【札幌DRESS部】いつ招かれてもこわくない。茶の湯の心とマナーを学ぶお茶席体験
4月9日に札幌DRESS部主催でお茶席体験を開催しました。札幌DRESS部運営チームの小波朋子さんにレポートしていただきます。
■札幌DRESS部企画「茶の湯の心が垣間見えるお茶席体験」
卯月のまだ肌寒い日曜日の昼下がり。
畳を清め、掛け軸の言葉や、お花、香合などに、今日いらっしゃるお客様にどう過ごしていただきたいか、の気持ちをこめた準備が整いました。
■作法はどれも意味が込められたもの
先ずは小葉松弘恵先生から招かれた側の基本的な注意事項の説明がありました。
作法は常に理にかなったもので、その理由はすべて相手を思いやる気持ちからであるとのことです。
たとえば、アクセサリー類は全て外すというのは、出される茶器などを傷つけないため。
白い足袋や靴下を持参し直前に履き替えるというのは、清められた畳を汚さないためなどです。
そしていよいよ「席入り」に入ります。
■お菓子の取りかた、お箸の扱いかた
次にお菓子の取り方を教わります。
本来、主菓子は濃茶の席に事前にいただくものですが、企画担当の私が、部員の皆さんに知る人ぞ知る瑞祥庵さんのものをどうしても味わっていただきたかったのと、食べ方は絶対知っておきたいよね! と思いご用意しました。
左から「北国の春」「春風」「里桜」。
そして、正しい薄茶用のお菓子がこちら。
和三盆を使った、口に入れるとじゅわっと溶ける、木型もオリジナルで作られている「ゆらり」さんのもの。
この甘さの余韻が口の中に残っている間に、お抹茶をいただきます。
■先生のお点前を拝見
そろそろ正座がきつくなってきたところで、先生のお点前がはじまりました。
お点前を拝見しながら、亭主と正客(ゲスト側の代表)の問答(会話)の流れも確認。亭主がどんな気持ちで、お客様のために掛け軸などを設えたのかが伝えられる大事な場面です。
随所に「春」を取り入れたおもてなしがされていることに一同頷きながら、お抹茶をいただきました。
その後、ついに正座も限界になったころ、テーブルに席を移して、今度は自分で抹茶を点てることにチャレンジ。
「あんまり時間をかけると、どんどん苦くなりますよ」という先生の言葉に焦りながらも、思い思いの泡を点てられました。
実際にいただいてみて、「先ほど先生の点てたものと全然ちがう!」、「でも、これはこれで美味しい」といった声があがり、ようやく皆さんの顔に笑顔が戻りました(笑)。
■部活を終えて
今回のお茶席体験は参加者も多く、お待ちいただく時間も長くて大変だったと思われるのに、辛抱強くお待ちいただいたおかげで、つつがなく、終えることができました。
この日、この時、この方たちと、さらには、使われたお道具さえも、2度と同じ取り合わせになることはないのだから、この場の、このひとときをみんなが素晴らしい気持ちで過ごせるように、招いた方も招かれた方もベストを尽くしましょう、という利休の言葉を実感した1日でした。