【管理栄養士が助言】ダイエット中の甘い飲み物はこれがおすすめ、我慢するべき飲み物は?
ダイエット中、どんな飲み物をとればいいのかわからず悩んでしまう方も多いのでは? 管理栄養士の常木綾子さんに、ダイエット中におすすめの飲み物とできれば避けてほしい飲み物のほか、手軽に作れるヘルシーなダイエットドリンクのレシピを3つ教えていただきました。
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⌇記事後半で甘い飲み物レシピを3つご紹介しています⌇
1.おから入り豆乳ココア
2.緑茶チャイ
3.こうじ甘酒のグリーンスムージー
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ダイエット中、水分は意識的に摂っていますか? 水は体の中で栄養素を運んだり、老廃物を排泄したりするだけでなく、体温調節においても重要な役割を担っています。体の約60%は水分でできているので、水分を摂ることはとても大切なのです。
特にダイエット中は、食事量を減らしていると食事から摂れる水分量が減るため、脱水症状やむくみの原因になってしまうことも……。ダイエット中は、普段以上に意識してこまめな水分補給をしてほしいところです。
今回は、そんなダイエット中におすすめの飲み物・避けてほしい飲み物や、ダイエットドリンクのレシピをご紹介していきます。
■ダイエット中の飲み物選びのポイント
ダイエット中、食事量を無理に減らしたり、飲み物も口にする回数を減らしたりしていませんか?
毎食の食事の中にも、水分は多く含まれています。日本人はごはんや麺類の食生活の方が多いので、食事から摂れる水分量は約50%とされています(パンを食べる機会が多い方は、食事から摂れる水分量は約30%とより少なくなっています)。
冒頭でもお伝えしたとおり、食事を無理に減らしたり抜いたりすると、食事から摂れる水分摂取量が減ってしまいます。それに加えて飲み物自体も飲まないでいると、夏場以外でも脱水症状に陥りやすくなってしまいます。
また、無理なダイエットで体のミネラルのバランスが崩れたり、たんぱく質が不足すると、体がむくみやすくもなるのです。ダイエット中は食事の量は無理に減らさず、水分をこまめに摂ることを心がけましょう。
でも飲み物で太りたくはないし、何を飲んでいいかわからない……という方に、ダイエット中の飲み物選びのポイントをお伝えしますね!
甘味料不使用の飲み物を選ぶ
市販の飲み物で気をつけたいポイントが「甘味料」です。これは砂糖を始めとする、食品に甘味をつけるために使われる調味料です。甘味が加わるととてもおいしく飲みやすくなりますが、吸収されやすい糖が含まれていることが多く、血糖値の急上昇で疲れやすい体になったり、太りやすい体になってしまうことも……。
「ゼロカロリー」や「シュガーフリー」と明記されている市販の飲み物には、砂糖の代わりになる人工甘味料などが添加されている場合が多く見受けられます。砂糖の数10倍~数万倍の甘さを持つ甘味料を「高甘味度甘味料」と呼びます。ごく少量で甘味がつくことから、糖質やカロリーを抑えることができるのが特徴です。
糖質やカロリーを抑えられる! というのは一見ありがたいのですが、人工甘味料を含む飲み物を継続的に飲んでいると味覚が鈍る可能性もあり、より甘い物を欲してしまったり、腸内環境を悪化させてしまうことも……。市販の甘い飲み物を毎日飲むことは、ダイエット中は控えるのをおすすめします。
どうしても甘い飲み物を飲みたいときは、自分で作って砂糖の量を調節したり、甘味料の種類をはちみつや黒糖など、ミネラルの高いものに限定するのもおすすめです。
代謝を低下させないため、常温のものを選ぶ
私たちの体は食事をすることで燃料を取り込み、その燃料をエネルギーに変えて活動しています。生きていくために必要最低限のエネルギー、これを「基礎代謝」といいます。
ダイエット中や冬場、運動習慣が少ない方はこの基礎代謝が下がっていることが多いため、その状態で冷たい飲み物を飲んでしまうとさらに代謝が下がってしまい、食べたものを上手くエネルギーに変換できず、太りやすくなってしまいます。
代謝を低下させないためにも、冬場などは特に、常温のものや温かいものを口にするよう心がけましょう。
■ダイエット中におすすめの飲み物5つ
ダイエット中にもおすすめな飲み物を、5つご紹介します。
水、白湯
純粋な水には余分なものが入っていないため吸収されやすく、円滑かつスピーディーに体の中を巡ってくれます。血液の流れをよくしたり、細胞の活性化にも役立ちます。一度にたくさんの水を飲むよりも、こまめにちょっとずつ水分を摂る方が、胃腸に負担も少なく、吸収されやすくなります。
また、白湯は温かいので胃腸にも優しく、代謝を上げる効果も期待されます。人は寝ている間にも汗をかいて脱水の状態になっていることが多いので、朝起きてまず水や白湯を1杯飲むことを習慣づけるのがおすすめです。
水分補給ができると同時に胃腸を優しく活性化してくれるので、朝なかなかお腹が空かず朝食をとれないという方は、まずは水や白湯から始めてみませんか?
