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母でも、自分らしく堂々と働く。それが女性の自由への近道。

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「子供は5人欲しい」幼い頃から、結婚も、子供も、仕事も全部欲しかった私の発言が、拙著『自分の会社をつくるということ』の表紙に引用されると、賛否両論が巻き起こった。「勇気をもらった」というコメントもあれば「子供を持てない人の気持ちがわからないなんて最低」と強い筆圧のお手紙もいただいた。 

母でも、自分らしく堂々と働く。それが女性の自由への近道。

「子供は5人欲しい」幼い頃から、結婚も、子供も、仕事も全部欲しかった私の発言が、拙著『自分の会社をつくるということ』の表紙に引用されると、賛否両論が巻き起こった。「勇気をもらった」というコメントもあれば「子供を持てない人の気持ちがわからないなんて最低」と強い筆圧のお手紙もいただいた。 

2000年に26歳で起業した私は「女性起業家」という珍しさからか、幸運にもマスコミ取材が多かった。当時、どんな質問にも素直に答えたが「子供がいる」事だけは記事にならないよう気をつけていた。 

それには二つの理由があった。一つは「社長なのに育児まで」なんて、経営者の資質とは関係ないから、売りにしたくなかった。そして、もう一つは長女の難病。妊娠中に発覚した。「お腹のお子さんが生まれてくる可能性は低く、生まれてきても数日の命。どうしますか?」。お医者さんに出産か中絶かの決断を迫られた、あの衝撃は今でも心に沈んでいる。母としての本能が産むと即答したものの、周囲の大反対にあった。結局、N I C U 完備の病院で、帝王切開で1500gにも満たない我が娘を抱いたものの、状況を受け止めきれず、朗らかに子供の事を語れない自分がいた。 

そこから「子供5人発言」へと変化するきっかけをくれたのは、ある新聞記者さんだった。「お子さんがいる事、それも経沢さんなんです。出産から影響をうけた事、ちゃんと記事にしたいです」と。 

確かに私は第一子の妊娠を機に、女性として大きく変わった。介護が必要な子供を持ち、今まで交わらなかった世界を多少知った。なんでも努力すれば叶えられるという傲慢さから、人生は時としてどうにもならない事も知った。他人の痛みも前よりわかるようになった。 

そして、それは経営者としての生き方や視野の広がりにも繋がった。自分の子供が大きくなったときの社会に想いをはせるようになった。 

子供は一人ぐらいで充分かなという考えから、ゆるされるならば、出来る限り生みたい、子供が沢山いる人生を送りたい、そう思うようにもなった。それが冒頭の5人発言に繋がった。 

長女は沢山の愛情をうけ、最新医療に助けられ、4歳まで生きた。彼女は研究対象になった。彼女と同じ病気を持つ子供達に、彼女の存在が引き継がれている。母としては誇らしい。そして私は、まだ5人の夢は叶ってないけど、その後さらに2人産み、おかげさまで長男と次女は元気でやんちゃだ。長女の病気によって気づかされ、彼女の命まで生きる覚悟をした私は、この10年間、経営と3回の妊娠、出産、育児にまみれながらも、歯を食いしばって上場も果たした。きっと前より強くなった。全部、長女が導いてくれた。 

そして今、新しい事業をスタートさせた。「KIDSLINE(キッズライン)」。インターネット上で即日から格安(時給1000円〜)に手配できるベビーシッターサービスだ。 

現代はママに育児の負担がかかりすぎている。本来、育児はみんなのものだと私は考えているし、子供を一人育てるのに村一つが必要なほど人手が必要とされるのに、会社では管理職になれといわれ、周囲には結婚しろといわれ、子供を産んだら完璧な母を求められ、居酒屋に子供を連れて行けばバッシングされ、キャラ弁をつくらなければ肩身が狭い時代になった。 

今、仕事にやりがいを感じていて、子供は欲しいけれど、キャリアも捨てられずに迷っている。そんな女性たちも沢山いると思う。私は新しい育児システムを通して、すべての女性が、母になっても自分らしく輝き続ける社会を実現したいのだ。 

だから、自分の育児経験をもとに、気軽に安全に安心に、かつ安く育児をサポートできる仕組みをつくった。子供が繋がる。育児で繋がる。キッズ+ラインという名に込めた想い。察鐇ヤ薔長女が授けてくれた想いをもとに、私は、これから社会に新しい育児スタイルを提案していく。

母でも、自分らしく堂々と働く。
それが女性の自由への近道。


経沢香保子

Text / Kahoko Tsunezawa Photo / Kisei Kobayashi
Hair&Make-up / Maki Tokuji Styling / Yuko Hodono
DRESS 2015 4月号 P.164 掲載

経沢香保子(つねざわ かほこ)
桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配可能な 安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を運営中。オンラインサロン「女性起業家サロン」も人気。

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経沢 香保子

桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳のときに自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。 2014年に再びキッズラインを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社...

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