1. DRESS [ドレス]トップ
  2. ライフスタイル
  3. 生理のとき、みんなはどうしてる? サイボウズ初の生理勉強会によって見えてきたこれからの働き方

ライフスタイル

PR:ユニ・チャーム株式会社

生理のとき、みんなはどうしてる? サイボウズ初の生理勉強会によって見えてきたこれからの働き方

生理のとき、みんなはどうしてる? サイボウズ初の生理勉強会によって見えてきたこれからの働き方

「生理がつらくて休みたくても、職場に伝えづらい」
「生理で体調が悪いという社員に、どんなふうにコミュニケーションをとればいいのか、わからない」

職場はさまざまな年齢や性別、立場の人が集まる場。だからこそ、“生理”のことをどう扱っていいか自信が持てず、悩んだことのある方は多いかもしれません。

生理についての知識が少ない方はもちろん、毎月生理に悩まされている人にとっても、他の人たちが生理にどう向き合い、どのようなケアをしているかはあまり知る機会がないもの。もし生理の悩みについて話しづらい空気が職場に蔓延していたとしたら、悩みや疑問を抱く社員がいても、それをひとりで抱え込むことになってしまいます。


ユニ・チャームの生理用品ブランド「ソフィ」が展開する「#NoBagForMe」プロジェクトでは、今年から、生理にまつわる知識向上と相互理解を促進するため、企業向けの研修プログラム「みんなの生理研修」を実施しています。

2020年7月末、サイボウズ株式会社の社員約70名が、その研修を2日間にわたって受講しました。「100人100通りの働き方」を目指しているサイボウズでは、今回の生理研修が、生理への向き合い方や悩みも千差万別であるということをあらためて知り、社員同士の相互理解を一歩進めるためのカギになったようです。企画担当者や参加者へのインタビュー、研修の様子を通じてレポートします。


『みんなの生理研修』応募要項はこちら

【募集期間】2020年6月12日(金)~12月25日(金) 10時

【応募方法】『みんなの生理研修』応募フォームからお問い合わせください。
https://www1.unicharm.co.jp/enq/jpn/td/2006nobagforme_seminar/

【実施費用】無償

「生理のとき、他の人はどうしているのか知りたい」という社内の声

サイボウズではもともと社内で「生理勉強会をやってみたい」「生理について気軽に話せる場がほしい」という意見が挙がっていたと、今回の生理研修の企画に携わった人事担当者である平賀実莉さんは言います。

「生理経験のある社員からは『生理についてひとりで悩むのがしんどい』『生理からくる不調が仕事に影響してしまうとき、他の人たちはチームメンバーとのコミュニケーションをどうしているのか知りたい』という声が挙がっていたんです。ただ、そういった知識を共有する場を作ろうとすると業務外の活動となってしまうので、個々人の忙しさもありなかなか実行に移せずにいました。だから、ユニ・チャームさんから生理研修のお話をいただいたのは渡りに船という感じで、『すぐにやりましょう!』となりました」(平賀さん)

もともと、多様な働き方と個性を尊重する社風で知られているサイボウズ。そういった環境の中でもやはり、生理については少し話しづらい空気があったのだとか。

「私のチームでは毎朝ミーティングがあって、その中で『生理なので、今日は集中力が続かないかもしれません』と報告するメンバーなどもいたりします。ただ、そういう個人的なことをどんどん発信するタイプの人もいれば、そうでない人もいる。特にいまは社員の8~9割在宅勤務になっているので、生理による不調で突然休まなければいけなくなったとき、チームメンバーに『どうしたの?』と聞かれて、オンライン上のやりとりで生理だと言いづらい……という悩みなどもあると思うんです」(平賀さん)

研修1日目:男性社員からも「気を付けるべきことは?」

「みんなの生理勉強会」という名前で開催されたサイボウズ内での生理研修は、7月29日、30日の計2日間。初日は、助産師/性教育YouTuberであるシオリーヌさんと「ソフィ」マーケティング担当者が講師となり、生理や女性のカラダにまつわる知識、さまざまな生理ケアの選択肢をオンラインの講義を通じて学ぶ場が設けられました。

