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森林 原人さん×はあちゅうさん対談・前編「セックスだけ“外”で済ませてうまくいく夫婦もいる」

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森林 原人(もりばやし げんじん)さんとはあちゅうさんの対談。男女にとって普遍的なお悩みのテーマともいえるセックス。それひとつで人は不幸になることも、幸せになることも。8000人の女性とセックスをしてきた人気AV男優・森林原人さんをゲストに迎え、セックスで幸福になるためのヒントについて哲学的観点で語っていただきました。

森林 原人さん×はあちゅうさん対談・前編「セックスだけ“外”で済ませてうまくいく夫婦もいる」

■森林 原人さん曰く、性欲の正体は「孤独の克服」

はあちゅう(以下、は):森林さんの『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』、読ませていただきました。肉体と精神のつながりについて、すごく考えさせられる本でした。

森林原人(以下、森):ありがとうございます。基本的にはセックスって、言葉では語り尽くせないものなんですよ。なにしろ言葉が生まれる前からあったものだから。本当は1回したほうが1000の言葉で語るより伝わるんですけど、そういうわけにもいかないので(笑)、僕なりのセックス論をこの本のなかで語らせてもらいました。今日はぜひ、はあちゅうさんにも聞いてもらいたいなと思っています。

は:よろしくお願いします。

森:僕の尊敬するAV監督に代々木忠さんという方がいて、80歳手前の今でも性を探求し続けていらっしゃるんですけど、人間を動かしているものを「思考・本能・感情」の大きく3つに分けて考えるらしいんですよ。はあちゅうさんは普段、どの要素に一番強く突き動かされていると思います?

は:感情が一番大きいと思います。

森:おっ、感情が一番だと言う人は、いいセックスをするそうですよ。

は:そうなんですね! 女性にとってセックスは、感情要素が一番大事だと言いますしね。

森:でも実は、思考を落としきれない人って意外と多いんですよ。思考を落とすというのは、精神と肉体をいかに切り離せるかという意味です。社会的な立場と思考の世界からいかに脱出するかが、セックスにはすごく重要なんだけど、そこをうまく切り替えられない人が多い。

は:どうしても社会的立場を一番に守ろうとしますからね。

森:そうなんです。たとえば3大欲求ってありますよね。食欲・睡眠欲・そして性欲。性欲の正体って、僕は“孤独の克服”だと考えているんです。これもやっぱり、人間が言葉を持つ前から根源的に持っている本能で、人が生きていく上での大テーマ。そこに感情がうまく混ざってくることで、セックスに一体感や幸福感が生まれると思うんです。

は:わかる気がします。

森:だけどそこに思考が混ざってしまうと、セックスに無駄な意味づけをしてしまう。愛しているからセックスをしなくちゃいけないとか、セックスをしたから相手は自分のものだとか。そうすると途端にややこしくなってきちゃうんですよ。

は:セックスレス問題も、そこにヒントがありそうですね。

■森林 原人さん「僕が不能になったら、パートナーには外でセックスしてきてほしい」

森林原人 はあちゅう セックス

森:現在の日本では、結婚という制度の中にセックスを押し込めようとしているじゃないですか。その根本には「社会秩序を保つためには性欲を制限する必要がある」という考えがあると思うんです。セックスにはときに暴力性が伴いますから、セックスで事故が起こらないよう、制度にあてはめたわけです。

は:なるほど。

森:でも、1対1の関係の中に半永久的にセックスを閉じ込めるっていうのは、僕は無理だと思うんですよ。無理なところをがんばろうとするから、反対にセックスが嫌になっちゃう。義務になっちゃうんです。僕が仮に不能になってセックスができなくなったら、相手には外でセックスしてきてもらっていいと思っています。

は:結婚していても、合意の上なら他の相手としてきてもいいと?

森:うん。社会通念的には不貞行為になるし、そこで嘘をついたり騙したりすると、信用問題になってしまいますが、知った上でなら他でセックスをしたからって裏切られたとか、心まで持っていかれたとは思わないんです。

は:たとえば森林さんの恋人が、自分の友達とセックスするようなことがあっても大丈夫ですか?

