックスをしていない時期が長くなればなるほど、セックスへのハードルが高くなると思います。しみけんさんとしては、「したいけどできない」という状態からはどう脱していけば良いと思いますか?
「したいけどできない」の理由に、過去のセックスのトラウマが関係しているなら、本当にもったいないと思います。そういう人は、素敵なパートナーと出会ってほしいですね。
「この人で本当にいいのかな?」という不安があるなら、とにかくたくさん話をして、相手を見ること。また、この人のこと好きかもと思ったら、相手のクルマの運転を見ることをおすすめします。
クルマの好みや運転はセックスに反映されるケースが多いんですよ。安心できる男性を求めるなら、燃費のいい国産車を安全に運転してくれる彼を探してほしいです。
■セックスのトラウマがあるなら、新しいパートナーに打ち明けて
――セックスに苦手意識がある女性の場合、それを相手に打ち明けるかどうかも、ひとつの悩みどころかなあと思います。男性としては、そういう話を先に打ち明けられて、「重いな」と感じないのでしょうか?
できることなら、セックスをする前に打ち明けた方がいいと思います。勇気がいることかもしれませんが、その後ふたりの関係性がどうなったとしても、セックスする前に相手の器の大きさを知れて良かった、と捉えればいいんです。
その後のセックスについて言うと、絶対に無理はしないでください。焦ってもいけません。一気に解決しようとしないでください。自分がつらい状態になってしまいますから。
自分を大事にしつつも、可能な範囲でトライし、終わったらきちんと振り返る。1回してみてうまくいかないなら、また考えて……を繰り返せば、トラウマも超えられるし、ふたりの絆も深まると思いますよ。
――トラウマと言わないにしても、あえぎ声など具体的な行為について、「自分はおかしいかも」という不安を抱えている女性の場合は?
心が裸になれてない自分と向き合うことから始めてください。男が女性のあえぎ声など“リアクション”に対しておかしいと思うことって、皆無ですから。
もし過去に男性から何か指摘されたことがあったら、それは男性側の経験不足を、あなたのせいにしただけ。気にせず声を出してセックスに臨んでほしいです。
それでも恥ずかしさを感じるなら、ひとつおすすめの方法があります。それは第一声、第一アクションこそ意識して行うこと。テレビ出演したときに知ったんですが、スタート後の第一声で「よろしくお願いします!」と大きな声を出すと、緊張が勝手にほぐれていきます。
セックスのときも同じで、最初の第一声とかファーストアクションを、あえてはっきり行うことで、「あ、なんか私いけるかも」って思えるかもしれません。
■「コンドームを携帯する女性=ビッチ」とジャッジするような男はろくでもない
――本書では、清潔第一として、しみけん流・常時携帯アイテムが多数紹介されています。コンドームや歯ブラシ舌ブラシ、ウエットティッシュにヘアゴムなど、なんて完璧な持ち物なんだ……と感心しました。このアイテムのうち、女性側も準備しておいた方が良いものを教えてください。
絶対に女性にも準備してほしいものは、コンドームです!
――コンドームですか!? 女性がサッとコンドームを出すと、男性に「いろいろな男とセックスしているのかな」「経験人数が多そう」「慣れている」といった印象を持たれてしまいそう……と不安に思う女性もけっこういるようです。
そう思うくらいの男はクズですから、気にするのが間違いです! よくセックスの際、「コンドームがなかったから、着けずにしました」と言う女性がいますが、その責任の半分は女性側にもあると思います。
「相手がしてくれる」「相手が持っていてくれる」という期待があるから、不安になるし、どうしても相手任せになる。コンドームにしてもピルにしても、自発的に避妊対策をすることに、周りの目を感じる方もいると思いますが、他人の目を気にして生きるのって、窮屈で面白くない人生じゃないかな? って思うんです。
――でも実際、着けるのと着けないのでは、全然感覚が違うものなんですよね? よく「つけるとイケない」と発言する男性もいますし、そういう前情報が女性を遠慮がちにさせている側面もあると思うのですが。
コンドームをするのとしないのとでは、感覚は全然違います。同じ15歳だけど、身分は中3と高1くらい違う、みたいなね(笑)。でも、だからといって「着けるとイケない」なんて、セックス前から言い訳する男は、きっと私生活でも言い訳ばかりが先に立つ、出世しない男ですよ。そんな男は捨ててOKだと女性側が思う強さを持ちましょう。
理想はセックスの際、男性が何も言わず、ごくあたりまえにコンドームを装着してくれる状況。でも、そもそもセックスが始まり、相手が着けてくれない人だったということは、着けてくれない相手を選んだ自分が、その程度の人間だった、ということでもある。
世の中、似た者同士がつるむようにできています。ハイクラスはハイクラスで固まるし、クズはクズ同士仲良くなる。厳しいことを言っているように聞こえる人もいるかもしれませんが、セックス相手はある意味で、自分の人間的ながんばりや自立を映し出す鏡といえます。
■自己中心的でだらしない人間は、セックスも独りよがり
――相手のひどさは自分を映し出している。とても耳が痛いですが、本書は細部にまでしみけん流セックスのこだわりが書かれています。中でもコンドームには熱い想いを感じます。昔からコンドームに対しては、このような考えを持っていたのでしょうか?
20代の頃に女性関係でモメたことが、今のような考えを持つきっかけになりました。そのとき、「僕はなんて自己中心的に生きていたんだ」と心底反省して、それを機にコンドームなど、できることから自己中心的なふるまいや考え方を手放そうと決めました。
セックスという側面から語りますが、人間って一つだらしないところがあると、他も概ねだらしないものです。自己中心的でだらしなく生きる人は、当然セックスもだらしなくて自己中心的。それに気づいてから、特にコンドーム問題はこだわるようになりました。
悩みの種類はそれぞれですが、その根底には自己保身や相手への期待が隠れています。『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』では、実用面と心理面、男女どちらも役立つノウハウが書かれています。
「セックスには人生が集約されている」――しみけんさんはそう語りますが、カップルふたりで手に取れば、人生をもう一歩進ませるヒントを見つけられるかもしれません。
(完)
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しみけんさんプロフィール
AV男優。1979年9月1日、千葉県生まれ。2017年現在、男優歴19年、経験人数9000人、年間約500本の作品に出演する、正真正銘のトップ男優。他を圧倒する知識と経験で、女優からの信頼も厚い。クイズ好きとしても知られており、「地下クイズ王決定戦!!」(BSスカパー「BAZOOKA!!!」)では2連覇を達成。著書に『AV男優しみけん 光輝くクズでありたい』(扶桑社)など。BSスカパー!オリジナル連続ドラマ「マグマイザー」(水曜・後9時10分、全5回)に出演中。Twitter(@avshimiken)
『SHIMIKEN's BEST SEX 最高のセックス集中講義』書籍情報
Text/おおしまりえ
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