講義の中では、基本的な生理のしくみや生理によって起こりうる不調の種類、症状や重さには女性でも個人差があることなどが説明されます。中でも、女性の平均的な生理期間を合計するとなんと※6年9カ月もの期間になるというデータには、男女を問わず、驚きの表情を浮かべる人が多数。



※{(平均閉経年齢ー平均初潮年齢)ー(妊娠期間)×1生理期間×(1年間の生理の回数)
{(50才-10才)-(約2年間)}×5日×(1年に13回)

生理の回数 = 38 × 13 = 約494回
※昔の女性の平均50回に比べて、約9倍に増えている。
生理の期間 = 494回 × 5日= 約6年9カ月

また、従来のナプキンやタンポンといったアイテムに加え、ズレに強いナプキンやオーガニックのナプキン、使用後にそのままトイレに流すことができる「シンクロフィット」、ナプキンとショーツが一体化したショーツ型ナプキン……といった新しい生理ケアの選択肢の紹介も。

最後に設けられた質疑応答の時間には、男性社員からも「生理による体調不良で、仕事にはどんな影響が生じやすいか」「男性側が気をつけるべきことはどんなことか」といった積極的な質問が飛び交っていました。

研修2日目:「感情的に伝えるのではなく、感情を伝える」

「みんなの生理勉強会」2日目は、社員の方々による自主的なワークショップ。初日の講義もふまえ、サイボウズ社員から3名のスピーカーが自分自身や周囲の人の生理についての経験談を語るパートから始まりました。


ひとり目のスピーカーである田窪春奈さんは、「生理の重さや症状も100人100通りであることを伝えたかった」と話します。

「小学生のときから重い生理に悩んでおり、就職活動の際には生理のストレスとの二重の負荷でメンタルバランスを崩してピルの服用を始めた」と田窪さん。

生理周期は整ったものの、メンタルの不調や食欲の増減といった悩みとはいまでも付き合い続けていると語り、「社内の人たちには少しずつ自分の不調について話せるようになってきたけれど、やっぱり社外の方を相手にする職種だと無理をしてしまうときもあると思う。いまは在宅勤務がメインなので、営業職の人のつらさが少しは緩和されているかもしれない」と話しました。


ふたり目のスピーカーは、現役の営業職で、社外の人たちとコミュニケーションをとることが業務のメインだという岡田亜美さん。

生理前にメンタルバランスが崩れることが多く、その際には業務のパフォーマンスもかなり落ちるという岡田さんは、「仕事をしながら泣いてしまうほどつらい月もある。けれど、自分の場合は極力チームメンバーの誰かにつらさを伝えたり、面談などでも軽く共有したりしている。努力しても治せないことは自分のせいではないとある程度開き直ることも大事だと考えて周りにこうしてくれるとうれしいということを伝えたり、頼ったりしている」と語りました。


最後のスピーカーは、人事部に所属する金子卓哉さん。同棲しているパートナーの生理が重く、どのようにそれに対処していくかを一緒に模索している最中だという体験談を話しました。

「生理のない人は、大前提として『生理は自分には理解できない痛みと精神状態である』という意識で、そのことで苦しんでいたり助けを求めている人がいるということを知っておくべきだと思う。自分の場合はパートナーと毎朝軽く体調を確認し合う時間をとっていて、生理がとてもつらそうなときは、自分になにができそうかもあらかじめ聞いておく」と金子さん。

生理でパートナーがイライラしていたり落ち込んだりしているときも、その影響を受けて“感情的に伝える“のではなく、”自分の感情を伝える“ようにしていると金子さんは言います。

また、出かける際には自分も鎮痛剤を持ったり、症状がひどいときには一緒に病院に行ったりと、「一緒に悩む」ことを大事にしていると語りました。

3名のスピーカーの話を受けたディスカッションパートでは、社員の方から

「男性からだとなかなか生理のつらさについて聞きづらいし、女性も生理かどうかを聞かれたいわけではないはず。ただ、自分も体調に波があるタイプなので、『いま体調が悪いです』という自己開示を普段からしておくと、お互いの体調についても少し話しやすい空気が作れるかもしれない」

「うちの会社はまだオープンに体調について話せる空気があるほうだけれど、それでも今回の研修で初めて知ったことや驚いたことがたくさんある。だからこそ、こういう勉強会は継続的にしなきゃいけないと思う」

