恋愛をしていないとヒゲが生える?ーホルモンの名を借りたセクハラー
https://p-dress.jp/articles/284女性ホルモンが減るとヒゲが生えるんですか?生えません!ちょっと前に「恋愛から遠ざかっていたらヒゲが生えてきた39歳女性」が主人公の連続ドラマがありました。このドラマはジョークですが、恋愛やセックスと女性ホルモンの分泌を結び付ける発想はセクハラにもつながりかねないので気を付けて下さいね。
皆さん都市伝説って信じてますか?女性の体に関する都市伝説は数多くありますが、都市伝説を信じているつもりでなくても当たり前に思っていたことが、実は何の根拠もない都市伝説だったりします。今回は女のカラダ都市伝説について宋先生にお話しを伺いました。
まず始めに、前回のコラムで「次は男性不妊のお話です」と予告したのですが、山積みの書類のどこに文献をしまったか探せていないので、延期させて頂くことをお詫びします。
こちらのコラムで人気のテーマの一つが「トンデモ斬り」です。「恋愛をしないとヒゲが生える?」「オス化ってなんのこと?」というホルモン関連の都市伝説から、「酵素ジュースって効くの?」「布ナプキンって何がいいの?」など、女性のカラダに関して一般に広く信じられていることのうち医学的な事実が異なるものについてズバズバ指摘したところ、かなりの大反響。やっぱりみんな信じてたんだ、と改めて感じました。
先日、仲のいい女性誌の編集さんやライターさんたちと私の自宅で集まってダラダラお菓子を食べながら、
「ねえ、なんで女性誌は『セックスできれいになる!』とかそういう記事をいっぱい載せるの?」
ときいてみました。すると、
「やっぱりさ、読者はセックスに興味があるわけよ。でも、あんまり直接的だとひいてしまうから、美容や健康と関連づけると記事を読みやすいのよ」
とのこと。
「つまり、美容や健康というエクスキューズ(言い訳)がないとセックスの記事を読むのに抵抗があるってこと?」
どうも、読者の多くはセックスに関する特集に対して興味があるもの、「セックスでもっと快楽を追求」とか「こうすればもっとイケる!」のような記事にはひいてしまうので、「セックスできれいになる!」のような記事が受けがいいそうです。
それに加えて、「セックスしただけできれいになれるなんて、本当だったらいいなあ」というファンタジーの部分もあると思います。「我慢しないで100万円貯める!」とか「スイーツ食べるだけダイエット」とか、嘘かも知れないけどどんなもんかちょっと読んでみようって思ってしまうのと同じではないでしょうか。
私は言いました。
「でもさ、『セックスできれいになる』ってあまりに言われているから、『ホルモンバランスを保つためにはどのくらいの頻度でセックスしないといけないんでしょうか』みたいな真剣な相談が結構あるんだよ」
すると、
「え、そんな人がいるの?」
とびっくりされました。本当に、いっぱいいるんです!
先日、思いつく限りの女のカラダ都市伝説をメッタ斬りにした「女のカラダ 悩みの9割は眉唾」という本を出版したのですが、産婦人科医たちに読んでもらったところ、
「ほんと、こういうこと信じてる患者さんすごく多いよね」
「これを待合室に置いておいたら、私たちの仕事なくなるんちゃう?」
と大好評。
どこかで産み出された都市伝説を信じて悩んでいる患者さんに、「それはちがいますよ」と日々説明している産婦人科医は私だけではなく、みんなだった……
健康に関する誤情報は、笑えるものから時に人生を大きく狂わせるものまでさまざまです。
皆さんも都市伝説にだまされないよう、気をつけてくださいね。
『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』 (講談社プラスアルファ新書)
関連記事↓
恋愛をしていないとヒゲが生える?ーホルモンの名を借りたセクハラー
https://p-dress.jp/articles/284女性ホルモンが減るとヒゲが生えるんですか?生えません!ちょっと前に「恋愛から遠ざかっていたらヒゲが生えてきた39歳女性」が主人公の連続ドラマがありました。このドラマはジョークですが、恋愛やセックスと女性ホルモンの分泌を結び付ける発想はセクハラにもつながりかねないので気を付けて下さいね。
最近女性誌で目にする「女性のオス化」という言葉。男並みに仕事をすることで男性ホルモンが出て、ヒゲが生えたり体毛が濃くなるというようなストーリーのようですが、実際そのようなことは起きません。メディアが煽り立てる女性像とはどのようなものなのでしょうか。
酵素ジュース。若い女性の間で人気ですよね。「酵素ジュースで痩せる」「酵素ジュースでお肌が綺麗に」など、いろいろな謳い文句の商品を目にしますが、医学的な面から見ると本当に効果はあるのでしょうか。宋美玄先生にお話しを伺いました。