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思い出せないと困る……ビジネスシーンで名前を忘れない方法

この人、なんて名前だっけ……。ビジネスシーンで相手の名前を思い出せなくて、焦ったことのある方は少なくないのでは。そんな方向けに、『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』著者の宇都出雅巳さんが、名前を確実に覚える方法をご提案します。

思い出せないと困る……ビジネスシーンで名前を忘れない方法

「あれ? あの人、会ったことある。でも、名前何だっけ?」
「昨日は昼ごはんに……あれ? 思い出せない……え?」

最近、なんだかもの忘れが多くなっていると感じていませんか?

「昔はこんなことはなかったのに……記憶力が落ちている。ヤバいかも」なんて不安に持っている人がいるかもしれません。

でも、実際には記憶力が落ちていることはないそうです。
「よっぽどの高齢や、認知症などの病気でない限り、歳をとったから記憶力が落ちたというのは錯覚ですし、そもそも記憶力にいい・悪いはありません」

こう語るのは、専門家サイトで記憶術のガイドを務め、『「1分スピード記憶」勉強法』や『3ステップ記憶勉強術』など記憶に関する著作も多い、トレスペクト教育研究所の宇都出雅巳さん。
さらに、「記憶のメカニズムを知れば記憶に関する不安は解消しますし、忘れることも減らせます」とのこと。

宇都出さんは今年・2016年4月に出版された『「名前が出ない」がピタッとなくなる覚え方』(マガジンハウス)で、「あれ? 忘れた」がなぜ起こるのか? どうやればそれが防げるのかを、仕事や日常生活の中でよく起こる21のケースを例に解説しています。


これから何回かにわたって、その中からいくつかのケースを選んで、なぜ忘れるのか? そして、どうすれば忘れないのかを解説してもらいます。
今回取り上げてもらうのは、おそらく多くの人が経験している「あれ、名前なんだっけ?」、名前のど忘れについてです。

■名前は忘れやすい。だから忘れると大変

まず押さえておきたいのは、「名前」とはそもそも忘れやすいものだということ。
なぜかというと「無意味」なものだからです。
「え? 名前が無意味なわけはないでしょう?」と思われるかもしれませんが、「山田さん」が「田中さん」に変わったからといって、何か変化があるわけではありません。「山田さん」が「山田さん」である意味はあるようでないのです。
これが、たとえば「職業」だったらどうでしょう? 「パン屋さん」から「会社員」に変わるのは明らかに変化です。つまり、意味があるわけです。
もちろん「名前」は大事なのですが、それ自体は意味を持たないため、記憶に残りにくいのです。
このように忘れやすい「名前」ですが、忘れると困るのも「名前」です。
以前、どこかで会って名刺も交換しているのに、名前が思い出せないまま話しているのは居心地悪いですよね。かといって、「お名前は?」と聞くのも相手に失礼になる。
職業や出身地だったら、「確か、お勤めでしたね?」とか「九州のどこのご出身でしたか?」と曖昧な記憶を元に質問できますが、名前だとこうはいきません。正確に覚えていることが求められるのです。
記憶の悩みの中で、多くの人が「名前が覚えられない」を一番に挙げますが、そもそも覚えにくいことに加え、忘れたときの困り度合いが高いという、このギャップがその原因なのです。

■初対面のとき「できるだけたくさん繰り返す」のが勝負!

では、どうやったら「名前」を覚えられるのでしょう?
それは覚えるための基本「繰り返し」を活用すること。
具体的には、初対面で名刺を交換したり、名前を聞いたりしたとき、その後の会話で、できるだけ相手の名前を出しながら話をするのです。
「山田さんは、何のお仕事をされているんですか?」
「山田さんは、どこのご出身なんですか?」
普通は「山田さんは」とは言わずに、「何のお仕事を……」「どこのご出身……」と主語を省略しがちです。そこをあえて、省略せずに名前を繰り返すのです。
こうやって、相手の名前を声に出した経験は、自分の体験の記憶として残りやすくなります。少しでも記憶してしまえば、自然と繰り返しも起きやすくなり、長期記憶として定着します。
このように、初対面の最初に名前を知ったあとで、いかに名前を口に出して繰り返せるかが、名前を覚えるか、忘れるかの大きな分かれ道となるのです。
ぜひ、今日からちょっと意識して、相手の名前を会話に入れるようにしてください。あまりに入れすぎるとしつこくなる危険はありますが、特に不自然と感じられることはありません。
逆に、名前を呼ばれることで、相手はあなたに親近感を感じ、関係が築くやすくなるという効果もあります。

■記憶力の違いはちょっとした行動の違いにすぎない

このように、「記憶力のいい・悪い」は、ちょっとした行動の違いにすぎないのです。
そして、必要な行動を起こすためには、まずは脳の記憶の正体を知ること。
「名前」にかぎらず、仕事や日常の「あれ? 忘れた」の正体をよくよく見てみれば、記憶力に対する不安はなくなり、効果的な覚え方がわかってきます。
次回以降も具体的なケースを取り上げて、なぜ忘れるのか? どうしたら忘れないのかを解説していきます。お楽しみに!

宇都出雅巳さん

トレスペクト教育研究所代表
東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年にわたり、記憶術と速読を実践研究し、脳科学や心理学、認知科学の知見も積極的に取り入れた独自の学習法を確立。個人向けの講座・指導を行うほか、企業研修や予備校講師の指導も行う。専門家サイト・オールアバウト「記憶術ガイド」。
主な著書に『「1分スピード記憶」勉強法』(三笠書房)、『合格(ウカ)る技術』『合格(ウカ)る思考』(すばる者)、『速読勉強術』『絶妙な聞き方』(PHP文庫)、『3ステップ記憶勉強術』(実務教育出版)など多数。最新刊は『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(クロスメディア・パブリッシング)。
ホームページ:www.utsude.com
Ameba公認専門家ブログ「だれでもできる!速読勉強術」:http://ameblo.jp/kosoku-tairyokaiten-ho/


DRESS編集部

いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。

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