森:僕は逆に、まったく知らない人とされるよりは知っている人のほうがいいですね。むしろ指名したいくらい(笑)。つまらない相手とつまらないセックスをされるよりは、あの人なら間違いないからって。

は:マッサージを勧めるような感覚ですね! あの人だったら腕は確かだから行ってきたほうがいいと。心と体のメンテナンスみたいな感じでしょうか。

森:そんな感じかな。孤独の克服というテーマは根本にありつつ、セックスにはいろいろな可能性があると思うんです。コミュニケーションに娯楽、趣味、自己表現。それを1人の相手ですべて満たそうとすると、どちらかが我慢しなければならなくなり、無理が生じてしまう。昔は女性が我慢するのがあたりまえだったけど、今は女性にも性欲があるというのが前提になっていますよね。

■セックスの多様性を家庭に持ち込むのは難しい

森林原人 はあちゅう セックス


は:『anan』のセックス特集などがわかりやすい例ですよね。

森:僕は中学生か高校生頃、初めてあれを読んで、女ってエロいんだ! って衝撃を受けたんですよ。じゃあモテない僕にもチャンスがあるじゃないかって。でもよくよく考えたら『anan』で特集されるセックスというのは、従来の押しつけがましい男のセックスの否定系なわけです。

は:女性主体のセックス、という意味ですね。

森:そうです。そうなってくると、男は喜んでいる場合じゃないわけです。自分のセックスが危険に晒される、否定されると焦りが生まれます。却ってセックスが怖くなってしまったりして。

は:女性が主体的にセックスを語ることで、セックスレスが加速する場合もあると?

森:そうですね。あとは、セックスの多様性を家庭に持ち込むのが難しいということもある。

は:どういうことでしょうか。

森:AVにはありとあらゆるジャンルがあります。たとえば、女性がひたすら果物を踏みつけているだけのものとか。マニアックすぎてもはやAVかどうかもわからないんだけど、それくらいジャンルが広いしニーズがある。いざ結婚したとなると、家庭にその性癖は持ち込みにくいですよ。

は:本当に心を許し合っていても、ですか?

森:だからこそ、というか。夫らしさ、妻らしさ、父親らしさ、母親らしさ……、いろいろな立場を考えると、やっぱり難しいでしょう。逆に、自分の真の性癖を持ち込めるような夫婦であれば、1対1で完結できると思うんです。変態と変態が結婚している状態なら最高です。でも、持ち込めない夫婦のほうが多いのが実態だとすれば、セックスだけ他の人としてくる。それで家庭がうまくいくならば、僕はそれでいいと思う。実際にそういうパターンを、これまでに多く見てきていますからね。

(後編は「はあちゅうさん×森林原人さん対談・後編」から)

構成=波多野友子

■森林 原人(もりばやし げんじん)さんのプロフィール

1979年5月26日生まれ。37歳。AV男優歴17年。
モテない鬱屈した人生に嫌気がさしAV男優に応募。20歳から37歳に至る現在までAV男優一筋。出演本数1万本。経験人数8000人。巨根で、セックスするとすぐに好きになっちゃう性分から“純情バズーカー”と言われる。趣味は読書、好きな作家は池田晶子。初の著書『偏差値78のAV男優が考える セックス幸福論』を6月15日に発売。

Twitter:https://twitter.com/avmoribayashi

■はあちゅうさんのプロフィール

ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる傍ら、レストラン、手帳、イベントをプロデュースするなど、幅広く活動。2009年電通入社後、中部支社勤務を経て、クリエーティブ局コピーライターに。2011年12月に転職し、トレンダーズで美容サービス、動画サービスに関わる。2014年9月からフリーで活動中。
月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」、オンラインサロン「ちゅうもえサロン」「ちゅうつねサロン」などを運営。著者に『疲れた日は頑張って生きた日 うつ姫のつぶやき日記』(マガジンハウス)、『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』(KADOKAWA/角川書店)、『自分の強みをつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)『半径5メートルの野望』(講談社)など。雑誌、オンラインメディアなどでの連載多数。催眠術師資格を保有する。

ブログ:http://lineblog.me/ha_chu/
Twitter:https://twitter.com/ha_chu

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DRESS編集部

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