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女性器の悩みを深刻化させる一言「ヒダ(ビラビラ)大きくない?」 2/2


■婦人科での心ない言葉で、女性器の悩みが悪化

女性器の悩みを深刻に感じ始めるタイミングは、検診や婦人科診療にもあります。30代後半のCさんも医療機関での一言がきっかけでした。

「生理痛がひどくて病院に行って診察を受けました。筋腫か、最悪がんの危険性もあるということで内診をすることに。そのとき、先生が『あっ』と言ったんです。

なんだろう? 見た瞬間に何かわかることがあるのかな? それとも何か腫瘍みたいなものが見えるとか? と思ったのですが、内診は終わり、支度をしていると看護師さんが小声で話しているのが聞こえました。

『色がけっこうくすんでいて、ヒダがベロンベロンなんだって』。え? これって私の話? と耳を疑いました。違ったのかもしれませんが、先生の『あっ』というつぶやきと看護師さんたちの会話がリンクして、絶対に私の話をしている……としか思えませんでした」

思い出すだけで「震えるほど、悲しい気持ちになります」とつらい体験を語ってくれたCさん。診察の結果、彼女の生理痛は重篤な病気を引き起こすものではありませんでしたが、代わりに心に深い痛手を追いました。

■女性器の悩みが、医療現場で浮き彫りに

Cさん以外にも「婦人科にがん検診に行って、何気なく見たパソコンのカルテ画面で所見を『大きい』と(医師が)書いているのを見てしまいました」という経験をした人もいます。

そんな所見は医療に関係ありませんから、同じ医師の立場としてこの行動はあり得ないと思いますが、これもまた現実です。

うすうす感じていたコンプレックスの輪郭を、医療現場ではっきりとさせてしまう――。残念ですが、医療現場には、心に痛みを持ってしまうような危険がいっぱいなのです。

実は、女性器コンプレックスが原因でがん検診に行けない女性は、想像以上に多くいます。

セックスができない、自分に自信が持てないなども非常に悲しい現実ですが、コンプレックスによって、検診を受けられずに見つかるべき病気が見つからない、場合によっては命に関わることもあると思うと、医師としてどうにかしなければと深く思います。

30代半ばのDさんは「私のアソコはちょっとゆるめなのかな、と思うんです。というのも、今までの彼がみんななかなかイカない。遅漏っていうんですか? 全員がそうって、多分私のせいなのかなぁと思って。友達にも相談してみたけれど、気にすることないと……」

■ナーバスな悩みゆえに、誰にも相談しづらい現実

膣のゆるみの問題もまた、人とは比べられないゆえに自分指標になりがちです。加えて、非常にナーバスな問題ゆえに、他のコンプレックス同様、誰かに相談しづらい悩みでもあります。

ゆるみは、実は機械で検査できます。アメリカやヨーロッパの女性たちは、日常的に女性器の相談をし合うと聞いたことがありますが、日本ではこうした話は、相談するほうも相談されるほうも、後味の悪い話になってしまいがちなところも悲しい現実です。

ある部分では家族より近しい女友達にも、なかなか理解されない女性器コンプレックスですから、ましてや家族に相談をするのは非常にハードルの高いこと。家族だからこそ話しづらいこともたくさんあります。

次回4回目のコラムでは、これらコンプレックスを手術によって克服した女性たちのエピソードをご紹介します。

Text/喜田直江
平成13年京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京都中央区銀座でなおえビューティークリニックを開院。日本形成外科学会会員、日本性科学会会員、ビビーブ認定医、ウルトラヴェラ指導医。著書に『女性器コンプレックス 愛する人と交われない女たちの苦悩』などがある。


臭い、黒ずみ、ヒダの大きさ……女性器の悩みやコンプレックスはどう解消する?

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女性器の悩み、形や色のコンプレックスは解消できる

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※ この記事は2017年7月26日に公開されたものです。

喜田 直江

京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術を経験。その後、形成外科医としての技術を幅広く習得した後、美容外科・美容皮膚科全般を行う。特に婦人科系の美容手術は日本有数の症例数を誇る。2011年、銀座で 「なおえビ...

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