女性として、母として気になる衆院選。1票の重みを感じながら投票に行く【わたしの選挙#1】
10月22日に投開票される第48回衆議院議員総選挙。選挙ポスターに込められたメッセージ、同じ女性であり、中には母親業と両立する候補者の活動が気になる、という木村えりなさん。自身も働く女性で、ふたりの娘さんのお母さん。今回の選挙をどう見て、考えて、政治を通じてどんな未来を望んでいるのか。率直な思いを綴っていただきました。
「行ってらっしゃい」と娘をいつも通りに見送った、6時55分。
5分ほど経ったころ、スマホのアラームが鳴った。「こんな時間に地震?」と思いながら防災速報を確認すると、北朝鮮からのミサイル通過、とのこと。
わたしは都内在住で対象地域からは外れているけれど、対象地域にお住まいの方は、このアラーム音が気が気ではないだろう。
子どもに毎日かける「行ってらっしゃい」が、安心できる朝の挨拶であってほしいと強く願う。
そんな中、始まった衆議院議員選挙。告示されて12日間で投票。有権者としても情報収集を急がないといけない。
皆さんはどんな情報収集をしていますか?
◼︎選挙ポスターが気になる
スタイリスト兼ブランディングディレクターという職業柄、やはり気になるのが選挙ポスター。
・色彩の取り入れ方
・公約の書き方
・ファッション
・文字の書体
などにとても興味があります。
例えば、ファッション。
・スーツなのか?
・カジュアルなデイリー感のある装いなのか?
例えばスーツなら「信頼」「キャリア」などのメッセージを感じますよね。
シャツスタイルなどのややカジュアル感のある装いだと、「親しみ」「地域密着」といったメッセージを感じます。
次に色彩からのメッセージ。
政党のカラーももちろん考慮されてのことですが
・オレンジ 明るい未来
・グリーン 安心感
・青 信頼・冷静
・赤 情熱
など、人は色彩感覚から瞬時に、色のメッセージを受け取っています。
だからこそ、選挙ポスターは面白い。
公約が……と思う前に、お住まいの地域の選挙ポスターをじっくりご覧になってください。たくさんのメッセージが込められていることに気づきますよ。
◼︎女性の立候補者が気になる
今回の衆議院選挙、女性の候補者は17.7%なんだとか。
この数字は過去最高と聞きますが、思ったより少ない印象も。とはいえ、わたしの住んでいる地域は立候補者が男性ばかり。そりゃそうか、と納得します。
一方、首長は女性です。さらに、娘の同級生のお母様。とても身近に女性首長がいらっしゃるんです。
同じ女性として、これほど応援したいな、と思うことはありません。というのも、平日も選挙活動に励んでいらっしゃる姿を何度も見かけたから。
平日の選挙活動なんて当たり前ですが、同じ子どもを持つ母親だから思います。子育てをしながらの選挙活動って、並大抵の時間割ではできません。朝、娘を駅まで送り届けたときに、駅でばったりその女性首長に会いました。
朝7時からおひとりで演説をされるのだとか!
母親業って、スケジュール帳に書ける仕事以外のことがとても多いです。例えば、習い事の送り迎え。
スムーズに送り迎えができれば5分で済むところが、子ども相手だとそうはいきません。行き違いがあって時間のロス30分。お友達と遊び出して60分待つ。なんてことは日常茶飯事。
自分のスケジュールがうまくいくことなんて週に1度あれば良いもの。だからこそ、女性立候補者の活動の仕方にはとても興味があります。
◼︎目先のことだけでなく、新時代を担う人たちの未来も考えたい
各政党の公約はとても気になりますね。政治にさほど詳しくないので、1票投じるならば、と時間を作り公約を読んでいます。
ゆっくりテレビを見て候補者のディスカッションを聞いたり、候補者の演説を聴いたりする時間がなかなかとれないので、わたしは各政党のホームページを見ています。
気になる項目は人それぞれだと思いますが、子育て世代としては、子どもの教育費などはとても気になります。
幼稚園・保育園無償化と言われても、はっきり言ってピンときません。なぜなら、今ゼロだとしても、先が読めないのが今の日本だから。
新しい政党ができたり、政党内も大きく変わったり。わたし個人の意見ですが、子育て世代は何を信じたら良いの? というのが今の正直な気持ちなんです。
それよりも、環境をしっかり整えてほしいという気持ちが強いです。例えば、幼稚園教諭・保育士・介護職の方の待遇改善や給与引き上げetc.。今だけでなく、未来を読んだ環境をきちんと整えること。
私たちは、必ず老いていく。新しい時代は、子どもたちが担っていく。
小学校3年生の娘の社会科の授業で、「戦争」について周囲に聞いてこよう、という宿題が出たんです。でも、わたしの身近に戦争を知っている人がいなくて、その宿題は提出できませんでした。
わたしの祖父や祖母は、戦争を知っている世代だったので、その恐ろしさやどんな経験をしたか、聞けば教えてくれる機会が身近にあったんです。
でも、娘の宿題を聞いたとき、戦争を語れる人と接する機会がなかなかない、と初めて気づきました。時代は必ず流れていく。
たった1年前に、北朝鮮からのミサイルアラームが鳴ると予想していましたか? わたしは、まったく予想していませんでした。
政治に興味がある人もない人も、1票投じることができる権利は軽いようでとても重いです。
たかが、1票。されど1票。自分の1票を投じに行くことで、またひとつ日本の政治を身近に感じ、興味がわくようになるはず。
女性目線で、母親目線で、一人の人としての目線で、一人ひとりの未来に向けて、投票をしませんか?