といった意見が挙がりました。

会社の空気は急には変わらない。だからこそ……

この研修を受け、参加者の方々の意識や行動にはどのような変化が生まれたのでしょうか。ディスカッションからさらに一歩踏み込んだ声を聞くために、研修の実施から約3週間が経ったあと、3名の社員の方にインタビューをおこないました。

「知識を身に着けた上で、目の前の人にどう接するか」──開発エンジニア・平木場風太さん

ひとり目の平木場風太さんは、システムの開発支援などをおこなうエンジニア。生理に対してこれまで表面的な知識しか持っていなかったという平木場さんは、学生時代、生理で悩んでいる人に「生理なの?」と直球の質問をして、気まずい雰囲気になってしまった経験があり、ずっとモヤモヤしていたことが今回の生理研修に参加したきっかけのひとつだと言います。

──今回の研修を受けて、新たに知ったことや気づいたことはありましたか。

平木場:正しく知りたかった生理の基本的なしくみや、女性の健康に関すること、どういう症状が起こりうるのかを知ることができたと感じています。生理のことを知った上で、そういった知識をベースに目の前の人にどう接するかは自分でちゃんと考えていきたいなと思いました。

──そういった考え方の変化が職場の行動や空気などに影響を与えていたりはしますか?

平木場:僕が所属しているチームにはいまは男性しかおらず、業務上でのコミュニケーションが大きく変化した、という体験が正直に言うとないんです。ただ、同期の女性の友人が別のチームにいるんですが、勉強会に参加したことをきっかけに、体調の変化や生理にまつわる話をするという選択肢を持ちやすくなったのは大きな変化だと感じています。

いまはリモートワークがメインですが、サイボウズの社内チャットでも今回の勉強会を経て、生理にまつわる悩みや疑問がかなり活発にやりとりされるようになったのを感じます。ピルの服用がどのくらい効果的だったのか、体質的に合う人も合わない人もいるし、そもそも飲めなかったり不安を感じる人もいる……といった話も、最近では盛り上がっていました。

「生理のことはオープンにせず、自分ひとりで我慢するものだと思っていた」──人事本部・武部美紀さん

人事本部でキャリア採用を担当されている武部さんは、周りの社員が生理で悩んでいる様子を見ていたことや、自分自身も生理との向き合い方に悩んでいたことが、今回の研修に参加した大きな理由だったと言います。


──研修の内容は、生理を毎月経験している女性の方にとってはすでに知識として知っていらっしゃることも多かったかもしれません。その中でも、新たに知ったことや気づいたことなどはありましたか?

武部:そうですね、2日目のワークショップにはけっこう衝撃を受けました。個人的にこれまで生理のことってあまり大っぴらに言うことではない、と思っていて……。

家族や親しい人には相談することもあったんですが、それ以外の場では「生理」という言葉自体もあまり使わなかったし、生理は自分ひとりで我慢するもの、と思いこんでいたタイプでした。もちろん、生理についてあまり話したくない、話さないという人もいていいと思うのですが、社員の方がそれぞれ生理についてどのような対策をとってきたかをオープンに話されているのを見て、「あ、話してもいいんだ」と驚きましたね。

──「話してもいいんだ」と思われたことで、武部さんの中で変化したことはありますか?

武部:チームメンバーと、自分の体調で悩んでいることについてもっと話してみたいなと思いました。今回は生理がテーマでしたが、たとえば「花粉症がとてもつらい」とか「腰痛がとてもつらい」とか、ほかにもいろんな症状で悩んでいる方はいるだろうなとも思って。配慮できたほうがよいことってたくさんあるな、と感じたので、「実はこういうところがあって」「こういう症状がつらくて」みたいなことをオープンに話せる環境があったらいいのかなと。

「会社の空気は急には変わらないはず。だからこそ一回で終わらないようにしたい」──副社長・山田理さん

サイボウズの副社長として組織づくりの舵をとり続けてきた山田理さんは、「生理の経験のない自分のような立場の人が、経験のある人と一緒に参加することに意味があるんじゃないか」という思いから、ご家族と一緒に今回の研修に参加したと言います。

──パートナーの方と娘さんと一緒に参加されたことで、ご家族のコミュニケーションにも変化はありましたか?

