卵子凍結は夢の技術?

卵子凍結は夢の技術?

今は決まった相手がいないけど、いつか子どもを産みたい。今は子どもが欲しいかどうか分からないけれど、いつか欲しくなるかも知れない。そんな女性の望みを叶えるのが未受精卵の凍結技術。以前は一度凍らせてしまうと受精する能力を失ってしまっていたため、受精卵の凍結しか行われていませんでしたが、最近その技術が進み、未受精卵の凍結も実用化されてきました。日本国内で既に請け負っているところが結構あります


今は決まった相手がいないけど、いつか子どもを産みたい。今は子どもが欲しいかどうか分からないけれど、いつか欲しくなるかも知れない。そんな女性の望みを叶えるのが未受精卵の凍結技術。以前は一度凍らせてしまうと受精する能力を失ってしまっていたため、受精卵の凍結しか行われていませんでしたが、最近その技術が進み、未受精卵の凍結も実用化されてきました。日本国内で既に請け負っているところが結構あります。

まずは費用ですが、大体60万円くらいから。卵子一つ一つに凍結保存料がかかり、毎年毎年払わなければいけません。私の周りで真剣に興味を示した女性たちも、値段を聞いて「ちょっと……」と引き気味に。しかし、こないだのDRESSプレゼンツのオムニバスドラマで小池栄子さん扮する独身女性が90万円のウェディングドレスをノリで買ってしまうという話がありましたが、それなら卵子凍結だろ!!と思いました。

問題は、1個卵子があるだけでは妊娠できる可能性は低いということ。じゃあ何個あれば妊娠して出産に至ることができるか、というと個人差も大きいですが年齢によります。35歳でおよそ10個、40歳だと50個くらい。質のいい卵子ならば一つで妊娠しますが、質の悪い卵子ならば確率は下がるのです。しかし、排卵誘発剤を使わなければ卵子は月に1個しか取れません。10個も20個も採卵するには何ヶ月かに渡って排卵誘発剤を使い、何度も採卵しなければいけないことになります。

若いうちに取っておくのでなければ(外国では大学卒業時に父親から卵子凍結の費用をプレゼントされたりしているそうです)、望みをつなぐために数個取っておくというのが現実的かもしれません。

私は35歳で第一子を出産しましたが、妊娠前にこの方法が実用化されていればどうしていただろうなあ、と考えてしまいます。みなさんはどう思いますか?30代前半なら、「そんなことにお金をかけるなら、相手を見つけて妊娠した方が早いんじゃないか」と思われるかも知れません。卵子を凍結しているという安心感が人生にプラスに働くかどうかは分かりません。

しかし、魅力的な技術であるのは確か。選択肢が増えるのは悩みが増えることでもありますが、あなたは凍結したいですか?
 

この記事のライター

産婦人科女医・性科学者。現役産婦人科医として、都内の病院で診療に従事すると同時に、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

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