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はあちゅうさん×一徹さん対談・前編 「大人になっても『コンドーム着けて』と言いづらいのはどうしてだろう?」

近年、性やセックスに関する話題はオープンになりつつあるとはいえ、それでもまだ「タブー」な印象は拭えません。身体やセックスの悩みを誰にも相談できずにいる女性も多いです。作家・ブロガーのはあちゅうさん×女性向けAVメーカーSILK LABOに出演しているイケメン男優、一徹さんの性やセックスをテーマにした対談をお届けします。

はあちゅうさん×一徹さん対談・前編 「大人になっても『コンドーム着けて』と言いづらいのはどうしてだろう?」

近年、女性向けAVが花盛り。性やセックスに関する話題はオープンになりつつあるとはいっても、それでもまだ「タブー」な印象は拭えません。大人になってからも、身体やセックスの悩みを誰にも相談できずにいる女性も多いです。今回は、著書に『半径5メートルの野望』などがある作家・ブロガーのはあちゅうさんと、女性向けAVメーカーSILK LABOに出演しているイケメン男優、通称エロメンの一徹さんに、性やセックスをテーマに対談していただきました。

セックスには手本がないからAVに感化されてしまう

はあちゅうさん(以下、は):女性向けAVを見る方はどれくらいの年代の方が多いんですか?

一徹(以下、い):基本的には30代〜40代の方がメインです。今、トークイベントも月2回やっているんですが、最近では10代や20代のお客さんも来てくれますね。

:一徹さんってシルクラボの専属のエロメンさんですよね。男性向けAVの男優さんと女性向けAVの男優さんはどう違うんですか?

:男優は女優さんと違って、現場を1日に何件も掛け持ちするんですね。毎日2〜3現場こなすのは普通。僕は専属なので、撮影自体は月に1回で、それ以外はイベントやメディアでの宣伝活動が中心です。

:すごい! トップAV女優さんみたいですね。

:そう言われるとこそばゆいですね(笑)。

:ずっと気になっていたんですが、男性は(男性向け)AVを見て、感化されるものなんでしょうか?

:最初はそうだと思いますね。セックスってお手本がないので、どうしたらいいかわからなくて、はじめはそうなってしまうと思います。でも、女性と肌を重ねる経験を積むにつれて、「そうじゃないな」と気づき、自然と軌道修正していくんだと思います。

:一徹さんのご経験の中で「これは間違っていたな」と思うことはありますか?

:たとえば、女性器に激しい愛撫をしても、女性は気持ちいいと感じていないことでしょうか。昨今はAVのトレンドがまた変わってきていますが、昔は男性の存在が邪魔だから(男性の姿を)見せないでくれと言われていたんですよ。男優は声も出さないし、女優さんの背後からおっぱいをいきなり無言で揉んだり、キスもできるだけ顔が映らないよう、舌を伸ばしたり。愛撫だってできるだけ映らないように腕を伸ばしてやるんですよ。でも、実際のエッチでそんなことされたら嫌じゃないですか。そういうのではなく、彼女の目を見て抱きしめて、好きという感情を出してあげる方が女性は気持ちいい。そのあたりは男性向けAVが男性に与えた弊害って大きいと思います。

:一方で女性の中には、セックスでイカないと男性を満足させていないのではないかと、不安に感じる人が多いと思います。

:お手紙でそのような悩み相談を受けることはありますね……。はあちゅうさんはどうですか?

:私自身はイクという感覚が、雑誌に書いてあるものと自分が体感するものと違うと思ったので、あまりこだわりを持っていません。でも、未だに女性誌ではイク・イカない論争が繰り返されているので、自分がイカないと(男性が)満足できないと思っている女性は多い気がするんですよね。

:僕は、その類の悩み相談を受けた際は、イク=物理的快感なら、自分でも実現できますよと言っています。

:女性の感覚としては、女性が一人でしていると、自分は性に過剰な興味を持っているのではないかといった罪悪感をおぼえてしまう気がします。男性は女性が一人エッチしていると知るとどう感じますか?

