セックス好きじゃない人、好きな人、わからない人。それぞれの理由を聞いてみた
セックスが好きじゃない人、好きな人。あるいはセックスが好きか嫌いかわからない人。セックスへの思いや向き合い方は人それぞれです。その具体的な気持ちと理由について話を聞きました。
目次
あなたはセックスが好きですか? どんなときにセックスが好きと感じ、どんなときにセックスが嫌いだと感じますか?
プライベートな行為だからこそ、ストレートに聞いたり聞かれたりすることがなかなかないテーマです。筆者自身の体験談も含めて、セックスにまつわる率直な思いをヒアリングしました。
セックスが好き? 嫌い? アンケートで見る声
DRESSでは2018年冬、123人の方(20〜60代)に「性・セックス」をテーマにしたアンケートを実施しました。
「セックスは好きですか?」の問いに対し、「好き」が69.9%、「どちらかと言えば好き」が21.1%、「わからない」が8.1%、「嫌い」が1%との結果が出ています。ここからはそれらの答えに対する、皆さんの理由や体験談をご紹介します。
セックスが好きな理由・体験談
気持ちがダイレクトに伝わり合うのが良いなと思います。私は声を出す方だから、発散されていく気持ちよさもあります。セックスは昔から好きだったけど、挿入でイくことを覚えてからは、もっと好きになりました。ちゃんとゴールしたって感じ。グーっと何かがやってきた感じがしました」(女性)
私は、セックスを通して相手のことを本当に好きになりますね。だから、セックスしないで付き合うのは無理かも。私にとってはそれくらい必須なもので、ないと困ります」(女性)
人間というより動物っぽい営みだなぁと思います。どんな人とでも良いわけではないけれど、最悪だと思ったセックスって過去にないですね。私はセックスそのものが好きなんだと思います」(女性)
信頼関係をつくってきた相手との“精神的なつながりや満足を感じられるセックス”なら好き。愛情が伝わってくる感じ。逆に、“精神的なつながりを感じられないセックス”はそれほど好きじゃないです」(女性)
やっぱり女性に触ってもらう方が興奮するし、『いいよ』と言ってもらいながら射精するのはすごく気持ちいい。事前のドキドキ感も、事後の充足感も含めて、僕はセックスがとても好きです」(男性)
セックスが好きな理由として、「発散できて気持ちいい」「深くコミュニケーションが取れる」「触れ合うこと自体が幸せ」「精神的なつながりに満足できる」「終わった後に満たされる」といった意見があがりました。
セックスが好きかどうかわからない理由・体験談
相互に求め合って、隙間を埋め合えるようなセックスは好き。安心感というか、私の存在を肯定されて、ゆるされたような気持ちになります。逆に、私のことを思っているふりをして、本当は自分のことを満たしたいだけの男性とするセックスは嫌いです」(女性)
私、かつては積極的に遊んでいた時期もあったんですね。そこで『自分には性的魅力がないわけではないんだ』と、承認欲求が満たされたんだろうと思います。だから、今の恋人に体を求められることがなくても、愛されているという実感がものすごくあって、声を聞くだけで幸せを感じられるんです。
一緒にいられる時間がただ楽しくて幸せで、彼も幸せそうで、そのことがうれしくて、満たされている。ただそれだけなんです。性欲がないわけではないのに、今はセックスなしでも大丈夫なので、特に困っていないですね。だから今はセックスを好きとも嫌いとも言えないかな」(女性)
でも、肉体的には、よくわからないんです。彼に愛撫してもらったり挿入されても、くすぐったかったり、感覚があまりなかったり。『気持ちいい?』って聞かれると困るし、イクっていうのも謎です。だから、積極的にセックスに誘うことはないかなぁ。今後もっと気持ちよさがわかってきたら、好きになるかも」(女性)
心の隙間を埋めてくれるセックスなら好きという意見、セックス嫌いな恋人との関係に不思議と満足できているという意見、心理的にはうれしいけど肉体的に快感がわからないという意見があがりました。人それぞれの事情がありますね。
セックスが好きではない、嫌いな理由・体験談
いい人も多いっていうのは頭ではわかってるけど、体が拒否反応を示してしまって、痛くなったり濡れなかったりでうまくいかなかったこともあります。今は無理に克服したいとは思っていないです。しなくていいものなら、このまましたくないです」(女性)
一度嫌だと思うと、他人の体液が汚く思えてしまいます。僕の場合は、相手を好きかどうかはあまり関係なくて、セックスという行為そのものに嫌悪感がありますね」(男性)
恐怖心により体が反応しないという人、義務的にこなしているという人、潔癖気味なので汚く思えるという人。セックスに嫌悪感を抱く理由もさまざまでした。
セックスがどれくらい好きか? チェックリストで診断
続いて、セックスがどれくらい好きかわかるチェックリストを見てみましょう。当てはまった数によってセックス好き度を診断できます。セックスが好きかどうかわからない、という方もぜひお試しください。
チェックリストと各項目に当てはまった方へのコメントは、性生活の総合アドバイザーとして、カウンセリングやコラムで数々の女性の性のお悩み相談を受けてきた、ラブライフアドバイザーのオリビアさん監修です。
□スキンシップが好き
□◯◯フェチがある
□彼の好きなところを聞かれたら即答できる
□自分がムラムラするタイミングがわかる
□ ぼーっとしているときにHな妄想をする
□彼と性の話をオープンにできる
【セックス好き度】
当てはまった数からセックスがどれくらい好きなのかを診断します。
0個……セックス好き度0% 焦らなくても大丈夫ですよ。苦手意識が強いなら、彼にも正直に伝えるとお互いに安心するかも。自分のペースでセックスに向き合っていきましょう。
1~2個……セックス好き度30% 今はセックスよりも他のことに興味があるのかもしれませんね。性欲減退を感じているなら、自分のHモードをオンにする方法が何かを探してみるのもいいかもしれません。
3~4個……セックス好き度50% 好きでも嫌いでもないちょうど中間くらいでしょうか。彼とのセックスにマンネリを感じているなら、感受性を高める映画や本などで刺激を取り入れてみてください。
5~6個……セックス好き度80% 心・体・コミュニケーションの3つが準備万端になると、もっとセックスを楽しめるでしょう。チェック項目でどの分野が弱かったのか再確認してみてくださいね。
7個……セックス好き度100% 心と体の両方から満足できるセックスを極めてください!
