うんちをたくさん出せる人がしていること
うんち、出していますか? ご自身が「快便のために心がけている生活習慣や食習慣」を寄稿いただくシリーズ。ご自身が試してみて良かった、快便になったと感じている方法を率直に綴っていただきます。今回は人生・学習 便秘解消ブレイクスルーアドバイザーのRinさんの寄稿です。
皆さん、毎日快腸にお過ごしでしょうか? 人生・学習 便秘解消ブレイクスルーアドバイザーのRinと申します。
「もう3日もお通じがないけれど、お薬に頼った方がいいかなあ」
こんな会話、女性同士だとよく出てきますよね。実際、男性より女性の方が便秘に悩む方は断然多いです。よく言われる説のひとつに「男性の方が腹筋が強いから」というものがあります。
ですが、腹筋があまりなさそうな、ぽっちゃり系やメタボ気味の男性からも便秘に悩む話はあまり聞きません。「腹筋説」も一理あるとは思うのですが……。
確かに男性と女性では身体の構造が異なるため「男性は便秘になりにくい」「女性は便秘になりやすい」という説もありますが、ひとくちに“便秘”と言っても、自分自身の原因を正しく知っておかないと大変なことになります。まずは、便秘に悩んでいた私の体験をまずはお話ししますね。
■極度の便秘で緊急搬送される
今振り返ってみるとあれは、「母娘ふたりで温泉を楽しもう!」という旅の思い出……ならぬ悪夢。到着した日から、腹部の鈍痛と身体のしんどさはあったものの、あまり気にしていませんでした。
というのも、もうすぐ生理日だったので、腹痛もだるさも、そのためだろうと思い込んでいたのです。大好きな温泉もそこそこに早めに就寝したものの、翌朝は激しい腹痛で目が覚めました。トイレに駆け込むも、腹痛が増すばかりで排便は一向に起きません。
腸がねじれるかのように激しさを増していく痛みに、体中から脂汗が噴き出てきます。
さらに! 胃のムカムカを感じた瞬間、嘔吐。そこからは、腹痛と繰り返す嘔吐でトイレから出られなくなってしまいました。
朝食準備に来た仲居さんが異常を察し、宿の女将さんが「もしうちで出したものが原因だったら大変なことですので」とおっしゃり、私は人生初の救急搬送となりました。
救急搬送先での診断結果は、腸閉塞。慢性的な便秘により、直腸部分の便が固まってしまい、腸が動かなくなっていたのです。「いつからお通じがなかったのですか?」という担当医の問いに対し、私は答えられませんでした。旅行前で仕事が不規則になっており、最後の排便がいつだったか全く記憶になかったのです。
「毎日排便があっても、コロコロうんちしか出ず、腸の中の便が固くなり過ぎると同じ症状は起きます。気を付けてくださいね」との医師からの言葉に便秘の恐ろしさを痛感しました。
この日から、私は自分の食べたものや、体重、生理日、そして便通に関して詳細にアプリで記録をつけることにしました。そして気づいたことは……便秘と生理日とが大きく関係している、ということ!
大人の女性に便秘が多い謎や、大人の女性と比べて、小学生くらいまでの子どもが便秘に悩まない謎が一気に解けた思いがしました(もちろん人それぞれなので、子どもでも便秘に悩むケースはあります)。
■私の便秘体質 改善対策
「生理後は痩せやすいからダイエットするのに向いている」という話はよく耳にするかと思います。
排卵後から生理までの期間、女性の身体は体内にしっかりと「溜め込む」体制に入ります。腸の動きも緩慢になるこの時期は、どうしても便秘になりやすい時期。そこに、生理前特有のあの「イライラ感」からのドカ食いが重なると、あっという間に便秘度数は加速されてしまいます。
本来なら、生理が始まると同時に、子宮の収縮活動が開始され、腸の収縮活動も活発化し、便秘は解消されるものです。が、食生活が乱れたままだと、いくら腸が収縮しても、便はうまく排出されず、慢性的な便秘がどんどん重なっていくこととなります。
便秘と生理日が関係しているのに気づいた私は、後に紹介する対策を行いました。
その結果、何日便秘が続いているのかもわからず、腹部の違和感も慢性化しすぎて気づかない状態から、「生理が始まったからそろそろ排泄期だな」と予想ができるようになりました。
そして、「排泄期」にはしっかりとしたバナナ状のうんちが出るようになり、排卵後〜生理までの期間と比べて、自然と体重が2キロほど落ちるようになりました。
ここからは、私が取り組んだ「便秘体質 改善対策」を具体的にお伝えしていきますね。
1.自分のバイオリズムと仲良くなる