:僕は平気だけど、わざわざ言う必要はないんじゃないかなと。「一人エッチしてるの?」と聞かれても、「どうかなぁ」と濁していいと思います。

男性は女性の下着そのものに興味がない

:身近には、性に対して消極的な方がいいのかな、と悩む友人もいます。性に関するアンケートなどを見ていても、女性がいわゆる勝負下着を着けていると引くと答える男性の声もあって。脱がしてみたら、いかにも「ヤルぞ!」という下着だったら、そのヤル気満々具合を見て、男性としては萎えてしまう、といったことが書いてあって……。そのあたり、一徹さんの肌感覚としてはどうですか?

:僕はそんなに気にならないですよ。本当に申し訳ない気持ちなんですけど、下着を一生懸命選んできてくれても、むしろ下着の中が見たいので、下着には正直あまり目が行かない……。「ちゃんと見てよ」って怒られるタイプです(笑)。はあちゅうさんは勝負下着を着けていて男性から引かれたこと、あります?

:私はないです。多分、3日間同じ下着を着けていたとしても相手は気づかないと思います。

:うん、気づかない(笑)。

:ただ、上下バラバラだったときは「バラバラだね」とは言われました。

:僕、それ好きです。

:好みが分かれるところですね(笑)。どんな下着なのか、素材が何なのか、種類まではわからないけど、上下が合っているかどうかは見ているという。

:一応、見てはいるんですよ。たとえば、男性器も標準サイズが11cmくらいらしいんですけど、11cmと12cmのモノがあったとして、その差は気になります?

:わからないです。それに、びっくりするようなモノを見たことがないので……。

:大多数はその程度ですよ。上下をセクシーな下着で揃えて気を遣っていた相手が、だんだん親しくなるにつれて、毛玉のついた下着を着けてきたり、ロゴのマークが洗濯で薄くなっていたりすると、「あ、俺に心を許してくれたんだな」と、距離感が縮まったみたいでうれしいですけどね。

高校生じゃないのに「ゴムを着けて」と言いづらい

:他に、男性と女性の間にある、セックスに関する弊害や思い込みってあります?

:たとえば、アナルセックスのような、アブノーマルなプレイをノーマルだと思っている人もいますよね。AVでやるような行為を自分たちもやるものだと思っている人も多いです。

:今、男性向けのAVって、デビュー作品でも必ず3Pや電マ責め、オナニーシーンがあるんですよ。全シーン1対1だと刺激が足りないというユーザーの声を参考にして、そういうバリエーションをつけて、監督が指示しているんですが、女性向けAVにはそのようなプレイはないですからね。むしろ、なぜセックスに至ったのかというプロセスを描いて、二人が結ばれるという作品が一般的です。男性向けAVはいきなりピンクローターが出てきますからね。意味わからないじゃないですか(笑)。

:女性向けAVはドラマ部分が長いということですね。

:男性はプロセスはいらないので、早くエッチしているところを見たいんですよ。

:あと、コンドームを着けない方が気持ちいいと思っている男性が多い。女性ももう高校生でもないのに「生はやめて。ゴムを着けて」と言いづらい空気があると思います。

:エッチって生でした方が気持ちいいとは思うんですが、性感染症や妊娠のリスクを差し引いたら、ゴムを着けた方が精神的な安心感があって、快感を得られやすいと思います。

:男性がぱっとゴムを着けてくれたら楽なんですけどね。

:でも、女性もそこはちゃんと言わないと。生でしたときのリスクをネットなどで調べて知っておいた方がいいです。


>>後編に続く

構成=姫野ケイ

はあちゅうさん
ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる傍ら、レストラン、手帳、イベントをプロデュースするなど、幅広く活動。2009年電通入社後、中部支社勤務を経て、クリエーティブ局コピーライターに。2011年12月に転職し、トレンダーズで美容サービス、動画サービスに関わる。2014年9月からフリーで活動中。2015年4月から日テレ「スッキリ!!」火曜レギュラーコメンテーターに。
月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」、オンラインサロン「ちゅうもえサロン」「ちゅうつねサロン」などを運営。著者に『自分の強みをつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)『半径5メートルの野望』(講談社)など。雑誌、オンラインメディアなどでの連載多数。催眠術師資格を保有する。

ブログ:http://lineblog.me/ha_chu/
Twitter:@ha_chu

一徹さん
業界初のメーカー専属AV男優として、女性向けAVメーカー「SILKLABO」で活動中。人気エロメンとして、TV・ラジオ・雑誌・イベント等出演中。

ブログ:http://blog.livedoor.jp/silk_ittetsu/
Twitter:@ittetsu_silk

DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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