各項目に当てはまった方の傾向を見てみましょう。
「□感受性が豊か」が当てはまる方はセックスを楽しめるタイプ
映画やTVを見てもらい泣きしやすいなど、感情の揺らぎを素直に出せる人は、セックスでも快感の波乗りを楽しめるタイプ。相手もそんなあなたの姿を見てさらにやる気が増すので、回数を重ねるほどにふたりのセックスは楽しくなるでしょう。
「□スキンシップが好き」が当てはまる方はスキンシップとしてのセックスが好き
セックスは、スキンシップの延長線上にあります。
スキンシップが好きな人は、セックスの前後のイチャイチャタイムも自然と長くなるので、親しい人との肌の触れ合いで分泌される“愛情”ホルモン「オキシトシン」も増加。心が満たされる感動を味わっているはず。
「□◯◯フェチがある」が当てはまる方はエロティックなイメージが得意
相手の「匂い」「筋肉」「手」など、特定のパーツや特性に好みがある人は、エロティックなイメージワークが得意な人。フェチが引き金となり興奮の回路が開くので、セックスも積極的になれます。
「□彼の好きなところを聞かれたら即答できる」が当てはまる方は、セックスがマンネリ化しやすいかも?
「いつもそばにいる」安心感や慣れ合いがセックスをマンネリ化させます。相手の“人としての尊敬できるところ”や“性的魅力”を再発見し続けるのがマンネリ打破のカギ。相手の好きなところを即答できる人は、交際期間が長くなっても相手とのセックスをグレードダウンさせません。
「□自分がムラムラするタイミングがわかる」が当てはまる方は自分の健康を大切に
ストレスやホルモンバランスの乱れで性欲が低下していると、セックスへの興味も減退してしまいます。女性は月経周期と連動して性欲が湧いてくる時期があります。自分のムラムラ期を把握できている人は健康な証。健康あってこそ、セックスは楽しめます。
セックスの満足度を上げるシート「私のトリセツ(セックス編)」
「□ ぼーっとしているときにHな妄想をする」が当てはまる方は、セックスのイメトレを続けてみて
ぼんやりしているときになんとなく、Hな妄想をすることはありますか?
相手とのセックスではなく、好きなアーティストや俳優でもいいんです。隙間時間に「あのときのセックスはすごくよかった! 何度でも思い出しちゃう」「彼とこんなことしてみたいな……」と妄想することで、セックスにポジティブなイメージを植え付けられます。妄想したことを実践しなくても、楽しいセックスをするための立派なイメトレになっているんです。
「□彼と性の話をオープンにできる」が当てはまる方は、セックスの失敗を分かち合える
過去の恋愛やセックスで嫌な体験をしたことがある人は、行為だけでなく、性にまつわること全般に拒否反応が出てしまいます。性の話をすることにも抵抗があるかもしれません。でも、彼と性の話をオープンにできる関係性は、メリットがたくさんあるんです。困ったときにも解決策を見つけることができますし、失敗は笑い飛ばし、悦びは分かち合えます。
セックスが好きなのも、嫌いなのもおかしなことではない
汚いと思う人もいれば、美しいと思う人もいる。しんどいと思う人もいれば、気持ちいいと思う人もいる。怖いと思う人もいれば、うっとりする人もいる。セックスはそんな多面性を持っています。好きな人もいれば、嫌いな人もいるのは当然です。セックスが好きになった理由も、嫌いになった理由も、好きか嫌いかわからなくなった理由も、人それぞれです。
男性はセックスが好きで誘うもの、女性はセックスに応じるもの、という思い込みも危険です。男性にもセックスが好きではない人がいるし、女性にもセックスが大好きな人がいます。別にどちらもおかしいことではありません。
セックスを好きでも、嫌いでも、好きか嫌いかわからなくても、いい。性別や年齢にとらわれる必要もない。その上で、恋愛のパートナーには、自分の思いをなるべく話してみてほしいです。
セックスはプライベートで、正解のない行為だからこそ、ふたりが満足できる形を見つけられる可能性を持っています。話した結果として、「しない」や「ハグだけ」になってもいい。
私は挿入だけをセックスと呼ぶのではないと思います。皆が自分の好き嫌いに嘘をつかないで、要望は言葉にしていけたら、この世の辛いセックスは少しでも減るのではないでしょうか。この機会に自分の嗜好について考えてもらえたらうれしいです。
Text/雨あがりの少女
チェックリスト監修/OliviA
OliviA(オリビア)プロフィール
ラブライフアドバイザー
学生時代に海外留学を経て、性に関する研究調査を開始。「女性のマスターベーション」をテーマに大学の卒業論文を執筆。2007年より日本では珍しい性生活の総合アドバイザーとして活動。テレビ・雑誌など国内外のメディアに多数出演。日本と台湾での書籍出版、サロン・スクール運営など、多方面で「女性がごきげんになるためのセックス」の情報発信を行う。