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「子どもにとらわれすぎるママになるのが怖い」【子どものこと、どう考える?座談会・後編】

子どもを持つ人、持たない人。出産後も働き続ける人、以前のような働き方をやめた人。いまはそれぞれ異なる人生を送る女性3人に話を伺う座談会、後編をお届けします。

「子どもにとらわれすぎるママになるのが怖い」【子どものこと、どう考える?座談会・後編】

■ものの考え方、人との会い方……出産後の変化

C:私の友達に、出産したとたんキャラクターが変わってしまった子がいるんですね。広い視野を持っていた子なのに、出産後は子どもの話しかしなくなっちゃって、視野が狭くなったって感じてるんです。おふたりは出産後、視野が変わったりしましたか?

B:あんまり変わっていないから、逆にヤバいなとは思っていますね。もうちょっと母としての自覚をもって、家庭を大切としないといけないのに、家に帰りたくない(笑)。

C:帰りたくないのは、どうして? 子どもが大変だから?

B:私、人と一緒に暮らすのが得意じゃないんです。家に人がいる状態がときどきイヤになって。家事もひとりのときじゃないとできないんですよ。夫がつけっぱなしにしているテレビの音がうるさくてくつろげないし、それなら外で楽しく過ごしたほうがいいなという。

A:よく結婚しましたね(笑)。

B:本当ですよね。夫も忙しいので、家であまり会わないから仲良くできているのかもしれません。もうちょっと“母らしい”部分を持った方がいいのかな、という自覚はあります。

C:Aさんは変わりました?

A:親ばかの人たちはそうかもしれないけど、私はもともとそんなに子どもが好きじゃないので、あまり変わっていませんね。やっぱり出産前も後も一番は旦那さん。子どもは旦那さんを手なずけるための人質くらいに思っているからこそ大切に育てますけど。

B:ちなみに、さっき「キャラクターが変わってしまった」と言っていたそのお友達は、妊娠出産前から子ども好きな方だったんですか?

C:そうじゃなかったんですが、もともと情緒が安定している方ではなかったですね。私も若いころはぶれやすかったから、そういった面で波長が合って仲良くなったところもあります。その子は産んだらすごいラクになるよ、って勧めてくるんですよ。世の中の煩雑なことに情緒を揺さぶられなくなるから、産んだ方がいいって言われましたね。

A:じゃあもう、旦那さんとかの関係とかに悩まなくなった、とか?

C:そう。子どもだけに集中していればいいからラクって言ってました。

B:でも、友達が面白くなくなっちゃうのはショックですよね。

C:ちょっと寂しいな、とは思いますね。

――そのお友達はストレスがなくなっているみたいですが、出産でストレスが増える人もいますよね。

A:児童館で会う若いママからは「もっと遊んでみたかった」とか「もっといい人がいたんじゃないか」とか、何かしらの不満を聞きます。

B:なるほど。出産して育児をしていく中で、毎日めまぐるしくいろんなことが起きるし、自分もどんどん変化して対応していかないといけない。以前とまったく同じように遊んだり外出したりできるわけじゃないですよね。ただ、配偶者や家族、保育園、友人などに相談してうまくやりくりすることはできるかも。私もまわりの人に協力してもらって、わりと妊娠前と同じような生活を送れてるかな、と思います。だから、育児について、ほとんどストレスは感じないですね。

■子どもを持たない既婚者がママの集まりに行くのはしんどい

――独身の友達と会ったりはしないんですか?

A:その場合は外に行くと迷惑かけるから、家に呼んでます。会い方は変わったけど、でも関係性は変わらないですね。

B:確かに、子連れの場合は会い方は変わりますよね。外に行く場合は、子どもOKなところじゃないといけないし。

A:そういうところに引け目はありますね。会うときに迷惑かけちゃうなあ、とか。その場合、いろいろしてくれたらごはんを作ってあげるとかしています。

B:お酒を飲む場で会う場合は、子連れで行かないから、以前と何も変わらないかも。

A:子どもは連れていかないんですか?

