【はじめまして能楽】日本が誇る最古の芸能は癒しにあふれた空間だった(前編)
https://p-dress.jp/articles/4524まだ能楽の世界に触れたことのない方にこそ知ってほしい。初心者でも楽しめるトークイベントや、体感する能、バックステージツアーなど、能楽の世界にどっぷりと浸かった濃厚な6時間。DRESS観劇部イベントレポート前編をお届けします。
昨年大好評を得た能楽の鑑賞イベントが、7月28日(土)東京・水道橋で開催されます。今年はおめでたく、目にも楽しい演目『七人猩々』を上演。上演前には、能・狂言の見方についてもレクチャーしてくれるので、能楽初心者でも安心です。 観劇部限定の特典として、終演後のバックステージツアーも開催決定!
能・狂言鑑賞のレクチャー付き公演「体感する能 『七人猩々』」の参加者を募集します。
当日は、能と狂言の上演だけでなく、演目や見方のコツを解説してくれるほか、最新のAR字幕解説(有料、先着順)も用意されているので、初めての能楽鑑賞でも安心です。
終演後にはDRESS読者限定で、能楽師によるバックステージツアーも開催! 能楽デビューを飾るなら、ぜひこの機会を見逃さないで。
昨年もDRESS観劇部で参加した『体感する能』は、「もっと気軽に能を観てほしい」という思いから、宝生流の若き宗家(家元)宝生和英さんを中心に、現代アーティストとコラボレーションを行い、10年にわたって続いてきた企画公演です。
今年は7月28日(土)15時より開演、狂言『蚊相撲(かずもう)』と能『七人猩々(しちにんしょうじょう)』の二本立て。
公演の間には、能や狂言の楽しみ方をレクチャーする「謎解き!体感ナビ」や、昨年も大好評だった能装束や能面を身に着ける体験コーナーも実施されます。
また、切り絵アーティストの福井利佐さんが手がけた公演のメインビジュアルにもご注目。実際の能面や能装束を見て構想を膨らませたという切り絵は、能面の表情まで映し出されたかのような精巧さと迫力があります。10周年を記念して、会場にはこれまでの作品が展示されるとのこと。こちらも必見です。
▲「謎解き!体験ナビ」では解説のほか声優による朗読なども行われる(撮影:伊東祐太)
伝統芸能のひとつである能楽は、歌舞伎や文楽にも影響を与えており、現存する日本の舞台芸術の祖ともいえる存在です。
成立したのは室町時代。長い歴史の中で、型を継承しながら脈々と受け継がれてきただけあって、慣れるまでは言葉やその表現方法がわかりづらいということもあるかもしれません。
「初めて能や狂言を見るけど、わからなかったらどうしよう……」
そんな方に向けて、わかりやすく能と狂言の見方をレクチャーしてくれる「謎解き!体感ナビ」が実施されます。一度見方を教われば、きっともっと能や狂言に対する疑問がわき出てくるはず!
これを聞けば、伝統芸能の見巧者への一歩を踏み出せるかも?
相撲取りを召し抱えたいという大名の命令で、相撲取りを探しにきた太郎冠者。それに出会った蚊の精は、我こそは相撲取りだと言い張り、大名の屋敷に同行します。そこで蚊の精は太郎冠者と相撲をとることになりますが……。
蚊に悩まされる夏だからこそ見たい痛快さ! 蚊の精の出で立ちにもご注目です。
夢のお告げに導かれて市場で酒を売る高風のもとには、いくら呑んでもまったく酔う気配のない不思議な客がいつもやってきます。高風が不思議に思って名を尋ねると、彼の者は海に住む猩々だと名乗るのでした。ある晩、高風が猩々を待っていると、猩々は波間から現れ、高風の酒を呑みつつ舞い遊ぶのでした。
「猩々」とは古くから中国に伝わる架空の動物です。能では酒が大好きな妖精として描かれ、猩々面と呼ばれる赤い専用面が使われます。お祝いごとの際に上演されることも多いおめでたい一曲。通常は一人で演じられる猩々役を、今回は総勢7人の猩々が登場するという豪華な特別演出で上演されます。
▲楽屋裏からまわって舞台全体を見学させていただきます(撮影:伊東祐太)
終演後には、能楽師によるバックステージツアーを開催。楽屋で白足袋をお借りして、楽屋や能舞台に潜入します。
普段足を踏み入れることのない能舞台の裏側を、能楽師の生の声を聞きながら案内してもらえるまたとないチャンスです。
能楽の公演は一日かぎりの公演が基本。ロングランで上演されることはまずありません。
舞台は一期一会といいますが、能の場合はまさしく、同じ配役で同じ演目をやるという機会は非常に稀です。
そして、今回の公演である「体感する能」は10周年を機にグランドフィナーレを迎えるとのこと。企画当初30代だった若手能楽師も今では40代前後となり、それぞれに活躍の場を増やしているのだとか。
現代アーティストや放送作家の構成によるわかりやすい解説など、今のかたちの公演を見ることができるのはこれが最後かも。
ぜひこの機会に観能体験の一歩を踏み出してみては。
昨年の公演レポートはこちら。
【はじめまして能楽】日本が誇る最古の芸能は癒しにあふれた空間だった(前編)
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【はじめまして能楽】日本が誇る最古の芸能は癒しにあふれた空間だった(後編)
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開催日時:2018 年 7 月 28 日(土) 14:00 ~ 18:30(予定)
会 場:宝生能楽堂(JR 水道橋駅東口徒歩 3 分・都営三田線水道橋駅 A1 出口徒歩 1 分)
料 金:S席6,500円
公演URL:http://www.hosho-wanokai.com/
プログラム:
14:00 集合・開場
15:00~17:15 体感する能(狂言『蚊相撲』、能『七人猩々』)※1
17:30~18:30 スペシャルトークセッション「『和の会』ができるまで」
18:30以降 読者特典バックステージツアー ※2
※1 狂言と能の前に「謎解き!体感ナビ」を開催。途中休憩あり。
※2 終演後よりDRESS読者限定で舞台見学ツアーを実施します(30分程度)。白足袋をお持ちの方はご持参ください。お持ちでない方へは貸出しします。
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