ぶっちゃけた話、何歳まで妊娠できるの? 2/2
■不妊治療はいつまでに?
卵巣の機能と女性ホルモンの分泌量は37、38歳くらいから急激に衰えます。以前、不妊治療を専門にしている後輩ドクターに「何歳まで妊娠しなかったら不妊治療した方がいい?」と聞いたところ、「37歳までに来てくれたら何とかします」と言われました。
それ以降は、出来ない人はできないといことだそうです。(もちろんこれは私的な会話であって、37歳以下でも絶対にできるという訳ではありません)
40歳を超えると体外受精をしても成功率は一回当たり一割未満になります。40歳以上の女性は年間3万人以上出産していますが、その影に望んでも妊娠できない人が多くいると思います。
私は、40歳の女性に「今から不妊治療を始めたいのですが、どう思いますか」と聞かれたら「できるとは限らないけれど、年齢を理由に諦めるほどのお年ではないでしょう。やってみる価値はあると思います。」と答えます。
41歳、42歳でもニュアンスは厳し目になりますが、同じように答えるでしょう。
43、44歳になると妊娠に至る人は珍しくなるので、背中を押すのは無責任だという気持ちが大きくなります。お金と時間と精神力を費やすものだから、安易に「諦めないで。希望を捨てないで」とは言えません。
45歳になると、不妊治療の成功率はゼロに近くなります。
実際には妊娠される方もいますが、稀有な例と捉えべきでしょう。この間46歳で自分の卵子で妊娠し出産に至ったという人に会いましたが、そのあたりが治療の最高齢です。平成22年の厚労省の統計で、50歳以上の母親から生まれた赤ちゃんが19人います。
ものすごく生殖能力に恵まれた母親もいるでしょうが、外国で卵子提供を受けた母親が相当数混じっていそうです。
ちなみに私が出会った自然妊娠で出産に至ったものの最高齢は46歳で、それより上の年齢で妊娠された方はみな流産されてしまいました。
「いつまで妊娠できるのか」、それをギネスブック的に捉えるか、自分に応用する情報と捉えるかで答えは違ってきますが、勤務している都心の産院では、42歳までの妊婦さんは結構いらっしゃいます。
それより上の妊婦さんをお見かけするのは珍しくなります。ドクターによっては厳し目に言う人も楽観的に言う人もいると思いますが、私はだいたいその辺りにラインがあるんじゃないかと思います。
※ この記事は2013年2月12日に公開されたものです。