スパークリングウォーター
無糖の炭酸水も、ダイエット中にはおすすめです。シュワッとした感触を楽しめるだけではなく、炭酸で満腹感も感じやすくなります。
レモン果汁やオレンジなどの柑橘類を入れてもおいしいので、どうしても甘い炭酸が飲みたいときの置き換えにもピッタリ。
緑茶
無糖のお茶はダイエット中の水分補給に最適! 特に緑茶には抗菌作用のあるカテキンや、うるおいのある肌の合成に役立つビタミンCも含まれます。風邪予防のためにも、緑茶を飲むことはおすすめです。
ただし、緑茶にはカフェインも含まれ利尿作用があるので、飲みすぎてしまうと逆に脱水症状が出てしまうことも。過度に飲まないよう、気をつけてくださいね。
スムージー
スムージーは野菜や果物などさまざまな食品を使っているので、日頃不足しがちなビタミンやミネラルを補ってくれる、ダイエット中にはうれしい飲み物。
甘酒やヨーグルトを加えると、甘味料なしでもおいしく、たんぱく質も摂れる優れものに。市販のものを買うときには、甘味料の入っていないものを選ぶようにしましょう!
ハーブティー
低カロリーでノンカフェインのものが多く、リラックス効果や便秘、肌荒れ解消の効果もあるので、ダイエット中のリラックスタイムにおすすめ! ただし、効果・効能を早く得たいからと過剰に飲みすぎたりすると、アレルギーや副作用を起こす可能性もあるので気をつけましょう。
妊娠中や薬を服用中の方、持病をお持ちの方は特に気をつけていただきたいので、常飲する場合は医師へ相談することをおすすめします。
■ダイエット中にはできるだけ我慢してほしい飲み物4つ
反対に、ダイエット中にはできるだけ避けてほしい……! という飲み物もご紹介します。
清涼飲料水
清涼飲料水とは市販の乳製品類やアルコール飲料以外の飲み物全般を指しますが、ここで避けていただきたいものは、一般的に売られているジュースや甘い飲み物。
咀嚼の必要もないため、ごはんなどの糖質よりも吸収されやすいのが特徴です。また、毎日飲む習慣があると、血糖値も上昇し、疲れやすく太りやすい体になることも……。
どうしても飲みたい場合は、人工甘味料や砂糖のできるだけ少ないものを選ぶことをおすすめします。
お酒
アルコールには食欲増進作用があるため、お酒を飲むとついつい食べすぎてしまいがちに。お酒を飲む際は、おつまみにも注意することがダイエット中のポイント。おつまみを揚げ物ではなく蒸し物や焼き物に変更したり、めかぶやもずくなどの海藻類を先に食べたりすることもおすすめです。
飲みすぎには注意して、甘いアルコール飲料(サワー、酎ハイ、カクテルなど)は控えましょう。アルコールの代謝を妨げる添加物や人工甘味料などが入っているものは避け、なるべく原材料がシンプルな質のいいお酒を選びましょう。
スポーツドリンク
糖分と塩分がバランスよく入っていて体に吸収されやすいスポーツドリンクは、運動中や体調不良のときの水分補給に最適。しかし、ダイエット中に水分補給のためによく飲んでいるという方は、吸収されやすい糖を含むため要注意です。
スポーツドリンクを飲む場合は運動中だけにして、日常的にこまめに摂る水分補給には水や無糖のお茶がおすすめです。
乳酸菌飲料
乳酸菌飲料は整腸作用もあり、腸にはとてもよい効果のある優れものです。しかし、飲みやすくするために甘味料の入っているものが多いので、毎日飲む習慣があると太りやすい体になることも。
ダイエット中に乳酸菌を摂りたい場合は、無糖のヨーグルトを食べたり、甘味料の入っていないものを選ぶといいでしょう。
■1食置き換えても◎ 手作りダイエットドリンクのレシピ3選
ダイエット中は、人工甘味料や砂糖が入っている飲み物はできるだけ控えた方がいいのは分かった。けれど、ときどきは甘くておいしい飲み物が飲みたい……。そんな風に思う方もいらっしゃると思います。
ここからは、ダイエット中にも罪悪感を覚えずに飲める、おいしくてヘルシーなダイエットドリンクのレシピを3つご紹介します。食べすぎてしまった日には、1食をこのドリンクに置き換えるのもおすすめですよ!
