ダイエットの「我慢」「辛い食事制限」という考え方は今すぐ捨てる【森拓郎】 3/4
――ストレスというのが、ダイエット失敗の大きな原因だと思うのですが、こういったストレスを減らす考え方やコツなどあれば教えていただきたいです。
何がストレスになるかは、人それぞれ違ってくるとは思っています。
ただひとつ言えるのが、食べ物を減らすことがストレスになるのなら、減らさなきゃいいんですよ。減らさないで、食べるものの種類を変えればいいんです。これまでひどい食生活を送ってきたのなら、質の良いものを食べるようにすればいい。
――食事量はそのままで、食生活を良いものに変化させることでストレスを軽減する、ということでしょうか?
そうです。でも、好きなものは食べたいじゃないですか。だから、月に何回までは好きなものを食べるって決めればいい。だけど、みんなここを0回にしちゃう。
すべて我慢する必要なんてないんですよ。今まで5だったものを3にするだけで、前進しているのに、0にするからストレスが出てくる。そうしないと変わらないと思っている。これがダイエットでリバウンドする考え方。
これからの人生で、我慢し続けるんですかって話ですよ。これも禁煙に例えられるんですけど、たばこを吸わない人って、吸うのを我慢しているわけではないですよね。吸いたいと思わないから吸わないだけ。
だけど、これまでたばこを吸っていた人たちは、我慢をしなければいけないって考えている。これが間違いなんです。吸いたくなくなればいい話なので。
要は吸いたくなくなる頭の思考に変えればいい。そうなるためには、我慢をしてはいけない。まずは我慢をしないことありきで考えなければいけません。
――どうしたら辛くないのかを考えることが第一歩になる。
そうそう。
禁煙セラピーとかでも紹介されていますけど、まずはたばこを持たない。それで、吸いたくなったら買って吸う。吸ったらすぐ捨てる。こういったことを繰り返していくと、買うのがだんだん面倒になってくるんですよ。
食事もこれと同じです。まず、お菓子を買い置きしない。食べたくなったら買って食べる。お得パックを買わない。友達に誘われたら食べるけど、自分ひとりでは食べない。いろいろ方法はあります。
「これをやっちゃダメ」ではなくて「これをこれに変えてみましょうか」ということをやっていかないと前に進んでいかないんです。「我慢し続けることによって、全く食べなくなりました」なんて奇跡は起こりえませんよ。みんな自分の意思力を過信しすぎていると思います。
――食事のことを考えないようにしようとすると、逆に食事のことしか考えられなくなる。だから我慢はしない、ということですね。
「痩せろ」って言われ続けた結果、「食べてはいけない」と考えることで、もともと甘いもの好きじゃなかったのに、食べちゃうこととかあるんですよ。
「食べちゃいけない」って頭の中では「食べたい」ってことですから。そうじゃなくて、プラスに働くことをもっとしたいと思わなければ変わっていきません。
■運動後は速やかに栄養を摂ることで、痩せやすい体質をつくる
――本書を読んで、ダイエットにおいて筋肉の役割が非常に重要であるといった印象を受けました。これは脂肪燃焼効果が上がる、といったことなのでしょうか?
もちろん、それはあるのですが筋肉が増えたからといって何を食べても太らなくなるというほど甘いものではありません。
大事なのは運動によって筋肉に刺激を与えること。そうすると、体がうまくエネルギーを使うようになります。有酸素運動でもなく、筋トレをして、筋肉を増やすことばかりでもなく、筋肉に刺激を与えたあとに、どういう風に栄養素を取り入れるかが重要なんですよ。
――運動後にすぐ食事を取ることは、もったいないと思ってしまいます。
それは間違えた考え方なんですよ。
筋肉に刺激を入れると、体は「筋肉をつくりたい」というシグナルをいっぱい送ります。このときに、材料となる栄養を入れないでどうするの? って話なんです。だから運動後は速やかに栄養を摂ってください。
体が乾いたスポンジみたいになっているところに、食事を取ってあげることで、栄養を取り込むルートができやすくなるんです。そうすると体は、体脂肪ではなくて、筋肉とか細胞にエネルギーを作ってあげるようになる。要はこれが代謝が上がる状態。
普段、筋肉に刺激を与えていない人は、代謝が落ちているからエネルギーが余っちゃって、体脂肪に蓄えちゃう。だから、運動後に栄養を摂ることで、細胞がエネルギーを使いやすい道をつくってあげることが大切なんです。
運動後30分以内にプロテイン飲めとかってよく言いますよね。ただ、プロテインじゃ足りないから、もっと吸収のよいものとか、ほかの栄養もたくさん取ってください。