B:連れていくとお酒が飲めないんですよ。子どもを家まで無事に連れて帰らなきゃって思うので。自宅でも、子どもが気になるのでほとんど飲まないんです。ちゃんと子どもを見てくれてる人がいるときしか飲まないようにしています。

――Cさんは、さっきの友達以外に、子どもを産んでいる友達と会っていて感じることはありますか。

C:仲良かったコミュニティの人たちがみんなママになっちゃったので、会うときは誰かの家に集まるんですけど、そこに行っても全然楽しくないんですよね。たまには行っておいたほうがいいんだろうな、と思っていくけど、話が合わない。

B:私の地元でも子どもを産んでいる人と産んでいない人が半々くらいになってきて、集まりに子どもを連れてきてって言われるけど、あまり楽しくないですね。子連れだとお酒飲めないし(笑)。ただ、すごく信用している友達たちなので、集まっているみんなに子どもを預けて美容院に行ったりできて、助かってます。

C:私の場合そういう場所に行くと、みんなが子どもの話題で盛り上がっているので、その場で浮いているパパたちと仕事について話をするくらい。いたたまれない気持ちになるから、あまり行きたくないですね。

B:私も、子どもを連れていくと子どもの話をしなきゃいけないから、すごくイヤなんですよ。何ができるようになったとか歯が生えたとか、他人の子どもの成長スピードなんて、とくに興味ないもん(笑)。

C:私、Bさんと実際の環境と頭の中が逆な気がしました。私がBさんの立場ならもっと子ども中心になっていたと思うし、Bさんが私の立場なら普通に仕事を謳歌している感じ。ただ、今日お話ししていて、おふたりみたいなタイプだったら、子どもの有無に関係なく付き合える気がします。子どもにとらわれすぎていないから。子どもが中心になってしまうタイプの友達とは、どんどん距離が開いていっている気がしますね。

B:完全にママになっちゃうんですね。

C:そう。それが怖いの。

A:私もあまりにもキチッとしすぎたママだと同じママ同士でも付き合いにくいな。結構テキトーが一番ですね、自分的には。

■もし子どもがいなかったとしても、夫婦仲良く幸せに暮らせるのが理想

――子どもがいるおふたりがもし、旦那さまやご自身の事情で子どもができなかったら、どうなっていたと思いますか?

B:子どもができない状況だったら、めちゃくちゃうれしかったと思います(笑)。自分としては子どもを産む予定ではなかったので。晴れやかな気持ちで「じゃあ、しょうがないよね!」って。

A:うちはできなかったら、いつか旦那さんに捨てられてたと思います。旦那さんは年下で、彼が学生時代に私との結婚を決めさせたんです。もっといい女はこの後いっぱい出てくると思ったので、早めに摘み取りました。子どもができてなかったら、アナウンサーやスッチーあたりの格の高い女に横からさらわれたり、子どもができちゃったりしてたかも……。怖いから、あまり考えたくないですね。

C:きっと相手のお母さんからも、そろそろって……。

A:言われてましたね、きっと。

――女性誌の『FRaU』3月号に掲載された山口智子さんの≪ずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました≫といった、産まない発言が話題になっていました。あの記事を見てどう感じましたか。

A:世の中から批判されてるのかと思ったら、違うんですよね。私は、もう50歳だし、子どもができないことを想定して、防御のために言ってるのかなって解釈しました。

B:いいんじゃないですかね、人それぞれだし。そうなんだ、って思った程度です。保育園問題の記事で「子どもを保育園に入れられたママたちだって、本当は子どもともっと一緒にいたいはず」みたいな、何かを代表して“みんなの意見”のように言っているような記事は、「何勝手に代表してるんだ! ママそれぞれ考え違うから!」とイライラするのですが、これはただの個人の考えだからなんとも思わないです。

C:私は共感した部分がふたつありました。ひとつは、≪伴侶という人生のパートナーを強く求めていました≫という部分。もうひとつは≪唐沢さんは、夫であり、家族であり、友であり、恋人であり……。唐沢さんと一緒に生きることは、ほんとうに楽しいです≫という部分にすごい共感しています。私も夫も切に子どもをほしがっているわけではないし、彼は子育てに協力してくれるタイプではなさそうなので、子どもができたら関係が悪くなる気もしているんです。そうなるくらいなら、子どもがいなくても夫婦仲良く幸せに暮らせるほうが一番大事だと思っています。

A:私も旦那さんとの関係がよくなるから産んだので、そこがよくならないなら産む必要ない人もいると思います。

――本日はありがとうございました。

構成=ミノシマタカコ

イラスト素材: Freepikによるデザイン

DRESS編集部

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