妊娠するためにはセックスをしないといけませんか?
妊娠するためのセックスの第一ポイントはズバリ「頻度」。義務感よりも気持ちいいセックスができることが理想ですが、あまりしたくないカップルにはシリンジ法といった方法も。
前回の記事で、「妊娠するためには週に2〜3回セックスをしましょう」と書きましたが、「そんなに無理!」とたくさんの方が思われたのではないでしょうか。妊娠を希望している患者さんやアラフォー友人知人の話をしていると、自分も相手もセックスにノリノリで週に2回でも3回でもやりますよ、という人は非常に少ないです。
性ホルモンがじゃんじゃん出ている20歳そこそこの頃にはそのくらいセックスしていたという人は結構いると思いますが、アラフォーですからねえ。欲望や快楽のままにするセックスと違って、妊娠のためにするセックスというのは盛り上がりにくい。「あなた、今日はチャンスデーよ」というと男性がプレッシャーで勃起しにくくなるというのはよくある話ですが、女性だって「今日はやっとかないと」と思ってセックスすると濡れにくい。
でも、残念ながらローションの中には精子の運動率を下げてしまうものもあります。(生殖医療専門医 松林先生のブログはおすすめです)男女ともに「妊娠したいから(気は進まないけど)セックスしなくちゃ」という人よりも「セックス大好き! 気持ちいいの大好き!」という人の方が妊娠に有利なんです。
なので、理想論としてはまず、パートナーと「気持ちいいセックス」が出来るよう、テクニックの基本を見直したり、セックスのプレイの趣味を合わせたり、ふたりがエッチな気持ちになれるオカズを探したりして、「セックスに没頭していたら子どもができた」を目指しましょう。
とはいえ、ふたりの子どもが欲しいというライフパートナーに適した人が気持ちいいセックスができる相手かというと、そうとは限らないものであります。
もうセックスはいいよ、という人に知っておいて欲しいのが、シリンジ法であります。注射器がひとつあればできる方法で、男性にマスターベーションをしてもらう、もしくは前戯だけで射精してもらい、その精液を注射器で吸って女性の膣内に入れるという方法。精液が膣に入るという意味ではセックスと同じ意味があります。
しかし、私の友人でパートナーが年配でそんなに頻繁にできないという女性たちにすすめたところ、パートナーがどん引きしていたそうです……。いや、セックスをするかそういった方法を受け入れるか、どっちかはしていただきたいとこなのですが、種馬扱いに敏感な男性には難しいかもしれません。
高額な生殖医療のお世話になる前に、参考にしていただければ嬉しいです。
※ この記事は2014年7月23日に公開されたものです。