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子宮頸がんのこと、誤解していませんか?【赤池智子連載 #4】

子宮頸部にできるがん「子宮頸がん」はDRESS世代で多く見られるがん。だからこそ、正しい知識や情報を手に入れておきましょう。

子宮頸がんのこと、誤解していませんか?【赤池智子連載 #4】

だんだん寒くなってきましたが、みなさん風邪などひかれずにお元気でお過ごしでしょうか?

さて、前回コラム「子宮ってどんなもの?」は子宮の構造やはたらきなどについて説明しましたが、今回は、いよいよ「子宮頸がん」についてです。
子宮頸がんは、前回お話した子宮の「子宮体部」と、「子宮頸部」のうち、膣から子宮への通路にあたる「子宮頸部にできるがん」のことです。

この子宮頸がんは、ちょうど20〜30代女性に最も多く発生するがんと言われており、DRESS世代の皆さんに見られるがんで一番多いがんなのです。
だからこそ、皆さんにはしっかりと知っておいていただきたいなと思う病気でもあります。

■子宮頸がんと結びつけられる「偏見」は根拠なし

このがんは、ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV、以下HPV)というウイルス感染と関連すると言われています。
このHPVは、主に性交渉によって感染しますが、この「HPVへの感染自体はまれなことではない」のです。
実際、成人の70%程度がHPVに感染したことがあるのではないかという推定があります。
だからこそ、ここではっきりお伝えしたいと思います。

子宮頸がんになった方が、周囲から性交渉の年齢が早かったとか、人数が多かったという偏見と短絡的に結びつけられることがあります。
確率的にHPVへの感染率が上がるため、そういった要因はリスクファクターとなり得ますが、子宮頸がんになった方がそうである、と決めつけるのは間違いです。

がんという病気になったという苦しみだけでなく、精神的な辛さから悩まれる方が一人でも減るように、こういった情報を発信し続けたいと思います。
そして、皆さんも正しい知識をつけて自分自身の体、そして心をしっかりと守っていただきたいと強く思います。

■押さえておきたい「異形成」の状態

さて、このHPVですが、普通は感染しても特に自覚症状がなく自然に排除されると考えられているのですが、このHPVには非常に多くの型があることがわかっています。

そして、それらの型のうちHPV16、18、31、51、58型などは「ハイリスク型」と言われており、発がんとの関連が言われています。とくに子宮頸がんではHPV16、18型が多く、これらの型のHPVが排除されずに子宮頸部に感染し続けることで、「異形成(いけいせい)」と呼ばれる状態を経て、子宮頸がんとなり、「上皮内癌(じょうひないがん)」、そして「浸潤癌(しんじゅんがん)」へと進行します。

「異形成」とは前癌病変と言われるもので、わかりやすく言うと普通と違った細胞、状態が見られるということ。

この普通と違う状態が軽い場合は自然に改善、正常になることもあるのですが、かなり強い場合は高度異形成という状態であり、後々がん化しやすい状態です。

また「上皮内癌」とは、がんの状態ではありますが、まだ上皮という表面だけにがんが留まっている状態のことであり、対して「浸潤がん」は、上皮からより奥深くへどんどんとがんが増殖して進行していく状態となります。

そうなると、血管やリンパ管などにも入り込んで流れに乗り、全身のさまざまな他の臓器にたどり着き、今度はその臓器でどんどん大きく増殖、浸潤していきます。
これが以前もお話しした遠隔「転移」という状態です。

それぞれの状態によって、治療法は変わってきますが、いかに早い段階で診断をつけ、治療を行うかが重要になってきます。

自治体で子宮頸がんの検診を実施していることも多いです。DRESS世代の皆さんには、そういった検診で定期的に確認していただくことがとても大切になります。

以上、子宮頸がんについて、概要をつかんでいただけましたか?
次回は、いよいよ子宮頸がんとは何かお話していこうと思います。

赤池智子
医師、内科/皮膚科医。内科認定医。2006年準ミス日本。
患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、日常診療を第一に論文執筆、学会発表、セミナーも行っている。
2006年準ミス日本の経歴も生かし、女性ならではの視点から正しい医療知識に基づいた女性の病気、健康、美容に関する情報も発信し定評がある。
https://www.facebook.com/tomoko.gunji

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赤池 智子

医師、内科/皮膚科医。アメリカ University of Washington皮膚科勤務。 患者の視点に立った医療を行うことを何よりも大切にし、論文執筆、学会発表と共に日常診療を第一に行っている。 2006年準ミス...

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