今はアプリがたくさん出ていますから、自分の排卵日や生理予測日を簡単に知ることができます。
うんち回数が減ったり、コロコロうんちで苦戦したりする日が続いても、「生理前の溜め込み期」なら、あなたの女性ホルモンが正常に働いている証拠です。ここでは、来るべき「排泄期」に向けての準備期間だと身体を労ってあげてください。
2.身体を温める
生理前の冷えは便秘を悪化させます。カイロなどで腹部を温めると、生理痛緩和にも一石二鳥で役立ちます。
また、薬膳的には、ネギやショウガ、シナモン、カボチャ、クルミなどは身体を温める食べ物です。紅茶やコーヒーを飲むときに、シナモンを少し振りかけるなどの一工夫でも、「自分の身体をいたわる」イメージを持ちながら加えるとさらに効果が期待できるでしょう。
3.自分優先の優しい生活を送る
生理前は、心も体も緊張状態になるのが普通です。腸の緊張は便秘につながります。イライラしても自分を責めないで。ゆっくりお風呂に浸かったり、美味しい食事を楽しんだり、自分に優しい生活を送ってください。
薬膳的にも、季節の食べ物は身体にマッチしています。スーパーに足を運んで、旬の食べ物を楽しむのもいいですね!
4.食物繊維をとる
慢性的な便秘に悩み、「生理が来てもうまく排泄できない」という方は、生理前の時期にできるだけ食物繊維をとることを心がけてください。私のイチオシは「オオバコサイリウム」です。
水分を含むと30~40倍に膨れ上がり、水溶性と脂溶性、両方の食物繊維を含む優れものです。水やお茶に溶かしてしばらくすると、ゼリー状になるので満腹感も得られます。生理前のドカ食い防止にもぴったりです!
飲み物に混ぜるタイプの食物繊維サプリはたくさん売っています。いろいろ試してみたのですが、他の食物繊維では、効果の有無があまり実感できませんでした。しかし、オオバコサイリウムは摂取した翌日か翌々日にはしっかりとした排便があります。
薬ではないので、腹痛なども起きません。私の場合、生理前の「溜め込み期」に便が固くなり過ぎているときや、3日ほど便通がないときにはオオバコサイリウムを350mlの水に溶かして朝食代わりに飲むようにしています。
オオバコサイリウムは固まる性質も持っているので、食物繊維を多めに摂りたいときは、片栗粉代わりに使用することもあります。食物繊維が豊富なキノコをたっぷり使った野菜炒めをあんかけにするなど、毎日の生活に気軽に取り入れていきました。
便が固くなっているときには、水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」がおすすめです。海藻類やオクラなどは水溶性食物繊維の代表選手です。
オオバコサイリウムを摂取する際の注意点は、水分をしっかり摂ること。少ない水分で摂取してしまうと、体内の水分をどんどん吸い込んでしまい、逆に便秘になってしまうので要注意です。
まずは、少ない量から開始し、多めの水分で溶かし、飲んだ後もしっかり水分を補給しましょう。サイリウムを摂った日は、必ず2リットルの水分を摂ることをお勧めします。
■医師からのコメント
女性の場合、生理周期後半の黄体期の黄体ホルモン(プロゲステロン)が腸の動きを抑制するため、その時期に便秘の症状が強くなる傾向があります。
この時期に、便秘が悪化する条件や環境が加わると、ますます症状が強くなるため、注意が必要です。
最近では、低糖質ダイエットが流行し、糖質の摂取を減らすために炭水化物を避けることによって、必要な食物繊維が不足し便秘になるという報告もあります。また同時に、筋肉量を増やすためにタンパク質の摂取も推奨されているため、食物繊維をほとんど含まないタンパク質によって、ますます便秘が悪化する可能性もあります。
特に女性はダイエットを意識されている方が多いと思いますので、すべての炭水化物を避けるのではなく、血糖値の急上昇を起こしにくい、いわゆる低GI食の炭水化物を適宜摂取するなどの食生活の工夫が大切になるでしょう。
また1日に一品、ヨーグルトなどの乳製品を摂取することも、腸内環境を整えるために推奨されています。
忙しくて食生活にまで気が回りにくいこともあるかもしれません。そういった場合には、食物繊維の機能性表示食品を摂取することも、便秘を予防するために有効な方法となります」(山中智哉医師)
※ この記事は2019年11月26日に公開されたものです。
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