「小胸筋」こそ美バストを叶える大事な筋肉
小胸筋と呼ばれる筋肉をご存知でしょうか。バストのトレーニングというと、「大胸筋」を連想する方は多いですが、もうひとつ忘れてはいけない、整えるべき大切な筋肉が小胸筋なんです。今回はあまり知られていないものの、美バスト・メリハリのある体を目指す女性に注目してほしい「小胸筋」のお話です。
前回のコラム「筋トレでバストアップは難しい。でも『垂れバスト』予防には◎」でご紹介したように、筋トレでバストサイズをUPするのは難しいですが、胸筋を鍛えることでバストの下垂を防ぎ、形をキレイに形成する効果は期待できます。
バストを支えている筋肉の中でも、「大胸筋」をご存知の方は多いと思います。しかし実は、美バストを手に入れるには、重要な筋肉がもうひとつあるのです。
■美バストのカギとなる筋肉はふたつある
バストを支える主な筋肉は「大胸筋」に加え、「小胸筋」があります。
筋肉は姿勢を維持し支える、体の可動をサポートする、循環機能を行うなど、とても重要な役割を担っており、胸筋にも胸郭を引き上げ呼吸の補助を行ったり、上半身を支えたり、体の動作をサポートしたりと、さまざまな役割があります。
大胸筋の役割
ご存知の方も多い大胸筋は、バスト全体を支える土台となる筋肉です。この筋肉を鍛えることで男性はたくましい胸板を、女性はバストの重みを支えて下垂を防ぎ、ハリのあるバストを手に入れることができます。
小胸筋の役割
小胸筋は大胸筋の内側にあり、肩甲骨と肋骨につながっている筋肉。「天然のブラジャー」と呼ばれ、サスペンダーのようにバストを引き上げる役割を果たします。また、左右のバストを中央に寄せたり肋骨を引き上げたりする重要な役割を担っています。
実はこの小胸筋こそ、美胸を目指すうえで整えるべき筋肉なのです。
■美バストのために小胸筋を整えよう
「大胸筋を鍛えすぎて胸が小さくなった」という話を聞いたことはありませんか? 大胸筋はアウターの筋肉。鍛えることで筋肉に厚みが出るので、男性が鍛えるとたくましくカッコいい胸になりますが、女性が鍛えすぎると脂肪を燃やし、バストまでも引き締めてしまいます。
その点、小胸筋は大胸筋の内側にある筋肉。インナーマッスルと呼ばれるように、まさに縁の下の力持ち。バストアップだけでなくスタイルアップにはとても重要な筋肉なのです。
バストを引き上げ下垂を防ぐ
大胸筋も含め、バスト全体を肩からサスペンダーのように引き上げている小胸筋。
大胸筋を鍛えたときほどの見た目の変化はありませんが、小胸筋がバストを垂れないように吊り上げ、さらに背中に流れないように支えているのです。
離れ乳を防ぎ谷間をつくる
小胸筋は肩から斜め内側の肋骨につながっていて、バストを内側へ寄せる筋肉でもあります。背中にバストの脂肪が流れ、左右のバストが離れるのを防いでくれます。美しい谷間をつくりたい女性にとっては重要な筋肉です。
肋骨を引き上げクビレのあるウエストラインをつくる
小胸筋は肋骨を引き上げ、呼吸のサポートを行います。肋骨が下がってしまうと、肋骨と骨盤の距離が狭くなり、お腹が潰れた状態に。結果、ウエストのくびれが失われてしまいます。
■現代女性は小胸筋が疲れている
この小胸筋は、ただ鍛えればいいわけではありません。
前傾姿勢(猫背)と呼ばれる姿勢や内巻き肩になりがちな方は、肩甲骨が引き上げられてしまい、小胸筋に負荷がかかって、常に筋肉を収縮した状態になっています。
すると、筋肉が硬くなり、機能が低下してしまいます。背中や肩、首にコリを感じる方は小胸筋も疲れている可能性が高いです。
長時間のデスクワークやスマホを見る際の姿勢に気をつけて、小胸筋をストレッチやトリートメントでほぐす・緩めることをおすすめします。
小胸筋にも影響する悪い姿勢は、胸が圧迫されて肋骨が広がり、アンダーサイズが大きくなります。また、呼吸が浅くなり代謝も低下、痩せにくい体質になってしまいます。
■小胸筋を緩めてあげて
意外と知られていない小胸筋の存在。
小胸筋はバストの下垂を防ぎ、バストを内側へ寄せ、ウエストラインにも影響する、メリハリのある美ボディに大いに関わる筋肉です。一方で、日常生活で無意識のうちに酷使している筋肉でもあります。
まずは、収縮して硬くなった小胸筋を緩めましょう。そのためには姿勢を整え、上半身の緊張を解放することが大切。
そこから日々のトレーニングで小胸筋を鍛えることで、美しいバスト、ひいてはメリハリボディへと導くことができるのです。
次回は、小胸筋を鍛えるトレーニングやストレッチについて、詳しくご紹介します。