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戸田菜穂連載『横顔の女』#11

戸田菜穂連載『横顔の女』#11

「叔母のワイン煮」

 あまりにも暑い日々が続いている。日傘と扇子と水を持たずには外へも出られない。梅雨用に買った折りたたみの傘は出番がなかった。レストランに行くのも暑いので、家でちょっとした御馳走を作ることが増えた。

 私の叔母はとても料理上手で、子供の頃よく家に招待してもらった。今も広島に帰れば
叔母の手料理を御馳走になることもあるし、ときどきは寒い季節、ミートパイを送ってくれることさえある。ありがたい。

 その叔母ちゃんの「牛肉の赤ワイン煮」を私も教わり、よく作る。

 牛肉(ローストビーフ用)500g~800g、赤ワイン1/2カップ、日本酒1/2カップ、しょうゆ1カップ、水4カップ。これら全て鍋に入れ、あくをとりつつ15分~18分強火で煮て、火を止めたらそのまま置いておく。それだけ。本当はワイン1カップか日本酒1カップかどちらからしいけれど、私は間違って、ワイン1/2、日本酒1/2で作ったらこれがおいしいので、こうしている。タレはケチャップ、コンソメ、煮汁少々を煮る。
つけ合わせは、クレソン、タマネギスライス、ケッパー。からしを添えて。

 お肉はなるべく薄く切った方がおいしい。
翌朝トーストにお肉、たまねぎ、ケチャップをのせて焼き、クレソン、からしをつけたら
とっても美味しいローストビーフサンドが出来る。これは父も好きで次の日のお楽しみのひとつだ。
 煮汁も冷凍しておいて、カレーや肉じゃがなどの隠し味に使える。

行きつけのカウンター割烹のご主人からも作り方を教わることがある。聞いたら忘れる前にすぐ再現してみる。

 タマネギのスライスも塩もみして冷蔵庫へ。小夏という果物をそぎ切りして、そのタマネギスライスの上に並べ、ルッコラとくるみを少々。フェタチーズ、これが決めてらしく、それを薄く切って乗せる。オリーブオイルをたらり。バルサミコもあれば、ちょっぴり。
 この料理も爽やかで、白ワインに合う。
あと一品、私がよく作るのは、ミックスナッツを買ってきたら、フライパンで空炒りする。
火を止めて、しょうゆをちょっととメープルシロップをタラ~とかけて、ナッツにからめるだけ。これもワインのおつまみに最高!

 ウフフ。娘たちによく言われる。「私たちの食べるものは~?」と。いや、ちゃんと作ってますよ。伝説の家政婦志麻さんのレシピ、「トマト味のアッシ・パルマンティエ」がオーブンでグツグツと。ああチーズの焼けるいい香り~!

 この夏は栄養たっぷり。早寝早起き、少し筋トレもして、久々に水着を着て海で泳ぐつもり……目標があるとがんばれそう♪
みなさまどうぞ楽しい夏をお過ごしください!

戸田菜穂

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戸田菜穂

1974年生まれ、広島県出身。1990年、第15回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞しデビュー。93年放送のNHK 連続テレビ小説「ええにょぼ」で主演を務め、以降、テレビ・映画などで活躍。

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