1.おから入り豆乳ココア
ココアパウダーの主原料であるカカオマスには、抗酸化作用のあるカカオポリフェノールが多く含まれます。純ココアは糖類や脱脂粉乳などが加えられたミルクココアに比べ、糖質やカロリーの取り過ぎも防ぐことができます。
豆乳でダイエット中に不足しやすいたんぱく質、おからパウダーで食物繊維もプラスして、おなかの調子を整える効果も期待できます。
材料(2人分)
A 純ココアパウダー 5g
A おからパウダー 5g
お湯 20ml
無調整豆乳 300ml
はちみつ(お好みで) 適量
作り方
1.カップふたつにAを半分ずつ入れてお湯を注ぎ、スプーンでよく溶かす。
2.無調整豆乳を1に入れて電子レンジで温める。お好みではちみつをいれても◎
2.緑茶チャイ
抗菌作用のあるカテキンやビタミンCを豊富に含む緑茶を使った、温かいチャイはいかがですか?
香りづけのシナモンには、抗酸化作用が期待される、フラボノイドといわれるポリフェノールの一種も含まれます。また、血行をよくして代謝を上げてくれるなど、ダイエット中にはうれしい効果も期待できます。
材料(2人分)
緑茶(茶葉) 大さじ1
水 150ml
牛乳 200ml
シナモンパウダー 適量
砂糖(お好みで) 適量
作り方
1.小鍋に水を入れて沸騰したら緑茶(茶葉)を入れ、濃い目に煮出す。
2.牛乳を入れ、弱火で3分程煮込む。
3.茶こしで濾しながらカップに注ぐ。シナモンパウダーを振りかけ、お好みで砂糖を入れる。
3.こうじ甘酒のグリーンスムージー
緑黄色野菜とフルーツ、糖質、たんぱく質がこれ1杯でとれるスムージーです。こうじ甘酒とバナナの優しい甘さで飲みやすく、忙しい朝にも手軽に作れるので、ダイエット中の朝ごはんにもおすすめです。
こうじ甘酒やヨーグルトに含まれるオリゴ糖や乳酸菌が腸内環境を整えてくれるので、お通じ改善や美肌効果も期待されます。さらに、小松菜に含まれる鉄分は、貧血気味な方の予防にもおすすめです。
材料(2人分)
小松菜 1株
バナナ 1本
A こうじ甘酒 100ml
A 無調整豆乳 200ml
A プレーンヨーグルト 大さじ2
作り方
1. 小松菜は茎をよく洗って手でちぎってミキサーに入れる。バナナも手でちぎって入れる。
2. 1にAを入れ、なめらかになるまで撹拌し、器に注ぐ。
■飲み物も、大切な食事のひとつ
日頃口にする飲み物も、実は大切な食事のひとつです。ダイエット中のご褒美に甘い飲み物をときどき飲むのはOKですが、習慣的に甘い飲み物を飲むことはできるだけ控えるのがおすすめです。
無理なく楽しく、ダイエット習慣を生活に取り入れてくださいね。
参考文献
・『「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書』(厚生労働省)
・『食事のせいで、死なないために』 (マイケル・グレガー、ジーン・ストーン著)
※こちらは2021年2月5日に公開した記事内のリンク切れなどを修正したうえで再掲載したものです。
管理栄養士。株式会社Sunny andで料理家アシスタントを務めつつ、コラム執筆やからだ想いのおやつ製作販売など活動中。