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どこからが神の領域でしょうか

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人間はこのようにして生まれてくるべき。この考え方は人それぞれ違うと思います。ただこれは人間が生まれてくるまでの過程の話で、生まれた後はみんな同じ人間です。その過程の一つの選択肢として卵子凍結保存という技術があります。皆さんは人間が誕生する過程についてどう考えますか。

どこからが神の領域でしょうか

「卵子老化キャンペーン」の真っ最中に卵子凍結保存という技術が実用化されたということが話題になり、反応は人それぞれでした。
私は「5年前にあったら絶対やったと思う。男女の格差を埋める一つの選択肢だと思う」と万能視はしないものの肯定的に捉えました。

しかしどちらかというと、
「こんな技術が出来たら、ますます妊娠を先延ばしにする人が増える!」
「卵子を凍結保存出来ても子どもを産める保証にはならないのに誤解する人が出る!」
など、否定的な意見の方が多かったように感じました。特に今後その技術の恩恵を受けることはない年代の人は性別を問わずそういう意見の人が多かったと思います。

少し前にあるテレビ番組で卵子の凍結保存が議論の的となっているので見ていたら、パネラーの方が、
「神への冒涜だ!」
と言っていてびっくりしました。

卵子凍結保存が神への冒涜なら、体外受精も顕微授精も受精卵の凍結保存も神への冒涜だと言わねばなりません。しかしその方は、今ある技術は良いけれど、新しく未受精卵を凍結することは冒涜だと言っていました。(精子は既に凍結保存されていると聞いて黙っていましたが……)

新しい生殖技術を警戒する気持ちは当然のことだと思いますが、女性の人生の選択肢が増えてひとつ自由になることを懸念する声を聞くと、「女性は仕事などせず、若いうちに子どもを産んで家庭で小間使いとなれ」と言われているような気になるのは私の被害妄想でしょうか……

ちなみに、昨年ノーベル賞を受賞したiPS細胞こそ、果てしない生殖技術革新の可能性を秘めていて、神への冒涜するかもしれない度合いは未受精卵の凍結保存の比ではありません。普通の細胞から精子と卵子が作れる訳ですから、生殖年齢が広がるどころか同性愛者の子どもだって技術的に可能になるでしょう。

でも、誰もそんなことを言わずにお祝いムードだったのは、山中教授の素敵な笑顔にノックアウトされて、そこまでiPS細胞が何なのかを理解できなかったからでしょうか。いずれにしても、自分の想像力の及ぶ範囲でしか判断出来ないと言うことは言えそうです。

議論は尽きませんが、実際にアラフォー女性にとって卵子凍結保存はどんな存在になるのでしょうか。発売中のDRESS1月号にリプロセルフバンクの香川則子所長との対談「卵子凍結保存の先にある 私たちの『産む』を考える」が載っているので、是非チェックしてください。

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宋 美玄

産婦人科女医・性科学者。現役産婦人科医として、都内の病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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