初回デートは21時解散。次のデートに繋がらなかったのはなぜ?【令和の大人の恋愛事情:前編】
マッチングアプリで知り合って初デートにまでは漕ぎ着けても2回目デートにつながらない、その理由とは? 恋愛ライターの毒島サチコ氏が、大人の恋愛の複雑性に切り込む「令和の大人の恋愛事情」。デート中のふたりが何を思ってどう振る舞うのかを、リアルに描き出します。まずは前編で、男性目線のキモチをのぞいてみましょう。
なぜ、大人になればなるほど恋は難しくなるのだろうか?
次につながらなかったデート、返ってこなかったLINE……。
この恋、どうすればうまくいった?
恋愛ライター・毒島サチコによる、実際のエピソードを元にした大人の恋愛“あるある”ショートストーリー。
本日のテーマは「マッチングアプリからの初回デート」。
■【side:セイヤ】アプリでマッチ後初デート。彼女が21時に帰ってしまった理由は……?
金曜日の19時。レストランの席についた僕は、アプリのメッセージのやりとりを読み返す。
――うん、いい感じ。ホントはパクチー大好きだけどね!
2週間前、僕は婚活アプリでユキカさん(31歳・会社員)とマッチした。何度かやり取りを重ね、本日の初デートにこぎつけたのだ。
……しかし、この日以降、ユキカさんとは連絡がつかなくなってしまうーー。
それは、なぜだろうか。初デートの一日を振り返ってみよう。
いたって無難に思えた初デートの滑り出し
「セイヤさん……ですか?」
「ユキカさんですよね? よろしくお願いします」
19時を少し過ぎた頃、ユキカさんが待ち合わせ場所のレストランにあらわれた。彼女は僕のイメージ通り清楚な女性だった。
ユキカさんは席につくなり、前のめりで僕に映画の話題を振ってくる。
「セイヤさんは映画鑑賞が趣味ですよね。どのくらいの頻度で映画を観るんですか?」
「多くて2カ月に1回くらいですかね。映画館は職場からすぐなので」
……ぶっちゃけ、僕はそこまで映画が好きではない。アプリの趣味欄を映画鑑賞にしたのは、デートに誘いやすく、無難なイメージを持たれると思ったからだ。
「どこで働いていらっしゃるんですか?」
「ここからすぐです。このお店も仕事終わりによく来るんですよ」
お酒の力もあって会話はそれなりに盛り上がる。
――2件目に誘ってみるか、それとも解散して次回につなげるか……。そんな僕の心中を察したかのように、ユキカさんは上目遣いで僕を見た。……チャンスだ。
「ユキカさん。この後、近くのバーに行きませんか? あ、良かったら今のうちにLINEも交換しましょう」
「ぜひ。……このLINEの名前、セイヤさんの本名ですか?」
「はい。僕のフルネームです。変わった名前ですよね。悪いことしたらすぐに僕ってばれちゃいます(笑)」
「すごい珍しい苗字。かっこいいですね」
「ありがとうございます。ユキカさんのLINEアイコンも素敵です。僕、ユキカさんみたいな清楚で黒髪ロングの女性がタイプなんです」
僕の言葉に、ユキカさんは照れくさそうに笑った。
……でも、この言葉はウソだ。
僕の本当のタイプは、ユキカさんとは真逆の、ギャル風の女性。だけどアラフォーに差し掛かり、近頃は結婚を前提にした付き合いを考えるようになった。親ウケしそうな女性にシフトチェンジして婚活をはじめたばかりだ。
トイレでユキカにいったい何が!?
一軒目の店を出る前、ユキカさんはトイレに立った。僕はその間に会計を済ませ、彼女が戻ってくるのを待つ。しかし、ユキカさんは席に帰ってくるなり、思いもよらない言葉を発したのだ。
「明日早いので……やっぱり帰ります」
「え……」
彼女はおもむろに財布から食事代の半分を僕に渡すと、足早に店を後にした。時刻はまだ21時。
――さっきまでバーに行こうと盛り上がっていたのに、どうして?
結局、僕とユキカさんが会うのはこの日が最後になってしまった。なぜ急に彼女は帰ってしまったのだろうか。
\答えを想像してみてください/
▼答えは後編でチェック!
「初回デートは21時解散。次のデートに繋がらなかったのはなぜ?【令和の大人の恋愛事情:後編】」
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恋愛ライター。LINE記事を得意とし、自立した女性へ向けた恋愛記事を多数執筆。