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仕事って楽しい。「責任がある」と自覚すると仕事は面白くなる~起業に至る道

出産後に働き始めた会社で「仕事って楽しい!」と初めて実感した端羽英子さん。責任のある仕事を任せてもらえたからこそ、そう感じられるようになったと振り返ります。そんな中、夫の海外留学が決まり……。

仕事って楽しい。「責任がある」と自覚すると仕事は面白くなる~起業に至る道

前回の連載は、妊娠中から資格取得に励み、転職するまでから。

出産後も働き続けたい思う方の中には、仕事に復帰するには慣れた環境がいいのか? それとも仕事をコントロールしやすい新しい環境に移った方がいいのか? という悩みがあるかもしれません。

私の場合は、出産前に退職し、出産後に備えて資格取得の勉強をしました。しかし、無事に資格を取得できたものの、転職活動は苦戦の連続。「社会人経験1年弱」で「乳飲み子を抱える」状況の中、なんとか「ここで働きたい!」と思える会社に出会うことができました。

知識をマッチングするサービス「ビザスク」を起業するに至る道のりもいよいよ中盤。今回は「仕事の面白さと責任の重みを実感できた仕事と2度目の転機」についてお話します。

■「何もしない1年ではなかったよね」と認められた

英語と会計が好きで学び始めた公認会計士(USCPA)の知識と化粧品というプロダクトへの興味から、日本ロレアルでコントローラーとして働き始めました。日系企業では馴染みの少ない職種名かもしれませんが、コントローラーとは予算を作って予実管理をする仕事のこと。

「今すぐにでも働きたい!」という思いで転職活動をしていたので、やりたい仕事が見つかって、私自身はとてもワクワクしていました。しかし、冷静に考えれば、採用企業側からすると、「未経験」かつ「小さな子どもを抱えている」ママ社員の採用には、リスクもあったと思います。

人事担当者と入社後に話をしたとき、「よく採用してくださいましたね?」と直接聞いてみました。すると、こんな言葉が返ってきました。

「確かに仕事をしていなかった時期はあるかもしれないけれど、あなたはしっかり勉強をしてきた。何もしていなかった1年ではなかったよね。きっとこの人は頑張れるはずだ、と書類を通しました」

これまで自分がやってきたことをきちんと受け止めて、認めてくれる人がいるのだ! と本当に嬉しかったのを覚えています。

■「仕事って楽しい!」と初めて実感

日本ロレアルでは、プロジェクトを管理するコントローラーが1名、各ブランドを担当する体制でした。それは、コントローラーが体調不良で休めば、発注すらできないという責任のある仕事を任せてもらえる、ということ。

自分の代わりがいないという状況は、プレッシャーもありますが、周囲に求められる仕事をしている実感が持てます。この時期に初めて「仕事って楽しいな!」と心から感じられるようになったと思います。

■30分の激論の末、得られたもの

しかし、仕事にも慣れてきた頃、とある出来事が起きました。担当するブランドの営業部の方が、私ではなく、私の上司に話を通して案件を進めてしまったのです。案件によっては、確かにスピード優先で進める必要もありますが、担当として状況を一番把握している自負もあり、納得がいきませんでした。

もちろん、「このまま黙っている方が、状況はスムーズに進むかもしれない」という考えも頭に浮かびました。しかし、「私がこのブランドの担当なのだ」と認識してもらうことが、自分の責任を果たすことになり、周囲が本当に期待していることでもあります。

そこで、営業部の方に「このブランドの予算担当は私です。何かあったら、私に話をしてください」と直接伝えたところ、30分以上の激論(大ゲンカ)に。その対話を通じて、お互いの役割やスタンス、仕事の進め方を改めて確認でき、結果的には、とても良い信頼関係を築くことができました。

その一部始終を見ていた周囲も「言うときは、言う人なんだね……」と見方が少し変わったようで、業務に関連する情報をより細かく提供してくれるようになりました。仕事上の信頼関係をより良くし、アウトプットの質を高めるためには、「自分がここに責任を持っている」ときちんと伝えることも大切なのだと、大きな気づきになりました。

こうして仕事も軌道に乗って面白くなった頃、また転機が訪れます。夫(当時)の留学が決まり、ついていくのか、日本に残るのか、選択するときが来たのです。上司に相談したところ「仕事はまた見つかるよ。家族で海外に行くのも良い経験になるはず」という言葉をもらい、退職を決意。せっかくの機会なので、右も左もわからない状況の中、よし、自分も同じ街で留学しよう、とチャレンジすることにしたのです。

留学で気づいた「Japanese Working Mother」という私らしい強み~起業に至る道

https://p-dress.jp/articles/1735

出産後に1年半勤めた会社を辞め、夫とともに自身も米国留学しようと決めた端羽英子さん。「子持ちで職歴の浅い私には“実績”なんてない」と悩むも、「Young Japanese Working Mother」であることを個性に変えてから、新境地が見えてきたのでした。

端羽 英子

ビジネスのことなら何でも1時間〜聞けるスポットコンサルティング「ビザスク」の代表取締役。「世界中の知見をつなぐ」をビジョンに、日々奮闘中。東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券投資にて企業ファイナンス、日本ロレア...

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