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子宮に優しいのはどんな生活?

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ピルやミレーナなどを活用し、排卵をなくしたり、月経を軽くしたりというと「自然な状態ではない」と感じる人もいるのでは。でも、そもそも毎月の月経こそ、内膜を作っては剥がして……と、子宮を酷使している状態。本当に子宮に優しい生活ってどういうもの? 宋美玄先生が解説します。

子宮に優しいのはどんな生活?

前回のコラム「産婦人科女医に『月経がない』理由」では、産婦人科女医たちは月経を野放しにせず、煩わしさから解放されているというお話をしました。排卵をなくしたり、月経を軽くしたり、というと、「自然な状態が一番なんじゃないの?」「出すものを出さないと悪いものが溜まりそう」のように考えられる方も少なくないかもしれませんね。今回は「自然」とは何か、どういう環境が子宮や卵巣に「優しい」のか考えてみましょう。

単純に、薬を飲まず何も考えずに生活することを「自然」と思っている人も多いと思いますが、果たして現代女性のライフスタイルはヒトとして「自然」なのでしょうか。戦後すぐは女性の平均初産年齢は20代前半でした。徐々に高齢化が進み、20代後半になったのが1960年頃で、2011年には30歳を超えています。

■月経は子宮で起きる「建設と破壊」!?

また、戦後すぐの出生率は約5でしたが、今では1.4ほど。現代女性は産み始める年齢が遅くなり、産む数も減っています。つまり、つい最近までは初潮から10年くらいで子どもを産み始め(それより昔はさらに早かったですが)、子どもをたくさん産み、子ども一人当たり妊娠中と授乳中を合わせておよそ2年は排卵と月経がなかったわけです。それが今や初潮(戦後すぐより少し早まっています)が来てから20年ほど妊娠し始めず、産む回数も減っている。そのため、人生における排卵と月経の回数がここ数十年の間にすごく増えたということが分かると思います。

排卵というのはどんなことが起こっているかといいますと、脳からのホルモンの作用で卵巣の中にたくさんの原始卵胞が発育し、そのうちの一つが成熟卵胞となって排卵します。月経は、排卵が起こった後のホルモンの働きで子宮の中に受精卵が着床するためのふかふかの内膜という組織ができて、妊娠が起こらずそれがはがれ落ちて出て行くことを指します。排卵も月経も、細胞が何回も分裂して、それがリセットされるというのの繰り返しなのです。

■戦後、子宮や卵巣の病気が増えている

みなさんは、戦後に子宮や卵巣の病気が増えているということをきいたことはありませんか? 卵巣がんや子宮体がんのようながん、子宮内膜症、子宮筋腫という月経が重くなって、不妊の原因になる病気が確かに増えています。

もしかしたらそれは、ケミカルな生理用ナプキンが普及したせいだとか、食品添加物が使われるようになったからだとか、子宮が冷えたからだとか、そういう説明を聞かれ、「布ナプキンにしないといけないな」とか「添加物はダメ! ゼッタイ」とか「温活しなきゃ」とか思ったことがあるかもしれません。

でも、そのようなことを実践しても婦人病は減らせません。生理用ナプキンも、食品添加物も戦後に普及したものですが、婦人病との因果関係はありませんし、子宮が冷えるというのはガセネタで、そもそも子宮は冷えないからです。

■妊娠を望まないときは、子宮を休ませて

婦人病が増えている原因の一つは、先述のように月経の回数が増えたこと。細胞分裂の回数が増えれば遺伝子を写し損なってがんが発生する確率が高くなります。子宮内膜症の原因ははっきりとわかってはいませんが、月経の回数を重ねるごとに悪化します。

子宮に優しい生活を送りたいと考えるなら、子宮を毎月の月経で酷使しないことです。赤ちゃんがやってくるかと思って一生懸命内膜を作り、それを剥がして流す……。妊娠を望んでいないときは、子宮を「建設と破壊」から解放して休ませてあげること。

そのためには前回のコラム「産婦人科女医に『月経がない』理由」のように産婦人科女医が行っていることを参考にしてください。もし「薬はイヤ! でも子宮には優しくしたい」という方がいらっしゃったら、20代の頃から6人も7人も産んでください。昔の日本人や、先進国以外に生きる女性たちのように……。

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宋 美玄

産婦人科女医・性科学者。現役産婦人科医として、都内の病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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