山田:親子ではこれまで生理の話をしたことがありませんから、「実はこういうことがつらいんだよ」「そうなんや」って会話が生まれたのは大きかったです。これまでよりは僕にも体調のことを相談しやすくなってくれたのかもしれないな、と。たとえばパートナーがそこまで生理の症状で悩んだことのない人だったりすると、勝手に他の女性もそうなのかな、と思ったりするのかもしれない。本当に個人によって違うんだな、僕もわかったつもりになっていただけなんだな、と研修を受けて感じました。

今回のように生理のことを正しく知る場所があって、そこに参加する人がいて、“わかろうとしてくれる人がいるんだ”ってことを生理が来る人にわかってもらうことが大事なんだなと思いましたね。

──山田さんは今回の研修を受けて、社内の空気などに変化を感じられていますか?

山田:時間もそんなに経っていないし、2日の研修を受けていきなり社内すべての空気が変わる、ということはないと思います。ただ、社内チャットで自分の体調や悩みについて発信している人もいたりするようですし、徐々には変化していくかもしれない。一気には変わらないと思うからこそ、今回の研修を1回で終わらせないようにしたいです。

──今後も研修を続けていくとしたら、より知りたいこと、深堀りしてほしいことはありますか。

山田:もちろん生理の症状や捉え方は千差万別だと思うのですが、生理のある人たちがもっと快適に働けるために、もう少しいろんな人の話を聞いてみたいなとは感じました。2日目の社内ディスカッションのとき、「生理の不調が軽いといっても、営業に行くときにはこういうことがあるとつらかったりする」みたいな話があって、“重い”とか“軽い”とかだけではなく、具体的なつらさだったり、どういうアクションがあるといいのかっていうのをもっと知れたらなと。

自分としては、ひと口に生理がある人、と言っても症状や捉え方はさまざまだというのがわかってきたので、それをオープンにしたいかどうかもその人次第なんですが、話したい、共有したいと思ったときにしやすい環境は作っていかないと……と改めて感じました。


***


「自主的に多くの人が参加したとはいえ、1000人いる社員の中で今回の参加者の70人は、まだまだごく一部。生理を経験したことがない立場の人も、次回以降はもっと参加する人が増えるようになったらいいのかな」と山田さんは言葉を結びました。

研修を受けて自分の中で変化したことは三者三様でありながらも、生理そのものに対する知識や周囲の悩み方・向き合い方についての知見を得たことで、「生理について誰かに相談したいと感じている社員がいるときに、これまで以上に”話す”という選択肢を持ちやすい空気を自分たちで作っていきたい」という思いをみなさん共通して抱いたようです。

100人いれば100通りの生理があるかもしれない。だからこそ、正しい知識も大切だけれど、知識にとらわれ過ぎることなく、いま目の前にいる人、一緒に働いているその人自身に向き合うことが大切なのかもしれません。

『みんなの生理研修』応募要項はこちら

【募集期間】2020年6月12日(金)~12月25日(金) 10時

【応募方法】『みんなの生理研修』応募フォームからお問い合わせください。
https://www1.unicharm.co.jp/enq/jpn/td/2006nobagforme_seminar/

【応募条件】企業さまからの申し込みであること(2020年は最大20社にて実施予定)、受講者数が1社につき30名以上であること、研修後アンケートを実施いただけること

【実施方法】オンライン会議システム、もしくは対面実施

【実施費用】無償

「#NoBagForMe」とは

「#NoBagForMe」プロジェクトは、生理に対するこれまでの価値観に変化を起こすべく、“生理期間をより自分らしく過ごそう” というスローガンを掲げ、2019年6月に発足したユニ・チャームの生理用品ブランド「ソフィ」発のプロジェクトです。

2020年は昨今の女性の健康意識の高まりも踏まえ、“生理についての知識向上と相互理解を促進するため”に、生理や生理ケアの正しい知識、様々な生理ケアの選択肢をより多くの方に知っていただく活動を行っています。

公式HP:https://www.sofy.jp/ja/campaign/nobagforme.html
公式Twitter:https://twitter.com/NoBagForMe
公式Instagram:https://www.instagram.com/nobagforme

生湯葉 シホ

1992年生まれ、ライター。室内が好き。共著に『でも、ふりかえれば甘ったるく』(PAPER PAPER)。